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《ひでこの部屋 ゲスト:優木まおみさん》「心の断捨離は得意だけど物の断捨離は苦手」「私の競争相手は私自身」

2023/07/11

今月のお客様は優木まおみさん。当意即妙なおしゃべりが持ち味で、グラビア・キャスター・レポーターなどマルチタレントとして活躍したのちピラティスのインストラクター資格を取得し、現在は「身体美容家」としても活動中です。「心の断捨離は得意だけど物の断捨離は苦手」と話す優木さんと、ヨガ歴40余年のひでこ先生の身体×心×断捨離トーク、始まり~!

断捨離(R) 提唱者。1954年、東京生まれ。子育てや介護を経験した後、ヨガの行法哲学「断行・捨行・離行」か...

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他人と比べない。昨日の自分よりも成長できていたらいいんだ

ひでこ:優木さんは身体美容家としても活動されているのね。ずばり、健康的な美しさを保つ秘訣は何かしら?
優木:飽食に慣れてしまった現代人にとっては、「いい物を取り入れる」よりも「要らない物を出す」ことが健康への近道だと思っています。それと、感情のデトックスも。
ひでこ:今はストレス社会だから、心の断捨離も本当に大切ですね。
優木:私はもともと、自分を他人と比べては、ジェラシーを感じてしまうところがあって。特に、芸能界に入ったばかりの若い頃は、周りのすごい人をうらやんでは落ち込むという負のループを繰り返していたんですけど、それって不健康ですよね。
ひでこ:ふむふむ。興味深い話ね。
優木:ずーっと考えてあるとき、自分と他人を比べるのをやめる練習を始めたんです。自分を他人と比べる代わりに、昨日の自分と今の自分を比べる。誰かをうらやましく感じたら、相手が見えないところで努力している姿を想像する。そうするうち「私はここまでの努力はできない」と気付くことが何度もあって。だから、他人と自分を比べても意味がない。「私の競争相手は私自身」と考えよう、と思えてきたんです。そこから自分の目標を、「昨日の私よりも成長する」にしました。

ピラティスやヨガを続けていると「不快」を「快」に切り替えやすくなる

ひでこ:比べる気持ちをまるごと断捨離するのは難しいから、その代わりに比べる対象を取捨選択する、ということね。ナイスアイデア!その発想の転換のきっかけを詳しく聞きたいわ。
優木:37歳で2人目を出産したあとに心と体の調子を崩し、ボロボロになってしまって。すがる思いで近所のピラティスのスタジオに通い始めたら、想像を超えた変化があって。重かった身体が動くようになって、それから、落ち込みっぱなしだった気持ちが「ま、いっか」って吹っ切れたんです。
ひでこ:ピラティスに救われたのね。
優木:はい。インナーマッスルが鍛えられて体調がよくなり、自律神経が整って、気持ちを前向きに切り替えやすくなりました。今ではインストラクターの資格も持っていますが、ピラティスに頼らなくても気持ちを切り替えられるようになってきました。そこから、他人と自分を比べる癖もだいぶ断捨離できた気がします。
ひでこ:なるほど。私もヨガをきっかけに断捨離の哲学に辿り着いたので、よくわかるわ。ピラティスもヨガも自分の心身に向き合うもの。続けていくと自分を俯瞰できるようになって、例えば誰かに腹が立ったときも、「私は今、怒っているな」と「今・ここ・私」を受け容れられるようになる。すると、怒りへの執着がほどけて、どうしたらこの「不快」を「快」に変えられる?と前向きになれるのよね。
優木:まさに、私が経験したことです。
ひでこ:動物はもともと「今・ここ・私」を生きているけれど、人間は社会的な生き物だから、過去や未来ばかりに目が行ってブレブレになりがち。もちろん私もよ(苦笑)。だから、自分軸をつねに体幹に据えて快適に生きるには、お稽古が必要。それがピラティスやヨガであり、断捨離なのよね。

「もったいない」と食べ物を寝かせて鮮度を下げるなんて本末転倒よ

優木:実は私、心の断捨離はできるようになってきたのですが、物の断捨離は苦手で……。特に悩むのが、いただき物。例えば、高級な食材や調味料はありがたいからこそ、今ある物を使い切ってから大切にいただこうと思うんです。でも結局食べ切れず、寝かせたまま月日が過ぎ、いつのまにか賞味期限切れに。でももったいなくて捨てられない……それを繰り返しています。
ひでこ:それは「好きなおかずは取っておいて最後に食べる」タイプの人にありがちな行動ね。
優木:え、最後に食べちゃダメなんですか?
ひでこ:お店で食べる握り寿司のセットを思い浮かべてみて。好きなネタを最後まで残しておいたら、いざ食べるときにそのネタの鮮度はどうなってる?
優木:あ!鮮度が落ちちゃってますね。
ひでこ:そういうこと。いちばんおいしく食べたいのに、「大切にしたい」という執着心が強すぎて、わざわざ寝かせて鮮度を下げてしまうのは本末転倒よ。
優木:そうか~。「今食べたい物を新鮮なうちに食べる」ことが大事なんですね。
ひでこ:そう。すぐ隣に新しい物があるのに、古くなった物を我慢して食べるのは、自分を粗末に扱っているのと同じ。そうではなくて、自分には新鮮な物を与えてもてなすことが大切なの。フレッシュでおいしい物をいただく幸福感から食べ物への感謝が生まれ、フードロスへの意識が高まっていくしね。洋服や人間関係も同じ。今の自分にとって新鮮な物を新鮮なうちに、とことん楽しむのが正解よ。
優木:納得です……。心身の新陳代謝は普段から意識しているけれど、これからは物の新陳代謝も心がけます!
ひでこ:心と身体と空間はつながっているから、きっと優木さんなら物の断捨離もすぐに上達するはずよ。ぜひトライしてみてね。

『他人と自分を比べる癖を断捨離。目標は「昨日の私より成長」にしました。』(優木さん)

『でも人間は弱いから、ブレることも。だから断捨離で自分軸を取り戻すの。』(ひでこ先生)

<教えてくれた人>
・やましたひでこ
断捨離(R)提唱者。1954年、東京生まれ。子育てや介護を経験した後、ヨガの行法哲学「断行・捨行・離行」から着想を得た「断捨離」理論を構築。BS朝日『ウチ、"断捨離"しました!』(毎週火曜夜9時)にレギュラー出演中。『サンキュ!』と作った最新ムック「人生が面白くなる断捨離」大好評発売中。

・優木まおみさん
タレント、身体美容家(R)。1980年、佐賀県佐賀市出身。2002年にデビューして以来、ファッションモデルやグラビア、キャスター、レポーターなどマルチに活躍。ピラティスインストラクターの資格を持ち、ウェルネスやサステナブルを意識したさまざまなアイテムや食品のプロデュースも行う。

参照:『サンキュ!』2023年7月号「断捨離(R)トーク ひでこの部屋」より。掲載している情報は2023年5月現在のものです。撮影/久富健太郎(SPUTNIK) ヘア・メイク/Hachi(ひでこ先生) 取材・文/志村香織 編集/サンキュ!編集部

 
 

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