47平米男2人暮らしの整理収納アドバイザーから、本当に暮らしをラクにする「収納の考え方」を4つだけ聞いてみた

2023/02/25

気になるあの人の家にお邪魔して、見せてもらうのは「棚」と「引き出し」と「冷蔵庫」の中。今回は、整理収納アドバイザーでルームスタイリストの安藤秀通さんのダイニングとリビングを拝見します。

収納もインテリアも「変えていいもの」。 そのひと手間が 毎日を劇的にラクにする

提案1:ときどき配置を変えてみる

今の住まいに引っ越してきて3年。その間レイアウト変更を繰り返し繰り返し、今に至るのだとか!
「この仕事をしていてなんですが、じつは極度の面倒くさがり。なるべくシステムを簡素化させてラクしたい。一歩でも短い場所、ちょっとでも収まりのいい場所を常に探しています」

たとえ夜でも「こうした方がいいかも!」と思い立ったら、すぐに動いて変更したくなっちゃうのだとか。

「パートナーはまたかと思っているかもしれませんが、神様が下りてくるんですよね(笑)。整理収納アドバイザーとしての引き出しを増やすためにも、いろいろな配置を試しています。机の向きを変える、収納場所を移動する。そんなちょっとしたことで手間が省けたり、見える景色が変わります。そうすると、やる気が出てくるんですよね。

何かを買い足さなくても、じつは模様替えはすぐできる。暮らしを楽しむためにも、ときどき配置を変えてみるのはおすすめです」。

すっきりした洗面所は、洗濯動線を意識して収納を配置。イケアのドールハウスがアクセントに。
洗濯機の横に配置している無印良品のポリプロピレンケースには、下着や靴下を収納。右が安藤さん、左がパートナー用。以前は黒い靴下のみだったというパートナーさんですが、安藤さんの影響もあって柄物が増えてきているのだとか。

洗面所にあると便利なものは洗面所に。 着替え・洗濯をするときにどう動くか考えてみる

提案2:思い込みを捨てて、使う場所に置く

すっきり片づいた洗面所。ここにも安藤さんが考え抜いた収納テクニックが満載です。

「つくりつけの収納がなかったので、イケアのデスクを置きました(写真右)。下段には無印良品のラタンボックスを配置し、洗剤や化粧品のストックを収納。中段には無印良品のワイヤーボックスを配置し、タオルを収納しています。
シンク下のポリプロピレンケース(無印良品)には下着類と靴下。乾燥機で乾かすものは、乾燥が終わったら洗濯機の上でたたんですぐにしまっています」。

ストックはパントリーなど広い収納スペースのあるところ、下着類はクローゼット…という思い込みを手放すと、本当に使い勝手のよい収納場所が見えてきそうです。

洗面所で目を引く家形のドールハウスと、その上のウォールシェルフはイケアのキッズ用。おしゃれなだけでなく、お手入れグッズやめがねがさっと取り出せるというメリットも。遊び心のある見える収納は、日々の活力になっています。

無印良品のトタンボックスとポリプロピレンケースを使用。上段のクラフト収納ボックスには、使用頻度の低いものを収納。
引き出し1つにつき1ジャンルにすれば、乱れにくい。ちなみに文房具BOXに赤ペンが多いのは、「毎日手帳に、赤字でハッピーだったことを書き込んでいるから」。

思い立ったらすぐできるようにする

提案3:「やらなきゃ!」と思うことは、箱の中にまとめておく

使用頻度が高いものは、リビングの棚に配置してあるポリプロピレンケースに。
「なるべく早く整理するべきもの」「仕事のときに必要なもの」「作業のときに必要な文具」をジャンル分けしているから、“ものを探す”というよりは必要に応じて箱を取り出すだけ。

「取りやすい上段のケース(写真右)を『なるべく早く整理するべきものBOX』にしています。私はレシートや名刺など、これから整理するべきものの一時保管しているのですが、収納場所がなくちょい置きしがちなもの(DMやおたよりなど)を収納するスペースをつくると部屋が乱れません。ここがいっぱいになる前に、整理をする習慣をつけています」。

左の「仕事BOX」は、手帳や資料入れに。ケースごと出して、作業できるのがメリット。中央の「文房具BOX」は、ジャンルごとにケースに入れてざっくり収納。

1番取り出しやすい棚には、よく使うアイテムを厳選。少ない数のものを立てて収納しているから、ノールックで取り出せて調理もはかどる!

よく使うものは「開ける→取る」にしたい

提案4:ものをとるまでのアクションをなるべく少なくする

ご紹介するのは、キッチンシンク下の収納。ここには、「収納の基本」があるといいます。

「片づけが苦手だったころはまったく意識していませんでしたが、使う場所の近くに置くのが断然スムーズです。
なのでここは、キッチンでよく使う1軍のものを厳選。

すぐに取り出せるように、重ねる収納は廃止しています。ニトリのファイルボックスを配置し、ボウルやザルなども立ててしまう。キッチンバサミは、引き戸の左側にかけられる仕組みに。私もパートナーも1番よく使うので、見なくても取り出せることで作業がはかどります」。

見なくても取り出せる!調理のストレスがどれほど下がることでしょうか。

こちらがパートナーさん専用BOX。ラタンBOXは中が見えないので、ざっくり収納しても問題なし。

キッチンの背面収納は、イケアのデスクを使用。高級感のある無印良品のラタンボックスがぴったり収まりました!キッチンにはキッチン専用の収納と考えずに選ぶと、選択の幅が広がりそうです。

「取りやすい上段は使用頻度が高いもの、下段は使用頻度が低いものを入れています。3アクション以上になる途端に面倒に感じるので、かごを引き出して取る!の2アクションになるように考えています。

収納を見直すときは、ふだんどういう動きをしているかやってみると最適な場所が見つかりますよ。上段右は、パートナーのぶたじるさん専用BOX。いつも料理をしてくれるぶたじるさんに、特等席を使ってもらっています」

PROFILE 整理収納アドバイザー・ルームスタイリスト 安藤秀通さん https://www.instagram.com/hidemaroom/ 家族構成:7歳年上の男性パートナーと2人暮らし 住まい:東京都在住。築35年のリノベーションマンション(1DK? 47平米) 略歴 20年6月に「整理収納アドバイザー2級」の講座を受けたことが転機になり、苦手だった整理整とんを克服。現在は整理収納アドバイザーとしてインテリアや整理収納サポート、講座の開催、執筆などを行う。自宅で定期的に開催しているルームツアーも人気。

撮影/林ひろし 取材・文/草野舞友

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