コミュ力のない私。「何を話したらいいんだろう……」と悩み、人を避けてしまいます
2023/04/29
『サンキュ!』読者アンケートで悩みを聞いたところ、「コミュニケーションに自信がない」という方がたくさんいました。今回の相談者りんさんもその一人。自分の会話にコンプレックスがあって、話したい気持ちはあるのに人を避けてしまうことがあるのだそう。人とナチュラルに会話するにはどうしたらいいのでしょうか?
【相談者】
りんさん(仮名)
43歳 富山県
夫(44歳)、長女(8歳)、長男(6歳)の4人家族。結婚11年目。理学療法士をしていましたが、夫の転勤で2年前から専業主婦に。独身時代は副業でラジオ番組のアシスタントやキャラクターショーの司会をしていたこともあります。趣味はテニス。
【回答者】
心理カウンセラー
若松美穂さん
20代から節約上手なカリスマ主婦として雑誌などで活躍。子育てのかたわら心理学を学び、39歳で心理カウンセラーに。主婦の気持ちや事情にも詳しく、全国から相談依頼が届きます。
https://www.wakamatsu-miho.jp/
「なんとなく知っているママ友達」と一緒になったとき、天気の話くらいしか思いつかなくて、沈黙が辛いです
りんさん(以下、りん):私はちょっとした雑談が苦手で、子どもの習い事で会うママ友や、週1回のテニススクールで会う人と何を話せばいいか、いつも迷うんです。
若松(以下、若松):相手がどんな人でもそうなりますか?
りん:昔からの友達や仕事相手とは普通に話せます。でも、関係の浅い相手だと「いい天気ですね」とか、ありきたりな話題しか思い浮かびません……。
若松:そういうことってありますよね。顔見知りレベルの人とフランクに話すのって、案外難しいですよね。
りん:そうなんです~。ママ友とも、子ども同士が友だちだったり、運動会シーズンだったりして共通の話題があればいいんですが、それがないと「お子さんは何年生ですか?」「どこの学校ですか?」と尋問風になっちゃう(笑)。
若松:うんうん(笑)。
りん:1つ聞いたらそこから話を広げなきゃいけないのに、うまくできなくて困ってます。
若松:しゃべらないといけない、話を広げないといけないと思ってしまうのですね?
りん:沈黙が苦手で……。
若松:なるほど。シーンとしてると気まずい、だから話さなきゃって思うのかしら。
りん:はい。「気まずいのは私のせい?」といたたまれない気持ちになったり……。だからいつも「何を話そう、何を話そう」と考えて頭がいっぱい。変に緊張して疲れるから、最近は習い事に行くのもおっくうです。
もともとおしゃべりは好きなほう。だけど「あなた、自分のことばかり話しているね」と指摘されて
若松:その悩みは昔からですか?
りん:実は、もともとはめちゃくちゃしゃべるほうです。
若松:そうなんですね!
りん:なので、独身時代は理学療法士をしながら、週末にラジオ番組のアシスタントを務めたりキャラクターショーのMC(司会者)をしてました。
若松:え~!すご~い!
りん:理学療法士としても、患者さんとうまくコミュニケーションできてたと思います。
若松:なんだ~。りんさん、話すのは得意じゃないですか。
りん:う~ん、仕事ではうまく話せても、プライベートはまた違うんですよね。
若松:そっか、そういうこともありますよね。では、りんさんがプライベートでたくさんしゃべるときは、どんなことを話しますか。
りん:自分のことを話しますね。例えば、昨日どこに行って、何を食べて楽しかったとか、子どもの笑えるエピソードとか。
若松:うんうん。
りん:話しているとテンションが上がって楽しくなっちゃって、相手に話を振ったり聞いたりできないんです。でもそれじゃダメだなと思って。
若松:誰かに指摘されたりしたのかしら?
りん:はい。ラジオパーソナリティのかたから「りんさんは人の話を取っちゃうね」「しゃべりすぎだよ」と指摘されたことがあります。
若松:そんなことがあったんですね。
りん:それまで自分は話すのが得意と思っていたので、ショックでした。
若松:うーん、それはヘコみますね。
りん:はい……。その後、結婚してママ友づきあいをするなかで、自分が相手の話を聞けなかったり油断すると自分の話ばかりしちゃうことに気がついて、前に指摘されたことを思い出したんです。自分のことばかり話す人と思われるのもイヤだし、相手に不快な思いをさせるのも申し訳ないから、話し方を変えなきゃと思いました。
若松:なるほど。
りん:でも、本来の話好きな自分を封印して頭で考えてしゃべるのって辛い。余計ギクシャクしちゃいます。
若松:そうですよね。「自分の話を聞いてほしい」という気持ちはみんなにあるけれど、その思いが強くてついしゃべりすぎてしまう、という人は案外多いですよ。
りん:そっか~。悩んでいるのは私だけじゃないんですね。
人との会話に自信がないというりんさんが、実は話し好きだったとは意外でした。話すことがなくても、たくさん話しすぎても、コミュニケーションはうまくいかない……。もしかしたらコミュニケーションの秘訣は、話題のあるなしとは別のところにあるのかもしれません。
次回は解決編。心理カウンセラーの若松さんからどんなアドバイスがあるでしょうか?
イラスト/髙栁浩太郎 取材・文/神坐陽子 構成/サンキュ!コメつぶ編集部