「不快な人間関係は捨てていい」フォロワー40万人の精神科医Tomyさんが考える「人間関係の断捨離」【ひでこの部屋】

2024/05/03

豊富な臨床&人生経験に裏打ちされた「ラクに生きるための処方箋」をオネエ言葉で発信するX(旧Twitter)はフォロワー40万人!日本中の悩める老若男女の生きづらさを、やさしくユーモラスに解きほぐして大人気の精神科医Tomyさんが満を持して登場!

精神科医。1978年、岐阜県生まれ。豊富な臨床経験と、ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症...

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断捨離(R)提唱者。1954年、東京生まれ。子育てや介護を経験した後、ヨガの行法哲学「断行・捨行・離行」から...

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人生が面白くなる断捨離®

精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方

不快な人間関係は捨てていい

ひでこ:Tomy 先生は悩み相談も人気ですが、最近はどんな悩みが目立ちますか?
Tomy :人間関係が多いですね。「職場に苦手な人がいる」「ママ友付き合いがつらい」とか。
ひでこ:どんなアドバイスを?
Tomy :不快な人には関わらない。これを徹底的にやるのがいいです。たとえ家族でも、最低限以上の関わりを持たない。ひでこ先生流に表現するなら「人間関係の断捨離」ということかしら?
ひでこ:まさに。断捨離とは、今の自分にとって「不要・不適・不快」な物を取り除くこと。するとおのずと、本当に必要・適切・快適な物が入ってくるようになります。人間関係も同じ。
Tomy :納得です。私の考え方のベースにあるのは、「人生に与えられた時間は限られている」ということ。有限な時間を不要な物や不快な人間関係に割くなんてナンセンスです。
ひでこ:タメコミアンは「物がもったいなくて捨てられない」と言うけど、それは物が主役の発想。自分を主役に考えたら、物があふれる空間でイライラしながら過ごす時間や、好きでもない人と義理で一緒にいる時間ほどもったいないものはないですね。

終わりがあるから「今」が大切になる

ひでこ:先生が「人生の時間は有限」と意識するようになったのは、何かきっかけが?
Tomy :昔は、明日は必ず来るものだと思っていました。ところが30代半ばに、私がゲイだということを受け容れ支えてくれた父が亡くなり、さらに7年半交際した最愛のパートナーも35歳の若さで他界。そこで人生には終わりがあることを痛感し、「いつ死んでも後悔しないように生きる」と決めたんです。
ひでこ:多くの人は40代半ば~50代くらいになると人生の終わりを意識し始めるけど、先生は少し早かったんですね。
Tomy :私が「観覧車理論」と名づけた考え方があります。人間は肉体的にも能力的にも40歳くらいまでが「上り」。人生は観覧車のようなもので、上っているうちは今日の自分より明日の自分にフォーカスして、あれもこれも欲しくなるけど、頂点を超えたらあとは少しずつ下る。下りの道程で大切になってくるのは、いつ終わりが訪れるかわからない未来ではなく「今」。
ひでこ:だから「今、目の前に広がる景色を楽しもうよ」と。私も同じ考え。
Tomy :その心意気を、できるだけ早いうちから持っておきませんか?というのが私の提案です。死を恐れるのではなく、いずれ必ず終わると割り切ることで、「今」に集中して楽しく生きてもらえたらと。

タイパで本当に満足できてる?

Tomy :時間といえば最近、「タイパ(=タイムパフォーマンス)」という言葉が流行していますね。
ひでこ:時間を効率的に使うという考え方ですね。動画を早送りで観る、まとめサイトで手っ取り早く情報を得るなど。でも私は、何もかもにタイパを求める風潮には異議あり!手っ取り早く結果を手にしてどうするの?プロセスで何を経験してどう感じるか、そして、いかに楽しむかが大事でしょう?
Tomy:満足度を高めているつもりが、実際にはその逆を行っている、と。私も「タイパ」って突き詰めるとナンセンスだと思います。ロールプレイングゲームに例えるなら、経験値を上げずにいきなりクリアするようなものよ。何のためのゲームなの?(苦笑)
ひでこ:旅や山登りも同じよね。目的地や山頂に到達するのが大切なのではなく、道のりこそが醍醐味。
Tomy :そう。人生に求めるのは結果ではない。楽しいプロセス。だって人生はビジネスじゃないんだから。
ひでこ:そのうえで実りのある人生を目指すならば、断捨離がおすすめ。断捨離で思考・感覚・感性を磨いていけば、自分にとって本当に必要な物を瞬時に判断できるようになり、人生の質がおのずと上がりますから。

自分軸を見つけるには「今の私」を確認し続けること

Tomy :最近は「私の生き方、これで合ってます?」なんて相談も多くて。
ひでこ:私もよく「これは捨てたほうがいいですか?」と聞かれるわ。生き方も何を捨てるかも自分が決めることなのに、お墨付きを求めてしまう。
Tomy:お墨付きって「他人軸」だから、それを求めるのではなく「自分軸」で生きるのが幸せへの近道なんだけど、「自分軸ってどうやって作るの?」とボヤいている人もいますよね。
ひでこ:いますね。そういう人にはどんな助言を?
Tomy :「好き・嫌い」や「したい・したくない」をつねに自分に問いかけることをおすすめしてます。食べ物は何が好きで何が嫌いなのかみたいな、小さなことでいい。
ひでこ:問いかけを繰り返すうちに自分が見えてくる、と。まさに「自分軸を作るレッスン」ですね。
Tomy:もう1つ、大切なことを。軸って硬そうなイメージがあるけど、実はしなやかなもの。だからみんな、変化する自分を責めずに、今の自分の気持ちに柔軟であってほしいですね。
ひでこ:そう、自分軸は変わってもいいんです。先生の考え方と断捨離に共通するのは、心を軽くして生きるための知恵だってこと。これからもお互い、どんどん発信していきましょう!

人生の時間は有限だから、不快な物には関わりません。――Tomy

不要・不適・不快を取り除けば幸せがやってくる。――ひでこ


<教えてくれた人>
・やましたひでこさん
断捨離(R) 提唱者。1954年、東京生まれ。子育てや介護を経験した後、ヨガの行法哲学「断行・捨行・離行」から着想を得た「断捨離」理論を構築。レギュラー出演中のBS 朝日『ウチ、“断捨離(R)”しました!』(毎週火曜夜9時)は放映200回を突破!

・精神科医 Tomyさん
精神科医。1978年、岐阜県生まれ。豊富な臨床経験と、ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症など、さまざまな経験に裏打ちされたアドバイスがSNSや著書で大人気。

参照:『サンキュ!』2024年5月号「断捨離(R)トーク ひでこの部屋」より。掲載している情報は2024年3月現在のものです。撮影/久富健太郎  取材・文/志村香織 編集/サンキュ!編集部

 
 

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