再婚して、4人の息子の母になった。バタバタのステップファミリーを整えるマイルール「吉川家の掟」とは?

2023/12/17

見せてもらうのは「棚」と「引き出し」と「冷蔵庫」の中。今回は元汚部屋住人ながら片づけで人生が変わった人・人気整理収納アドバイザーの吉川永里子さんです。

PROFILE

吉川永里子さん

家族構成:高1、中2、中1、小5の男児4人と2歳の女児の母。実母も同居中

住まい:東京都在住。23年8月に完成した1LK109平米の注文住宅(幼少期に住んでいた、実家の土地に建設)

略歴:収納スタイリスト®、整理収納アドバイザー。現在は整理収納サービスや、整理収納に関する資格講座やセミナーの講師などを行う。『サンキュ!』をはじめ、雑誌やテレビの出演も多数。プライベートでは、お互い2人の息子を連れて再婚し、ステップファミリーに。その後、娘も誕生。近著に『もっとラクに生きる! 暮らしの整理術100』(エクスナレッジ)がある

息子2人と、夫の息子2人と同居スタート。最初にやったのは、「吉川家のルール」をつくることでした

◎編集部
吉川家は、ステップファミリーなんですよね!

☆吉川さん
18年に再婚しました。お互い2人の息子を連れての再婚だったので、一気に息子が4人に!

そのとき私の子どもが3年生と年長で、夫の子どもが5年生と2年生。多感な時期だし、まったく育った環境が違う4人の男子が急にいっしょに暮らし始めたわけですから、最初はやっぱり大変でしたね。かなりケンカもしてました。

それと自分が生んでいない子はにおいも、髪質も、肉のつき方もやっぱり違う(笑)。私自身もとまどいがありました。実子と差をつけないように、いい母親になろうとがんばりすぎたこともありましたね。

実子にも連れ子にも「えりこ」と呼んでもらうようにして、徐々に距離を縮めていった感じです。

連れ子は小さいころのアルバムがなかったので、実子と同様に作成。「実子と同じことをやってあげたい」という気持ちから。

◎編集部
家族がうまくいくために、されたことはありましたか?

☆吉川さん
まずはみんなが仲よく、気持ちよく暮らせるための「吉川家の7大ルール」を夫とつくりました。
1挨拶をしっかりする!
2嘘をつかない!
3暴力や嫌がらせをしない!
4ご飯は一生懸命食べる!
5時間の使い方を意識する!
6おうちの中はきれいにする!
7お金を大切にする!

どれもシンプルだけど、生きていくうえで大切なこと。スケジュール表の横に貼ってあります。
共通ルールがあると、何か問題が起きたときに対処しやすい。意識しやすいので、もめごとも減っておすすめです。

あとは裏ルールとして、「5本指ソックスを履く」というのもあって。「足が臭いはこの世の悪!」って教えてます(笑)。

娘も生まれて、今は5人の母に。スケジュール管理は、大きなボードに書いて共有!

◎編集部
それから娘さんが誕生されたんですね!

☆吉川さん
はい、9年ぶりの出産で今2歳になりました。初めての女の子です。

家族が増え、何が大変って、スケジュール管理!生活リズムもバラバラだし、「今日は誰がお弁当必要なんだっけ?」とか、把握するのが大変です。夫も不定休だし、夫の休みもいっしょに把握しないといけない感じ(笑)。

そこで、導入したのが大きなホワイトボード。カレンダーになっているので、全員のスケジュールを書き出して一括管理ですごく便利!みんなが見やすい、リビング横の、オープン収納の中に貼っています。

家族全員の予定を記載。吉川さんが仕事でいない日も、書いて共有。

◎編集部
なるほど!やるべきことがありすぎて、わからなくなりそうですもんね。

☆吉川さん
そうですね。だから私は、TO DOリストを書くときは、時間も書くようにしているんです。

□6時 ○○と○○のお弁当作り □9時 振込 □10時 ○○を買い出し
といった具合です。ただやることを羅列するより、時間を効率よく使えるんです。

家事は全員でシェア。“戦力”が減るのは困るから、怒るのは禁物!

◎編集部
家族の人数が多いと、家事も大変ですよね?

☆吉川さん
家事は基本的に、全員でシェアです!「仕事もしてるのに、なんで私が全員のご飯つくらなきゃいけないの? 誰が、私がご飯つくるって決めたの?」って、思うじゃないですか(笑)。

だから、できる年齢になったら「あなたも家族の一員なんだからお願いね」と、子どもたちにもまかせるようにしてるんです。

役割も決まっていて、例えばタオルを畳むのは四男、トイレ掃除の1階は次男、2階は三男、といった感じ。子どもたちの得意分野に配置しています。
ちょっと大変な風呂掃除は当番制にして、担当をボードに書いておきます。

◎編集部
ちゃんとやってくれるんですね!えら~い‼

☆吉川さん
「忘れちゃった~」「やりたくなーい」っていうときもよくありますよ!そんなときは、「じゃあお母さんご飯つくるの忘れちゃったー!でいいの?」って聞いたり、「これやってないじゃーん」と明るく促すようにしてます。

怒っても、それで「じゃあやらない‼」ってなるのが1番困るから。戦力が減って、損するのはこっちですからね(笑)。兵を減らすわけにはいかない! 

もちろん最初は雑だったりでイライラするけど、言い方は気をつけています。

ちなみに夫はお米を炊く担当。1番遅い時間にご飯を食べるので、残りを冷凍してもらって、お弁当のご飯の量を考えて炊いてもらってます。

キッチンのパントリー棚の下に米びつが。夫が、取りやすい場所に。

子どもが片づけやすい仕組みをつくったら、あとはまかせて口出ししない

◎編集部
吉川さんのお子様だと、片づけが上手そうですね!

☆吉川さん
前の家は、かなり散らかった状態だったみたいなんです。だから「片づけられるかな?大丈夫かな?」と思っていたんですが、みんなに同じ棚と箱を与えて、「○○はここに入れるんだよ」というルールで片づける習慣をつけさせたら、ちゃんとできるようになった!それでわかったことは、片づけられない子はいないということですね。

大人が片づけやすい環境をつくって明確なルールを教えたら、できるようになるんです。

連れ子は再婚当初、通知表の「整理整とんができる」「忘れ物をしない」が△でしたが、○になりました。
今や三男は1番片づけが上手!むしろ生まれたときから育てた次男が、全然片づけなくなりました(笑)。

まあ今、中学2年生の男の子ですからね。あんまり口うるさく言っても、母の声なんて届きません。
そんな時期もあると思うので、必要以上に口出ししません。

3人分のロフトベッドと机、棚が置かれた子ども部屋。ニトリのもので、新居に越して来た際に購入したもの。
整理の仕方は違えど、全員のテリトリーがきれいに整理されていました!

◎編集部
つい「片づけてよ」って言いたくなっちゃいそうですけどね。

☆吉川さん
いつも子どもたちにお願いしているのは、「自分のものを、自分の場所で、自分で管理する」こと。

だから、私も個人の空間の文句は言わない、勝手にさわらない、勝手に捨てない、と決めています。
でもなんでもありというわけではなくて、「決められた時間と場所の範囲から出なければ」が大前提。
「自由」って、決められた範囲のなかでどうやったら楽しく過ごせるかだと思います。

時間はずっと大切にしているので、19時夕食、21時にベッド(自室)に行くは、みんな自然と守ってくれてますね。

子どもたちの共有スペース。引き出しは、個別で管理。

撮影/大森忠明 取材・文/草野舞友 企画/サンキュ!コメつぶ編集部

次回は、新居の様子をたっぷり公開。冷蔵庫もじっくり見せてもらいました。

 
 

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