子ども5人のステップファミリーと実母も同居。収納にはこだわらない整理収納アドバイザーが建てた家。
2023/12/16
見せてもらうのは「棚」と「引き出し」と「冷蔵庫」の中。今回は元汚部屋住人ながら片づけで人生が変わった人・人気整理収納アドバイザーの吉川永里子さんです。
PROFILE
吉川永里子さん
家族構成:高1、中2、中1、小5の男児4人と2歳の女児の母。実母も同居中
住まい:東京都在住。23年8月に3LK109平米の新居が完成(幼少期に住んでいた、実家の土地に建設)
略歴:収納スタイリスト®、整理収納アドバイザー。現在は整理収納サービスや、整理収納に関する資格講座やセミナーの講師などを行う。『サンキュ!』をはじめ、雑誌やテレビの出演も多数。プライベートでは、お互い2人の息子を連れて再婚し、ステップファミリーに。その後、娘も誕生。近著に『もっとラクに生きる! 暮らしの整理術100』(エクスナレッジ)がある
23年夏に新居が完成。整理収納アドバイザーなのに、収納のこだわりはゼロだった!?
◎編集部
素敵な新居ですね。いつ完成したんですか?
☆吉川さん
23年8月です。父が亡くなり、私が幼少期をすごした実家に新居を建てることになったんです。
もともと持ち家主義ではなかったので、マイホームを持ちたいと思ったことがなく…。自分が注文住宅を建てるなんて、想像もしてませんでした。
◎編集部
職業柄、収納にめちゃくちゃこだわったんじゃないですか?
☆吉川さん
いえ、それがまったく逆で(笑)。自分には全然こだわりがないことがわかりました。夫のほうがこだわりがあったくらい。
どんな家でも、与えられた空間で収納を考えることに慣れているから、なんでもOKという感じでした。
うちならではの特徴かなと思うのは、2階の子ども部屋です。最初はそれぞれ個室にしようと思っていたのですが、できあがった図面を見て「ひと部屋が狭い!」と次男が言い出し。男3人の部屋は、13畳のぶち抜きにしたんです(長男は遠方の高校に通っているため、祖父と同居中)。同じ部屋でも、自分のデスクとベッドは個人の空間になるようにしました。
ソファーもテーブルも置かなければ、リビングは広く使える
◎編集部
リビングが本当にすっきり!
☆吉川さん
約12畳で決して広くはないので、大きな家具を置かないことにしました。ソファーもテーブルも処分。
テレビを見るときなどは、クッションを持ってくる方式になっています。だから、広々使えますよ。
無印良品のスタッキングシェルフはテレビ台も兼ねていて、娘のおもちゃや洋服、家族で使う衛生グッズなどを集約しています。
◎編集部
ダイニングテーブルがないんですね!
☆吉川さん
そうなんです。カウンターテーブルにしたので、子どもたちは並んで食べています。ごはんができたらキッチンから「はい!」と渡せばいいので、配膳もラクになりました。
食材はどうしても多くなりがちなので、食器などは最小限に
◎編集部
キッチンもすっきり!どんな工夫をされてますか?
☆吉川さん
調理だけではなく掃除もしやすいように、「今使っているもの」だけを置くこと、収納は「使いやすさ」を意識することですね。使用頻度が高いものは、取り出しやすい場所に置くことが大切です。
わが家の1軍の食器はシンクの後ろにあるので、料理をしているときもさっと取れるし、洗い終わったらさっとしまえて家事がスムーズ。シンプルな食器に絞れば、数が少なくてもいろいろな用途に使えます。
◎編集部
ストックはどのように収納してますか?
☆吉川さん
棚に箱を並べて、ジャンルごとに収納しています。
食べ盛りの息子たち用のカップ麺箱、母専用箱、おつまみ箱、娘のお菓子箱、といった感じです。「この箱に入るだけ」と決めれば、ストックが最小限ですむし、ぐちゃぐちゃになることもない。買うべきものも一目瞭然です!
たくさん詰めても回転が速い、大家族の冷蔵庫!
◎編集部
冷蔵庫収納の工夫も教えてください!
☆吉川さん
大家族なので、たくさん詰まっていても使い切るのは早いです。ただ「とっておいたはずのあれがなくなってる!ということがないように、大人には専用スペースを設けています。
ワードローブをふせんで「見える化」。稼働率100%に
◎編集部
最後に、クローゼットも見せてください!
☆吉川さん
私の洋服はこれだけ。年齢や環境によって必要な洋服はかわるので、定期的に「今の自分」を軸に見直すとムダ買いが減ります。持っている服をすべて把握できるような収納法と管理も大切ですね。
基本的にかける収納にして、引き出しにはデニムと小物とインナーだけを入れています。
ハンガーにかけているのはオンシーズンの服だけで、衣装替えは棚の上に入れてあるオフシーズンの服とかけかえるだけです。
◎編集部
洋服の管理って、むずかしいですよね。
☆吉川さん
リストをつくっておくと管理がラクですが、おすすめなのがふせん!アイテムごとに並べて貼り、新しいものを買ったらペタッ、不要になったらはがすだけ。
買う前にチェックすればコーデが組みやすくなるし、「似たようなものを買っちゃった!」がなくなります。
設計自体はとてもシンプルなおうちに、整理収納のプロならではの工夫がいっぱい。何か参考にできるものは見つかりましたか?
撮影/大森忠明 取材・文/草野舞友 企画/サンキュ!コメつぶ編集部