思春期過ぎたら、息子は思い通りにならない!!だからいっそ「遊びに乗ってみる」。それで世界が広がるお話
2023/10/26
気になるあの人の「中身」をのぞき見する企画です。家にお邪魔して、見せてもらうのは「棚」と「引き出し」と「冷蔵庫」の中。さて、今回は…。
思春期の男の子たちの趣味にのってみたら、家族みんなの世界が広がる
第一回目の記事では、結婚後に承認欲求がなかなか満たされず、ちょっと拗らせ主婦だったマルサイさんが、インスタグラムを通して自分の本来の夢だった漫画家にたどりつくまでを取材しました。男子3人とのユーモラスな日常を描いたインスタグラムが大人気となり、現在は、コミックを出版するなど、活躍中です。
そして、漫画にも登場してきた、“お子ちゃま”だったお子さんたちも、ついに思春期を迎えるように。今回は、ゲームやパソコンなどに夢中な、今どきの子どもたちとどうつき合っているのか、マルサイ家の様子をおうかがいします。
思春期の子どもたちは、もう思い通りにならない。好きなことしかしなくなる
「もう上の2人とは、何をやるにも話し合いが必要になってきました。収納一つとっても、勝手に決めることはできません。自分の意思がありますから」。
以前は、棚の片づけなども、「母中心で、片づけてあげていた」そうですが、今は、どうして片づけてほしいのかを説明して、自分たちでやってもらうようにしなければならないとマルサイさんは言います。「人として接しないといけないから、ある意味、面倒くさかったりもするのですが、基本的には相談する、という形ですね」。
マルサイ家の男子たちは、兄弟それぞれに個性は違うものの、みんなゲームや漫画、パソコンでのプログラミングなどに夢中です。
「寝室が、いつの間にか上の2人の娯楽ルームみたいになってしまって。うちでは、ネットカフェって呼んでいますが(笑)」
2人とも、自分の世界があって、長男は漫画を読んだりプラモデルを作ったり、次男は誕生日に買ったマイパソコンでアニメを作ったり、音楽を作ったりしているようです。
「勉強はこの部屋ではあんまりしてなくて、もっぱらリビングとかダイニングでするのですが。ほとんどの時間は、それぞれが自分の好きなことに没頭しています」。
部屋にこもっていると聞くと、ゲームばかりしているのではないかと心配にはならないのかと思ったりしますが、マルサイ家では、「もう口を出すことは基本的にはしない」そう。
「むしろ、一緒になって遊んでしまいます。家族でオンラインゲームをやってみたり、次男の作った映像を見せてもらったり。彼らの世界を見せてもらうと、自分の知らないことも知れるので、面白いんです。時々わからなすぎてボーッとしてしまうこともありますが(笑)。夫もデザイナーなので、いろいろと技術的なことを教え合ったりすることもあるようで、切磋琢磨もできているみたいです」。
先の読めない時代、勉強ばかりするよりも、集中してやりたいことがあるのなら、それを伸ばしていく方が将来の役に立つこともあるのかもしれません。
長男、次男は自立心が芽生えてきた一方で、小学3年生の三男は、まだ親との関係も大切な時期です。「うちは、学習机がないので、私と一緒にダイニングで勉強していますし、ランドセルや勉強道具もダイニングに置いています。着替えもリビングにセットしてあって、自分で着替えができるように準備してあります」。
ちなみに、マルサイ家にテレビはありません。「テレビは壊れてしまって以来、買い換えていません。プロジェクターはあるのですが、家族揃って映画を見るような機会もあまりなくなってしまったので、テレビ台はすっかり本棚になりました」。
ここにある本は家族共有で、中でも子どもたちに読んでもらいたいと思う本は、テーブル上に置いておくのだそう。「興味があれば手に取って読んでいるみたいです。口で言えないこととか、本を通じてコミュニケーションしているところもあるのかも」。
まだまだ親を必要としながらも自分の世界を持ち始める頃。一緒にいるスペースと個別の場所がいい塩梅に存在していることが、思春期とうまくつき合っていくコツなのかもしれません。
マルサイさんプロフィール
漫画家・インスタグラマー。13歳、11歳、8歳の男子と夫との5人家族。男子3人の子育てをユーモラスに描いたインスタグラム(@maru_sai)が話題となり、漫画家として活躍するように。5人家族の家事や収納、趣味のランニングについてアップしている裏アカウント(@ura_maru_sai)も人気。『ズボラ母さんのゆる貯め節約術』(扶桑社)、『主婦力ゼロからのやってみた家事』(大和書房)、など著書多数。
イラスト/マルサイ 撮影/林ひろし 構成・文/尾崎真佐子 企画/サンキュ!コメつぶ