プロが指南!子どもへのイライラ解決法7選
2019/05/18
子育て中のママに〝イライラ〞という感情はつきもの。子どもがご飯を食べない、なかなか支度が進まない、反抗的な態度を取るなど、子どものささいな言動にイライラしてしまいがち。そこで、どうすればその〝イライラ〞をなくすことができるのか専門家に話を聞いてみました。
「イライラの種類」は子どもの年齢で変わる
子どもは、生まれてから思春期を経て、精神的に自立するまで、親の手が必要。ママが感じるイライラが、子どもの年齢ごとにどう変化するのか、年表形式で紹介します!
●赤ちゃん期(0~1歳)
24時間ノンストップで続く育児に、疲労はピーク。赤ちゃん中心の生活で、自分の時間がないこともストレスになり、イライラが止まらない状態に。
●イヤイヤ期(2~3歳)
子どもにも自我が芽生え、自己主張を始める時期。子どもの〝イヤイヤ〞によって親の思いどおりに事が進まないことが増え、つい感情的に叱ってしまいがち。
●小学校低学年(6~8歳)
小学生になると、勉強や友達関係など心配事が一気に増加。「宿題やったの?」「明日の準備は?」など口うるさくなり、子どもと衝突することも。
●思春期(9~18歳)
思春期の心と体の変化から、子どもがイライラして、親に反抗的な態度を取るように。それに巻き込まれる形で親もイライラ。親子ゲンカがヒートアップ!
子どもへの〝イライラ”はこれで解決!
朝の身支度をしなかったり、なかなかゲームをやめない子どもにイライラ……。どうしたら、そのイライラを静めて心穏やかに過ごせるのか、解決法をご紹介します。
【イライラ1】朝の身支度がまったく進まない
⇒「やることリスト」を壁に貼って可視化する
身支度が遅いと、園や学校に遅れるのではないかとイライラ。子どもは目の前の動作しか考えられないので、毎朝やることを紙に書き出し、全体を見せるのがポイント。チェック表代わりにして声かけを!
【イライラ2】気が散って食事や着替えが終わらない
⇒時々ゲーム感覚で子どものやる気を引き出す
子どもの気が散るのは、本能的に楽しそうなほうに意識が向くから。子どもは〝遊び〞が仕事なので、少し時間のある日は、「よーいドン! !」と競争したり、ゲーム性を持たせ、楽しくやる気を引き出して。繰り返すことで集中力が定着します。
【イライラ3】同じことを何度言っても聞かない
⇒子どもへの指示はできる限り具体的に!
子どもには、できるだけ具体的に指示するのがコツ。「片づけなさい」より「ブロックを青い箱に入れて」のほうがイメージしやすく、習慣化に成功します。できない場合は、理由を聞くとつまずきポイントが明確に。子どもと折衷案を考えましょう。
【イライラ4】公共の場でマナーが守れない
⇒まわりが〝どんな気持ち〞で困るのかを教える
子どもは本来、困っている人を見ると助けようという意識が働きます。「行儀が悪い」「迷惑になる」と言われても何が悪いかわかりませんが、「騒ぐと、ぐあいの悪い人がつらい思いをする」など、周囲の気持ちまで伝えると理解します。
【イライラ5】勉強をしないでゲームばかりしている
⇒怒るより、心配している気持ちを伝える
「目が悪くなるのが心配」など、怒るよりも本気で心配していることを伝えて、ゲームの何が駄目かを理解してもらうことが先決。また子どもは、楽しいことを途中でやめることが苦手なので、「ゲームは宿題のあと」などルール化するのが効率的。
【イライラ6】ささいなことで兄弟ゲンカをする
⇒ママは別の部屋に避難!いっそ休憩タイムに
ケンカは、社会の仕組みを学ぶ機会でもあるので、むりに止める必要はありません。ケンカが始まったら、「終わったら教えて」と別室に避難し、休憩しても。あとで子どもに、ケンカせずにすむ方法を聞くのも有効。激しくなりすぎてケガをしないかだけ注意を!
【イライラ7】寝る時間になっても寝ない
⇒「本日のお母さん営業は終了しました」と伝える
「早く寝かせなくちゃ」と焦る気持ちがイライラにつながります。たまには、「本日のお母さん営業は終了しました」と子どもに宣言して、好きなことをして過ごす時間に。お母さんが相手にしないことで、逆に子どもがすんなり寝ることも。
<教えてくれた人>
・田嶋英子さん(プロコーチ)
家族、子育てなど人間関係のカウンセリング、コーチングに精通、講演会を行う。2男1女を東大などに合格させた3児の母。著書多数。
・水島広子先生(精神科医)
対人関係療法専門クリニック院長。21歳と17歳の1男1女の母。著書に『怒らないですむ子育て』ほか、多数。
参照:『サンキュ!』6月号「子ども&夫にイライラしたとき読む本」より。掲載している情報は19年4月現在のものです。取材・文/妹尾香雪 イラスト/中根ゆたか 編集/サンキュ!編集部
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