こどもが幸せに暮らせる社会って?親子で学ぶ「こども基本法」

2024/12/11

「こども基本法」を知っていますか? すべてのこどもが将来にわたって幸福な生活を送ることができるように、社会全体で取り組みを進めていくための基本となる法律です。お母さんお父さんだけでなく、こどもたち自身にもぜひ知ってもらいたい! クイズでわかりやすく解説します。

解説してくれたのは…
こども家庭庁 長官官房参事官(総合政策担当)付
・企画調整係 係長 藤田晃士さん
・民間連携係 主査 今津 研さん
・企画係   係長 出下喜之さん

こども基本法とは?

「こども基本法」は、すべてのこどもや若者が自分らしく幸せな生活を送ることができる社会の実現を目指して、こども施策を総合的に推進することを目的とする法律です。

少子化が進み、児童虐待相談や不登校の件数が最も多くなるなど、こどもを取り巻く状況は深刻化しています。そのため、こどもを真ん中に据(す)えた取り組みを強力に進めるため、令和5年4月のこども家庭庁の創設と同時に、「こども基本法」が施行されました。これまで、こどもに関するさまざまな法律がつくられ、国の省庁や都道府県、市区町村によってこどものための取り組みが進められてきましたが、それらの共通の基盤となるものとして、基本理念等を明らかにしたことが、「こども基本法」の大きな特徴です。

この「こども基本法」が土台になって、「こども大綱」という政府全体のこども施策の基本的な方針がつくられました。さらに、こども大綱に基づく具体的な取り組みは、「こどもまんなか実行計画」としてまとめられています。

こどもと一緒に、さっそく解答してみよう!

こども基本法における「こども」には、18歳までとか、20歳までといった年齢による区分はありません。「こども」は、“心身の発達過程にある者”と定義されています。1人1人それぞれの状況に応じて必要なサポートが受けられると同時に、年齢で区切られてサポートがとぎれてしまわないように、こども・若者を支えていきます。

こども基本法は、世界のこどもたちのもつ権利について定め、日本を含む196の国と地域が守ることを約束している「こどもの権利条約(児童の権利に関する条約)」の考え方もふまえてつくられました。

そして、このこども基本法には、6つの大切な考え方があって、その1つが、「すべてのこどもが大事に育てられ、生活が守られ、愛され、保護される権利が守られ、平等に教育を受けられること」です。

「家庭や子育てに夢を持ち、喜びを感じられる社会をつくること」も、こども基本法が大切にしている考え方の1つです。子育てをしている人や、これから子育てをしようとする人のために社会の環境を整えていくことを表しています。
このように、こども基本法は、「こども」がおとなになるまでの心や身体の成長のサポートだけでなく、「子育てをする人たち」のサポートもしっかりと取り組まれるように、定めています。

こどもの権利条約には、「4つの原則」と呼ばれる大切な考え方があります。その1つが、こどもに関することを決めたり行ったりする時は、「そのこどもにとって最もよいことは何か」を第一に考えること、です。これは、こども基本法の考え方の1つにもなっています。

【こどもの権利条約の4つの原則】
1. 生命、生存及び発達に対する権利(命を守られ成長できること)
すべてのこどもの命が守られ、もって生まれた能力を十分に伸ばして成長できるよう、医療、教育、生活への支援などを受けることが保障されます。
2. こどもの最善の利益(こどもにとって最もよいこと)
こどもに関することが決められ、行われるときは、「そのこどもにとって最もよいことは何か」を第一に考えます。
3. こどもの意見の尊重(意見を表明し参加できること)
こどもは自分に関係のある事柄について自由に意見を表すことができ、おとなはその意見をこどもの発達に応じて十分に考慮します。
4. 差別の禁止(差別のないこと)
すべてのこどもは、こども自身や親の人権や国籍、性、意見、障がい、経済状況などどんな理由でも差別されず、条約の定めるすべての権利が保障されます。

こども基本法は、「こどもの意見を聴いてこども施策に反映していく」ことを明記した、初めての法律です。国や都道府県、市区町村は、こどもや若者の意見を聴きながらこども施策を進めなければならないのです。

意見を聴く方法はいろいろあります。行政の職員が直接会って意見を聴いたり、おとなの会議にこどもや若者が参加できる機会を設けたり、インターネット経由でアンケートをとったりして集まった意見を大事にしながら、おとなたちは国の取り組みを話し合い、こどもにとって最もよいことは何かをよく考えながら、こども施策に取り組んでいきます。

こども家庭庁には、「こども若者★いけんぷらす」という取り組みがあり、こどもや若者が国の取り組みに意見を伝える機会をつくっています。

こどもの成長は、親だけでなく国や地域など、社会全体が責任をもちながら成長を見守ることがとても大切です。こども基本法は、将来にわたってすべてのこどもが幸せな生活を送ることができる社会の実現を願い、定められた法律です。こどもが健やかに成長し、子育て家庭が日々の喜びを感じられるような社会になるように、国や行政はもちろん私たち1人1人が心がけて努力していきたいですね。

\こども自身が幸せな社会を築けるように/

\こどもが大切にされる社会をつくるために/

アンケートへの回答でサンキュ!編集部より抽選で30名様に図書カードネットギフトをプレゼント

\記事の感想をお寄せください/

提供/こども家庭庁

関連するキーワード

 
 

PICK UP ピックアップ

TOPICS 人気トピックス

RECOMMEND