食べた物の吸収はもちろん、免疫力にも関わる「腸」は健康&美容の要!自律神経とも連動し心のバランスをも左右します。そんな腸の環境を整える「菌活」についての解説&効果等をご紹介します。食べるだけで菌活できる、身近な発酵食品もぜひ取り入れてくださいね。

<教えてくれた人>: 腸育コンシェルジュ サンキュ!アンバサダー のんすけ
夫、長男(8歳)、長女(4歳)の4人家族。食育栄養コンサルタントなどの資格を持ち、料理家としても活躍中。
- 腸育コンシェルジュ・のんすけさんも実感!菌活を始めたら、ココが変わった!
- そもそも菌活とは、腸内を「善玉菌優位」にすること
- 善玉菌を「増やす」「育てる」、悪玉菌を「抑える」ことで腸内細菌のバランスを整えよう
- 今日からできる菌活!手軽に発酵食品を摂り入れよう
腸育コンシェルジュ・のんすけさんも実感!菌活を始めたら、ココが変わった!
産後の健康トラブルから、菌活を始めたというのんすけさん。実際に感じた体や心の変化を教えてもらいました。「菌活を意識すれば自然と食生活も整うので、生活習慣病予防にもなります!」(のんすけさん、以下略)。
便通がよくなった!
腸内の善玉菌が優勢になると、便通がよくなり、おならや便のにおいも改善します。「子どもたちは小さいころから菌活を意識しているおかげか、便秘知らず!」。
イライラしにくくなって夜も熟睡!
腸内環境が整うと、脳内の幸せホルモン・セロトニンの生成が促進。「ちょっとしたことでイライラすることがなくなりました」。また、自律神経も整うので、睡眠の質も向上します。
無理せず体型維持ができている!
腸内環境が整うと栄養を消化・吸収する力も整い、基礎代謝もアップ。太りにくく、健康的なスタイルが目指せます。「とくに何かを制限するダイエットはしていませんが、体型は変わっていません」。
風邪をひきにくくなった!
腸には、全身の約7割の免疫細胞が集中。善玉菌はそれらを活性化させるので、風邪などのウイルスに負けない、健康づくりに役立ちます。「花粉症などのアレルギー反応もやわらぎます」。
肌のトーンがアップした!
便秘が解消されると、老廃物の排出もスムーズに。「菌活を始めたら、肌のトーンがアップして、褒められることが増えました」。発酵食品には、美肌につながる栄養も豊富に含まれているため、より美しくなれるかも!?
そもそも菌活とは、腸内を「善玉菌優位」にすること
腸内細菌には、健康にプラスの働きをする善玉菌、マイナスの働きをする悪玉菌、どちらにもなりうる日和見菌がいます。菌活とは、このバランスを善玉菌優位に整えること。とはいえ、「悪玉菌=必要ない」ということではなく、善玉菌も種類が偏っていてはいけません。菌にも「多様性」が大切です。
善玉菌を「増やす」「育てる」、悪玉菌を「抑える」ことで腸内細菌のバランスを整えよう
善玉菌優位の腸内環境を作るポイントは3つ。悪玉菌の大好きな高脂質な肉の取り過ぎにも注意しましょう!
1.発酵商品を取り入れ、善玉菌そのものを増やすこと(プロバイオティクス)
2.善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖を摂取し、育てること(プレバイオティクス)。
3.適度な運動や質のいい睡眠をとって自律神経を整え、悪玉菌の増殖を防ぐこと
今日からできる菌活!手軽に発酵食品を摂り入れよう
善玉菌にもさまざまな種類があり、ある菌が別の菌のエサになって活躍することもあるので、いろいろな発酵食品を食べることが大切。また、腸内にもともと定着している菌以外は、排泄物といっしょに体外へ排出されるので、日々継続して摂取しましょう。
麹菌
みそ ・しょうゆ・甘酒
日本の伝統的な調味料に多く使われている麹菌は、日本人になじみ深く、取り入れやすい!酵素が多く含まれるので消化吸収を助け、乳酸菌やビフィズス菌のエサにもなりますよ。塩麹や米酢、本みりんにも使われています。
乳酸菌
キムチ ・チーズ ・ぬか漬け
種類が豊富な乳酸菌。乳酸を生成して腸内を弱酸性に導き、善玉菌が働きやすい環境に整えます。みそ、麹調味料などにも含まれています。なかでもキムチなど野菜を原料とする「植物性乳酸菌」は、生きたまま腸に届きやすく、食物繊維もいっしょに摂取できて一石二鳥!
ビフィズス菌
ビフィズス菌入りヨーグルト、乳酸菌飲料
乳酸菌の働きと似ていて乳酸を生成しますが、加えて酢酸も産生。大腸のバリア機能を高め、腸のぜん動運動をサポートします。ビフィズス菌入りのヨーグルトや乳酸菌飲料、サプリから摂取して。ビフィズス菌のエサになるオリゴ糖といっしょに取ると効果的。
納豆菌
納豆
熱や酸に強く、生きたまま腸に届きやすい納豆菌。食物繊維がいっしょに取れるのもポイント。女性にうれしい栄養素も豊富なので、1日1パックまでを目安に継続または定期的に食べるのがおすすめ。
ほかにも!
整腸薬などに使われている「酪酸菌」も、じつはすごく重要な菌。現段階では、ぬか漬けからしか摂取できないようですが、食物繊維やオリゴ糖を取ることで腸内の酪酸菌を増やすことが可能です。また、ビフィズス菌が産生する酢酸も酪酸菌のエサになりますよ。
<教えてくれた人>
腸育コンシェルジュ サンキュ!アンバサダー のんすけさん
夫、長男(8歳)、長女(4歳)の4人家族。食育栄養コンサルタントなどの資格を持ち、料理家としても活躍中。
参照:『サンキュ!』2025年7月号「身近な発酵食品で始めるおいしい菌活!」より。掲載している情報は2025年5月現在のものです。イラスト/わたなべみきこ 編集/海老澤まり子(風讃社) 取材・文/児玉知子 編集/サンキュ!編集部