【健康投資】食べるだけ菌活!色んな“菌食材”を食べて、夏疲れをリセット
2024/09/23
夏の疲れがドッと来るこの時期、“食べる”だけで不調を解決できるって知っていましたか?その鍵となるのが腸内細菌。整えるための食材を食べることで、体の中から元気に!
“菌活”とは腸内の善玉菌を優位にする活動のコト
腸には1000種類以上、約1.5kgの細菌が存在しているんです。菌を大きく分けると、健康にプラスの働きをする善玉菌、マイナスの働きをする悪玉菌、どちらにでもなりうる日和見菌の3つ。「善玉菌を2割に近づけ、悪玉菌より優位にするのが理想です」(小林さん、以下略)。
理想のバランスは
善玉菌2割・日和見菌7割・悪玉菌1割
腸内細菌の数はなんと100兆個!
善玉菌が優位だと心も体も調子がよくなる
善玉菌が優位だと、病気の予防や改善、老化現象の防止に役立つことが明らかに。ストレスやホルモンとも関係していて、心の状態にも影響が。「“腸を整える=便秘が治る”だけではなく、体全体が整うといえます」。
● 免疫力アップ
● 代謝がよくなる
● ストレス・不安がやわらぐ
● 病気を防ぐ
善玉菌は毎日の食事が鍵
善玉菌を優位にするには、増やす、育てる、(悪玉菌を)抑えるの3本柱。「特に、増やすために必要な“菌食材”と、育てるために必要な“食物繊維”は、一緒にいろいろな食材から取ってほしいです」。
善玉菌を増やす
腸内にいる善玉菌にとって、援軍となる菌そのものを含む食品を取ることで、菌を腸に送り込みます。ヨーグルト、みそや納豆、酢などの発酵食品が代表選手。
● 乳酸菌
● ビフィズス菌
善玉菌を育てる
腸内にいる善玉菌のエサになる食物繊維やオリゴ糖を取ることで、善玉菌を育てます。野菜類、果物、海草類、きのこ類、大豆や大麦などに含まれます。
● 食物繊維
● オリゴ糖
悪玉菌を抑える
悪玉菌の多くは、動物性脂肪や動物性たんぱく質をエサにしています。脂肪たっぷりの肉料理や揚げ物、スナック菓子を取りすぎないように注意することが大切。
善玉菌のために色んな“菌食材”を食べよう
腸に到着して善玉菌としていい働きをしてもらうためには、毎日継続してさまざまな菌食材を取ることが重要。日本の食事には菌を含む物がたくさんあるので、実は簡単なんです♪
取りやすい食材がいっぱい 乳酸菌
善玉菌の代表格ともいえる「乳酸菌」。自然界のあらゆる場所に存在し、種類が多彩。代表的な食材は、ヨーグルトなどの乳製品。キムチやぬか漬けなどの漬けものや、みそやしょうゆなどの調味料にも含まれます。
他にも:くずもち、ザワークラウト、搾菜、メンマ
日本ならではの菌 麹菌
麴を作るための糸状菌の総称。みそ、しょうゆ、みりん、米酢、かつお節など、日本の調味料はほぼ麴菌からできていて、なじみ深いので取り入れやすい。酵素が多く含まれ、善玉菌を育てるのに役立ちます。
他にも:甘酒、日本酒、焼酎、塩麴
実はとっても大切 ビフィズス菌
大腸で善玉菌として悪玉菌の増殖を抑える働きをしてくれます。実は、酸素に弱いため、一般的な発酵食品には含まれていないので注意。ビフィズス菌入りのヨーグルトや乳酸飲料、サプリから取りましょう。
お酒やパンを作る 酵母
お酒の醸造やパン作りに用いられる菌。腸内環境を整え、カロリーの吸収を抑える効果も。ワイン、ビール、パンなどに含まれます。
他にも:紅茶、塩辛
乳酸菌を助ける 納豆菌
主に納豆に含まれる菌。熱にも胃酸にも強く、死滅せずに腸まで届く菌として有名。乳酸菌・ビフィズス菌を増やす効果が。
酸っぱさの素 酢酸菌
防腐や殺菌の働きを持つ菌。純米酢、黒酢、りんご酢、ブドウ酢、バルサミコ酢など、酢全般に含まれます。
他にも:ナタデココ
プラス 善玉菌のエサ「食物繊維」を一緒に!
覚えるのはムリと思ったら……和食にすればOK。
さまざまな菌と食物繊維を多く含んでいる和食は、“菌活”にうってつけ!いちばん簡単な菌活=和食とおぼえて。
【ぬか漬け】発酵で各種ビタミンもいっきに増える
●乳酸菌
【納豆】血液サラサラ&骨を強くする効果も
●納豆菌
【みそ汁】具だくさんにすれば最強の菌活料理に
●食物繊維(わかめなど)
●麴菌
●乳酸菌
【玄米入りごはん】玄米の食物繊維は白米の約6倍
●食物繊維
【バナナ】1日2本、青めのバナナで腸内環境が改善
●オリゴ糖
【サバのみそ煮】青魚のDHAは悪玉菌を抑える効果も
●麴菌
<教えてくれた人>
医師 小林弘幸さん
順天堂大学医学部教授。便秘外来を開設した“腸のスペシャリスト”。著書、メディア出演多数。
参照:『サンキュ!』2023年10月号「食べるだけ菌活」より。掲載している情報は2023年8月現在のものです。イラスト/澁谷玲子 構成/岡部さつき(風讃社) 取材・文/杉澤美幸 編集/サンキュ!編集部