お墓参りのマナーを解説、持ち物・お参りの手順・NG行為とは?
2018/07/28
お墓参りは、ご先祖さまを供養する大切な行事。ご先祖さまに喜んでもらえるよう、お墓参りの正しい手順や作法などをしっかり身につけ、お子さんにも伝えて行きたいものです。
そこで今回は、冠婚葬祭アドバイザーの中山みゆきさんに、基本的なマナーを教えてもらいましたのでご紹介します。
お墓参りに必要な持ち物
水を入れる手桶、その水をすくうひしゃくはお墓の管理事務所などで借りることができます。もし、借りられない場合は、手桶とひしゃくも持参します。
【お供え用に】
●お花……ご先祖さまの好きだったお花が一番です。お墓の花立は1対(2本組)になっていることが多いので、2束用意するといいでしょう。
●菓子・果物・飲み物……ご先祖さまの好きだったもの、季節ごとの初物など。
●半紙など……お菓子や果物などのお供えを置くためのもの。
【お参りするために】
●数珠……必ず必要というわけではありませんが、できれば持って言った方がいいでしょう。
●線香……お参りする人が多ければ、束で持っていってもいいでしょう。
●ろうそく……線香に火を移すためにも持って行きましょう。
●マッチ、ライター……ろうそくに火をつけるため。風が強い日は、着火ライター、風よけの付いた便利な風よけライターを持参するのがおすすめ。
お墓参りの際に掃除をしたい場合は、上記に加えて、バケツ、ほうき、たわし、雑巾、ゴミ袋なども持っていきます。
お墓参りの手順は?
宗派による違いはありませんので、基本的に下記の手順で行いましょう。何人かでお墓参りをするときは、血縁の濃い年長者の順に、そして故人と近しい間柄からお参りしていきます。お墓に行く前に管理事務所などに寄り、水桶に水を入れましょう。
1.ご先祖さまのお墓に着いたら、ご先祖様に感謝して手をあわせましょう。
2.水桶の水で、墓石に打ち水をします。
3.花立に生花を添えて水を入れ、水鉢があればそこに新しい水を注ぎます。
4.ご先祖さまの好物だった菓子・果物などをお供えします。
5.ろうそくとお線香を手向けます。
6.水桶からひしゃくで水をすくって、墓石にかけます。
7.合掌礼拝します。
墓石にはたっぷり水をかけましょう
合掌礼拝の前に墓石に水をかけますが、このとき墓石の下のほうに気持ち程度に水をかけるだけの方がいますが、たっぷり墓石の上から水をかけてください。
仏教の教えでは、死後の世界の1つに「餓鬼道」があり、ここに落とされてしまった「餓鬼」たちは、なかなか水が飲めないと言われます。唯一、お墓にかけたお水だけが飲めます。その「餓鬼」たちをあわれんで、お水を与えようと言うところから墓石に水をかける習慣が始まったそうです。
※宗派や地域によっては、墓石に水をかけることは「ご先祖さまの体に水をかけることと同じ」とし、禁忌されていこともあるので確認してください。
お墓参りにふさわしい服装
基本的に普段着で大丈夫です。ただし、法要と合わせてお墓参りする場合は、それに合わせた礼服や黒のスーツにします。お墓には他にもお参りに来ている方もいるので、派手すぎる色の服装は避けたほうが無難です。露出の多いものも避けるべき。清潔感を大事にすることです。香水はNGです。
お墓参りで気をつけたいこと
お墓参りの前に、まずお寺の本堂のお寺のご本尊像さまのお参りをすませてからにします。時間がない場合もせめてお寺のご住職にご挨拶ぐらいはしましょう。
お墓では墓地・霊園を管理している方への挨拶も忘れずに。また、お墓は他の家の方もお参りに来ていますので、お子さん連れの場合は子どもが走り回って騒がないように気をつけましょう。他の家のお墓内にも踏み入れないことは、基本的なマナーです。
お墓参りが終わったら……
お参りが済んだら、お供えの食べ物はお墓の前で故人を偲び、みんなで食べるのが供養となります。食べきれない場合は必ず持ち帰り、家で食べてもかまいません。墓石にお酒などの飲み物をかけたときは、匂いが残らないように後から水で洗い流しておきます。線香は燃やしきるようにしてください。生花は傷み安く虫などがつく原因になるので家に持ち帰り、割り切って燃えるゴミとして処分します。
また、管理事務所がお花の手入れを引き受け、傷んできたら処分してくれるというところもあるので、聞いてみるといいでしょう。霊園で借りた用具はきちんと戻し、ひとこと挨拶をして帰るくらいの心配りは忘れないようにしたいものです。
まとめ
ご先祖さまに感謝と弔意を伝えるお墓参り、ご先祖さまが不快な気分にならないよう、エチケットを守り正しいマナーでお参りしたいものですね。
教えてくれたのは・・・中山みゆきさん
冠婚葬祭アドバイザー。All Aboutで冠婚葬祭サイトの運営に携わる。現在は、その知識を生かして冠婚葬祭関連のアドバイス活動を重ね、「思いやり」の心を大切にした情報を発信中。
取材・文/有馬未央(KIRA KIRA)