喪中ハガキの書き方、投函時期、喪中の範囲となる親族を解説
2018/11/19
親族が亡くなった年は、年賀ハガキを出さずに喪中ハガキを出します。どこまでの親族が当てはまるのか、だれにいつまでに出せばいいのか。喪中ハガキのルールやマナーを冠婚葬祭アドバイザーの中山みゆきさんに教えてもらいました。
喪中ハガキの役割
喪中ハガキは1年以内に親族が亡くなった場合に、いつも年賀ハガキをいただくかたがたにその旨を知らせるために出すあいさつ状。一般的に「年賀欠礼状」のことです。大事なポイントは、だれの喪のための「年賀欠礼状」なのかを詳しく書くこと。そして、故人や自分とやりとりがあると思われる人に出すほうがよいでしょう。
寒中見舞いとの違い
寒中見舞いは、冬の最も寒い時期に書く便りのことをいいます。先方の安否や、こちらの近況などを書きます。寒の入りの1月5日ごろから立春の前の日の2月4日ごろまでに出すもの。
身内に不幸があったため、年賀ハガキを出せないことをお知らせする喪中ハガキとは役割が違います。ただ、喪中ハガキを出さなかったかたから年賀ハガキが届いてしまったときに、寒中見舞いに亡くなったことをひと言添えて出す場合もあります。
喪中になる親族の範囲はどこまで?
基本的には本人の気持ちの問題ですので、何親等までとはいえません。最終的にはご自身が決めることになります。下記に目安を挙げておきます。
■ほとんどの人が喪中とする親族
父・母・子ども
兄弟・姉妹
義父(夫や妻の父)
義母(夫や妻の母)
同居はしていないけれど、義理の父母が亡くなった場合も当然喪中ハガキを出します。しかし、夫婦で年賀ハガキを別々に出している場合、自分の会社関係や友人関係には年賀ハガキを出しても差し障りはありません。
■喪中にする人と、しない人がいる親族
父方の祖父
父方の祖母
母方の祖父
母方の祖母
義兄弟(夫や妻の兄弟)
義姉妹(夫や妻の姉妹)
遠方に住む妻の祖父母が亡くなった場合、妻は祖父母と同居していないうえに外孫になるので、例年どおり年賀ハガキを出す人も多いようです。故人への思い入れもあるので、お気持ちしだいです。
悲しみが深く、新年をお祝いする気持ちになれないなら喪中ハガキを出しましょう。この場合、夫のほうは年賀ハガキを出しても大丈夫。夫婦連名で出す場合は、よく話し合うことです。
■ほとんどの人は喪中にしない親族
父方の曽祖父
父方の曽祖母
母方の曽祖父
母方の曽祖母
伯父(両親の兄・両親の姉の夫)
叔父(両親の弟・両親の妹の夫)
伯母(両親の姉・両親の兄の妻)
叔母(両親の妹・両親の弟の妻)
いとこ(父母の兄弟の子ども)
ここがいちばん皆さんが悩むケースのようです。まず同居をしているか別居か、おつきあいの深さ、故人への思い入れ、親交の度合いなどを基準にして、最終的には自分で決めましょう。
プライベートとビジネスは分ける
喪中ハガキは、一般的に毎年年賀ハガキをやり取りしているかた全員に送る場合が多いようです。これでは、仕事上でおつきあいされているかたや、故人とのかかわりがないかたへも出していることになりますね。
プライベートとビジネスは分けたほうがよいと思います。少なくとも故人を知っているかた、家族でおつきあいをしていたかただけに出すほうがよいでしょう。
また、身内(親、兄弟姉妹、日々交流がある親戚など)には喪中ハガキは出す必要はありません。身内ですから、不幸があったことはわかっています。
喪中ハガキはいつごろまでに投函すればいい?
喪中ハガキは、年賀ハガキを出すことができないことをお知らせする「年賀欠礼状」です。そのため、相手が年賀ハガキの準備を始めるころには届くようにしましょう。早く準備を始める人もいますから、12月上旬までには先方に届くようにします。11月の初旬には喪中ハガキの準備を進めて、12月の初旬に届くようにしたいですね。
喪中ハガキの基本構成と書き方
1. 「年賀」は使用しません。「年始」「年頭」「新年」とします。
2. だれがいつ亡くなったのかを明記します。
3. 喪中ハガキは、配偶者、兄弟、姉妹、直系の血族、配偶者の両親、祖父母が亡くなった場合に出します。また、受け取る側の立場に立って、文中には故人との続柄を書き入れることが大事です。
年賀欠礼状でよく使われる言葉を列記します。
・喪中につき年頭のごあいさつ失礼させていただきます
・喪中につき年末年始のごあいさつご遠慮申し上げます
・喪中につき、勝手ながら新年のごあいさつは差し控えさせていただきます
・服喪中につき新年のごあいさつをご遠慮申し上げます
・勝手ではございますが、新年のごあいさつは差し控えさせていただきます
・なお時節柄一層ご自愛のほどお祈り申し上げます
・○○月に○○○○が○○歳にて永眠致しました ここに本年中に賜りましたご厚情に深謝致しますとともに明年も変わらぬご交誼のほどお願い申し上げます
・今年中賜りましたご厚情感謝致しますとともに明年も変わらぬご指導とご交誼をお願い申し上げます
・○○月に○○○○が永眠致しました ここに本年中のご芳情に厚くお礼申し上げますとともに明年も変わらぬご交誼のほどお願い申し上げます
手書きでひと言添えてもいいもの?
個人的なコメントやメッセージを書くのはNGです。何も書かないのが無難です。お世話になったかたへひと言添えることは構いませんが、新年のあいさつや個人的な話などは慎みます。
年賀ハガキが届いてしまったら……
喪中ハガキを出さなかった人から年賀ハガキが届いた場合、喪中ハガキを出すべきか、寒中見舞いにするべきなのか……。年賀ハガキが届いてしまったら、その人に喪中ハガキを出すべきではありません。寒中見舞いで、身内が亡くなったことに触れましょう。
■文例
寒中お見舞い申し上げます
お年賀のごあいさつありがとうございました
皆さまにはよき年をお迎えなされましたご様子、心からお喜び申し上げます
昨年7月に○○が他界致しましたので、年末年始のごあいさつを控えさせていただきました
連絡が行き届かず申し訳ございませんでした
本年も相変わりませずよろしくお願い申し上げます
まとめ
喪中ハガキは、新年のあいさつができないことを伝える大切なもの。マナーを守って、12月初旬には相手に届くように早めに準備したいものです。
教えてくれたのは・・・中山みゆきさん
冠婚葬祭アドバイザー。All Aboutで冠婚葬祭サイトの運用に携わる。現在は、その知識を生かして冠婚葬祭関連のアドバイス活動を重ね、「思いやり」の心を大切にした情報を発信中。
取材・文/有馬未央(KIRA KIRA)