炊事、洗濯、掃除、家計管理、名もなき家事、仕事との両立、育児に夫婦関係…。
この記事では、いくつものタスクをこなす"主婦"が暮らしの中で実感した言葉をお届けします。
今回は、「家事が嫌い」と公言している、ライフオーガナイザー®田中由美子さんの名言です。
「思ったときに思ったことができない」のがストレス
現在はライフオーガナイザー®として「片づけサポート」の仕事をしている田中さんですが、実は小さいころから片づけが苦手で、20代のころは汚部屋暮らしだったそう。
33歳で結婚してからは、片づけだけでなく家事も苦手だということが判明。
夫婦2人でも家事がうまく回せなかったのに、子どもが生まれると「思ったときに思ったことができない」というストレスも加わり、「他のお母さんはうまく家事をこなしているのに、私にはできない…」と引け目を感じていました。
「家事が苦手なくせに、変に神経質なところもあって、『子どもがいるからより清潔にしなきゃ!』と焦っていましたね」。
マイホームを買っても、やっぱり片づけられない…
長男が2歳のときに念願のマイホームを購入。せっかくマイホームで暮らし始めたのに、「ちっともキレイにできない」「ずっと片づかない」状態が続き、「このままではいけない!」と、勉強のために片づけの資格を取ることに。
「ブログを読んで知った"ライフオーガナイザー"は、私みたいに元々家事や片づけが苦手だったという人が多くて。私にもできるかも…やってみたい!と思ったんです」。
「イライラしないこと」を優先に
資格を取る前は、子どもに家事を邪魔されても、イライラしながら力技でやり切っていました。
掃除機をかけているとき、真似してやりたがる息子が奪いに来ても渡さず、泣いているのに「今終わらせたい!」と最後までかけ続けたことも。
でも「思考の整理」について学んでからは、「今やりたかったことは?なぜ?」と考えて、「イライラしないこと」を優先するようになっていきました。
例えば、以下のように:
「今やりたかったことは?」
・やりかけた家事はやめたくない→自分のこだわり
・子どもを泣かせてまでやることだった?→怒ってもしょうがないこと
「妥協案」
・「ここだけはやらせて」と割り切って一部だけ終わらせる
・掃除機の代わりにコロコロを渡してみる
「子どもが生まれても、すぐに子ども優先に、なんてできないですよね」。
イライラしては原因を振り返って反省し、「トライ&エラーの繰り返しで、少しずつラクに」なっていったのでした。
作り置きも掃除も「完璧にやる」はやめよう!
料理も「子どもに邪魔されて時間をかけられないし、週末にまとめて作り置きするのも向いていなかった」という田中さん。
「週末は私も休みたいので。そんなことしてたら主婦は休みないやん!って思って(笑)」。
時間があれば1品作る、ついでに茹でておく、ぐらいが自分には合っているのだそう。
掃除は、潔癖で気になってイライラしてしまうところもあるので、「5分だけ」と時間で区切ったり、「夫がいる週末に布団だけはキレイにする」など、曜日ごとにやることを決めたり。
今回の名言:「子どもが小さいうちは、コマ切れ家事で無理しない」
「頑張りたい自分とできない自分、邪魔してくる子ども…。どれも変えられない現状なので、『最後まで』『完璧に』と無理してがんばるのはやめたんです。自分がイライラしない程度に、やっておきたいことだけ"コマ切れでもいいからやる"ようにしたら、ラクになって。家も1年くらいかけて、片づけやすい仕組みを作って維持できるようになりました」。
「イライラしながら力技でやり続けていたら、子どもをゆがめてしまっていたかもしれない」と振り返る田中さん。
「できたお母さんではないので、今でもなんとか育てていけている感じですが(笑)。親がズボラだから、子どもは片づけも自分でやりますよ」。
Have a try!
□イライラする原因を考えてみる
□5分だけ掃除してみる
□子どもと一緒に家事をしてみる
参考:『サンキュ!』2017年4月号、2017年11月号
<PROFILE>
田中由美子さん(41歳)
ライフオーガナイザー®
大阪府出身。夫、長男(7歳)の3人家族。自称日本一(?)"ズボラな主婦"。『サンキュ!』の「ラク家事」や「家事ダンドリ」などの企画に登場。
文/村雨玲子
撮影/田村昌裕
スタイリスト/檀上曜
ヘアメイク/浜田あゆみ(MELLANGE)
モデル/KAINO Yu (AMAZONE)