「性」の話、子どもに聞かれたらどう答える?3~10歳編

2019/11/21

子どもに性の話をするのは照れくさいし、難しい。でも、性犯罪や性的嫌がらせのニュースを見聞きすると、「性教育」はスルーできないテーマと思う……。そんな悩める母たちに向けて、「どこまで話してOK?」を取材しました。

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<教えてくれた人>
のじまなみさん
性教育アドバイザー。看護師として泌尿器科に14年間勤めたのち「とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会」代表理事。全国のお母さんに家庭でできる楽しい性教育を伝える。3児の母。著書に『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』。10月には『世界一わかりやすい男の子の性教育 男子はみんな宇宙人!』を発売。

性教育は 「防犯」と「命」の教育

「性教育」は、大切なわが子の未来を守るための、3つの宝物を授けることにつながります。
(1)自分も人も愛せる人間になる
(2)性犯罪の被害者・加害者にならない
(3)低年齢の性体験や妊娠・中絶のリスク回避。

「性教育」をタブー視する人たちの「子どもが早熟になる」という心配とは裏腹に、「正しい知識は子どもを守る」ことが明らかになっています。日本性教育協会などの調査では、「幼少期に適正な性教育を受けた場合には初体験の年齢が上がる」「性教育には望まない妊娠を防ぐ効果がある」ことがわかっています。

3~10歳向けの話し方ココがポイント

性教育の神ワード1:「 水着ゾーン」

「体には大切でプライベートな場所がある」ことを「水着ゾーン」という言葉を使い伝えましょう。「水着ゾーン」と男の子も女の子も口、胸、性器、お尻。防犯のために、「あなたの『水着ゾーン』を見たがったりさわりたがったりする人や、自分の『水着ゾーン』を見せたりさわらせようとする人は危険な人。危険な人に会ったら大声を出して逃げて、その後必ず教えてね」と、身を守る「ルール」を教えましょう。

性教育の神ワード2:「 いい質問だね~」

子どもは意味を知らないから、いろいろな質問をぶつけてきます。ドキッとしたら、ひと呼吸おいて、「いい質問だね~」。子どもに「受け入れてもらえた」と感じさせてから「なんで知りたいと思ったの?」と導くことで、質問に至るまでの背景がわかり、求めていることに答えられます。

こんなこと聞かれたらどう答える?3~10 歳編

Q:赤ちゃんて、どうやってできるの?

「男の人のおちんちんが女の人の膣に入ってできるんだよ。男の人のおちんちんにある精子と女の人の中にある卵子がくっついて赤ちゃんになるんだよ」

子どもにとって理解しづらいことですが、ぼかさずにしっかり説明しましょう。子どもが自分の命のはじまりを知ることは、生きるうえでの強い土台になります。質問に答える親の愛情と真剣さを見て、子どもは「受け入れてもらえた」と感じ、満たされます。

Q:赤ちゃんて、どこから生まれるの?

「膣っていう穴だよ。おしっことうんちが出る穴の間にあるよ。お母さんと赤ちゃんの状態によって、おなかを切って生まれる人もいるよ。」

女の人には、おしっこの穴、赤ちゃんを産む穴、うんちの穴という3つの穴があることを教えましょう。赤ちゃんが自分の力で出てくることや、母子の安全を考えて帝王切開する場合があることも伝えて。その子が生まれたときはどう出てきたのかを話すのもいいですね。

Q:(お風呂で……)ママ、お尻から 血が出てるよ。ケガしたの?

「ママの中には赤ちゃんの卵、命の卵が入っているんだよ。でも、赤ちゃんにならないと、こうして血になって出ていくんだよ」

生理をひた隠しにするお母さんは多いですが、話すことで命の大切さや生理の大変さが伝わります。男の子には女性をいたわる気持ちが生まれ、女の子はこれから体に起きる変化を受け入れる準備ができます。「外で言っちゃうのでは?」という不安は、「『水着ゾーン』の話は外ではしないんだよ」と話しておけば、大丈夫。「女の子は、生理の血をからかったり、そのことについて触れられたりしたくないんだよ」と教えましょう。

Q:あの人、男なのにお化粧してるよ。変だよね?

「男の子で女の子になりたいという人もいるんだよ。どんな性別になっても、だれを好きになってもいいと思うよ。あなたがそうであってもいいんだよ」

LGBT(セクシュアルマイノリティー)は今や当たり前の時代です。自分の子どもが多様な価値観を受け入れられるように、そしてもしもLGBTであっても、「どんな性別になってもいい」「どんなあなたでも価値がある」と小さなころから伝えてあげましょう。

参照:『サンキュ!』12月号「『性』のこと、ここまで話して大丈夫」より。掲載している情報は18年10月現在のものです。イラスト/おぐらなおみ 構成・文/村雨玲子 編集/サンキュ!編集部

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