お姑さんが原因で離婚も!?嫁姑問題に「令和妻」はどう向かい合うべきか
2020/01/19
日ごろから姑とのやり取りに神経をすり減らしている妻も多いでのではないでしょうか。「恋人・夫婦仲相談所」の所長である三松真由美さんに、「嫁姑問題」について解説してもらいます。次回に帰省するときの参考にしてください!
合理的なイマドキ妻も悩ます「嫁姑問題」
アラサー、アラフォー妻たちの話を聞いたり、「サンキュ!」を読んだりして感じることがあります。現代を生きる妻は、家事や家計のやりくりが非常に合理的。加えて、「ものを持たないスタイル」「時短料理で自分時間を捻出するスタイル」「超節約で家を買うためがんばるスタイル」など、個人の意思でマイスタイルを確立し、しなやかに生きています。
夫にも相談はするけれど基本は、「妻にまかせておけば万事うまくゆく」といった感じの夫婦が多いのではないかと。そんな「デキ妻」であるにも関わらず、「嫁姑問題」に直面した途端、緊張感がピリリと走り、心を乱してしまう人は多いです。
筆者が運営する「恋人・夫婦仲相談所」では、年末年始に前後して「嫁姑問題」に関する悩み相談、取材が増えます。AIだ、IOTだ、5Gだ、キャッシュレスだと、我々を取り巻く環境はすさまじい進化を遂げているのに、「嫁姑問題」の相談内容は20年前とさほど変化をしていないのも、同問題の特徴といえるでしょう。
そもそも姑とは向き合わない妻が多い?
スキマ時間にスマホでマンガを読む妻たちは意外と多いようです。そして、妻たちが選ぶテーマで定番、人気なのが「姑問題」「夫婦の危機」なんだとか。ということは、やはり多くの妻たちが姑の存在に頭を悩ましているのでしょうか?
大手コミック配信会社「めちゃコミック(めちゃコミ)」が行った嫁姑に関する調査によれば、「嫁姑問題がある」と回答した人は26%(回答者2428名)。
あら?意外に少ないですね。しかし、「義実家と仲良くなりたいか」の質問に対して、50%が「適度な距離でいたい」と答えているのを見逃してはいけません。半数の妻は、嫁姑バトルのステージに上がろうとすらしていないのです。「距離を取れば大丈夫」というクールな姿勢といえますが、「関係の構築を避けている」という見方をすれば、バチバチやりあっている嫁姑以上に、事態は深刻かもしれません。
嫁と姑の物理的距離、どれくらい離れるのがベスト?
ちなみに、恋人・夫婦仲相談所に寄せられる悩みでは「遠くに住んでいても腹が立つ」「スープの冷めない距離に住んでいるが、近すぎて困る」など、昭和的な事例も少なくありません。「スープの冷めない距離」は有名な言葉ですが、実際、義実家とはどのくらい離れていれば心地よいのか?
アットホーム株式会社が2016年に実施した、嫁姑と住まいの関係を調査した結果によれば、嫁姑が仲良く暮らせる理想の距離は「平均69.8km」とのこと。ちなみに69.8Kmは「新宿駅~小田原駅」だそうです。大阪からだと和歌山くらいまえで行ける距離。なるほど。スープは冷める。
ちなみにこの調査でも「別居した方がうまくいく」という人が約7割で、いまの妻たちと姑の関係性がうかがえます。
いまどき「令和妻」に知ってほしい「嫁姑問題」回避策
しかし、ずっと距離を置いていられるものでもないのが「嫁姑問題」。先に述べたとおり、相談内容は20年前から不変なのです。そこで今回は、自分のスタイルを重視するいまどき「令和妻」に実践してほしい、「嫁姑問題」回避策をご紹介します。
回避策1:お姑さんのキャラクターにカスタマイズした会話を用意
当たり前のことですが、お姑さんもひとりの人間。「Official髭男dism」が大好きなミーハー姑もいれば、現役のバリキャリ姑、昔ながらの家事パーフェクト姑、インスタに熱狂する姑と、さまざまなタイプが存在します。姑と向き合うときは、「姑だから……」というフィルタを一度はずして、ひとりの人間として見て、知ってください。そして、十分に理解したら、いっしょにいる期間はお姑さんのノリがよくなるテーマの会話を用意しましょう。
回避策2:マウンティングに参加しないで地蔵になる
義実家で親戚一同が集まると、身内同士でマウンティングを仕掛ける……ということが起こりがち。そのような状況になったとき、「令和妻」は決してマウンティング合戦に参加してはいけません。義実家という、ある意味「敵陣」とも言える場所で戦いに参加することは、負けとイコールのようなもの。反応せず、聞き流すのが得策です。
回避策3:姑さんの前で夫の長所を語り、幼児期の話題に持ち込む
もし、姑とのあいだに冷たい空気が流れそうな雰囲気にあったら、まず夫の長所を語ってみましょう。そこから畳みかけるように幼児期の話題へ移行するのです。わが子を褒められてイヤな母はそうそういません。「ちょっとコレ見て」なんて具合に、写真アルバムなどを出してくればしめたもの。なごやかなムードで、しばらく安泰です。
回避策4:帰省中、マイルールを封印し実家ルールに徹底服従
個人の意思でマイスタイルを確立し、しなやかに生きる「令和妻」ですが、義実家でそれに固執すると居心地が悪くなるだけ。マイルールを一時的に封印するだけで、円滑に過ごすことができるはずです。
回避策5:義父に「お義母さんといっしょに出かけてください」とデートを促す
筆者は多くの相談を受けるなかで、「義父母の夫婦仲が冷えていると嫁にあたりが強くなりがち」という法則を見つけました。まずは義父から義母にあふれる愛を注いでもらう。義父に食事券や旅行チケットをプレゼントするなどは花丸アクションです。
「嫁姑問題」は夫の協力も不可欠!
義実家で心地よく過ごせないと、日常に戻ってから夫に愚痴を言うようになります。夫は耳を塞ぎたくなる。姑に子づくりのことで嫌味を言われたり、介護は頼むと言われたりするたび、夫に「あなたがなんとかしてよ」と楯突く妻。フォローしようがないと嘆く夫。最悪、そこから離婚話に発展してしまうことも……。姑問題が原因で離婚を考えるなど、本末転倒です。
「嫁姑問題」は夫の協力も不可欠。「姑とピリピリしているときに見て見ぬ振りはするな!」と確約を取りましょう。
妻と母のいざこざに平和主義&ことなかれ主義を貫くような夫を許してはいけません。一歩踏み込み、妻をかばう――夫にそんな人間になってもらうよう働きかけるのも、妻の役目です。そしてそれは、永遠に夫婦ラブラブへの道でもあります。
◆監修・執筆/三松 真由美
会員数1万3,000名を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」所長として、テレビ、ラジオ、新聞、Webなど多数のメディアに出演、執筆。夫婦仲の改善方法や、セックスレス問題などに関する情報を発信している。『堂々再婚』『モンスターワイフ』など著書多数。