「子どもの好き嫌いが少ないね!」と驚かれるわが家で、"心地よく子どもと食べる"ために実践している8つのこと

2020/03/23

家庭料理をこよなく愛するサンキュ!STYLEライターのapricot projectです。毎日続けられるおいしいレシピを発信しています。

先日、一緒に食事をしたママ友たちに子どもたちの食べっぷりを見て、「どうしたらこんなに食べるようになるの?」と驚かれました。

そこで今回は、レシピの発信…ではなく、少し趣向を変えて、子どもの「好き嫌い」について、我が家で工夫していることを書いてみようと思います。

まずは我が家の子どもの好き嫌い

我が家にはもうすぐ8歳になる娘と、5歳になる息子がいます。娘は栗が苦手で息子はゆで卵と玉子焼きが苦手。

こう聞くと、「なんだ、そんなの好き嫌いのうちに入らないよ~!」と思われてしまいそうですが、今はそれぞれ食べられない食材が1つずつですが、嫌いな食材が増えてしまいそうな局面は今までたくさんありました。

それに、好き嫌いとは別に、食欲にムラがあったり、ちょっとした加減で気に入ってもらえなかったりと、せっかく用意した食事を残されてしまった時のむなしさはよくわかります。

そんな時に、私なりに工夫したことをご紹介します!

1.好き嫌いに動じない。

食事づくりは毎日ずーーーっと続いていくこと。1つだけ突き通したのは、「動じない」ことです。嫌いと言われたり食べ残されたりしても動じない。無理に食べさせられてもおいしくないし、条件を出されて食べても楽しくないので…「嫌い。」と言われたら「そうか、それは残念」と伝えて、それ以上無理をさせませんでした。

かといって、嫌いなメニューや食材をその後、献立から外すこともしません。とにかく動じずに「私は私が家族に食べてほしいものを、つくる」ということに徹することを心掛けました。

私自身を振り返ると、ちいさなころ「きのこ」や「なす」や「お肉」があまり好きではありませんでした。でも、今はどれも「大好物」に変わっています。

思いがけずおいしい食べ方に出会ったり、おいしく食べられる環境や雰囲気で食べたら、急に好きになったり、いつどこに、「好きになるきっかけ」が転がっているかはわかりません。体調や気分や空腹具合など、コンディションによっても感じ方が変わるかもしれません。

今の「嫌い」が一生続くとは限らないし、いくつか食べられないものがあっても、ほかに食べられる食材があれば、栄養を補えるかもしれません。

必要以上に動じることなく対応するようにすることで、子どもたちも気持ちを楽に食事ができ、私自身の気持ちも楽になり、食卓の雰囲気が穏やかになりました。

2.食わず嫌いだけは禁止「1口は必ず、お口に入れたらごくん」

かといって、嫌いなものや気分の向かないものをなんでも残させるのは違和感があるので、ひとつだけルールを決めました。

「出されたものは1口は必ず食べてみる。お口に入れたものはごくんする」です。

私自身を振り返ったときに、くせのある食材や、食べ慣れずに抵抗のあったお料理も、食べ重ねるうちに、気づけば好きになっていることがたくさんありました。

なので、どんなに小さな一口でもいいから出されたものは口にしてもらうことにしました。見た目が嫌いでも、口にしてみたらおいしくて食べきることができたり、「一口」の回数を重ねるうちに、だんだんと食べられるようになったり。

わが家は「がんも」や「セロリ」をこの方法で克服しました。

3.食べやすいかどうかに思いを馳せる

食べてもらえなかったときや嫌いだといわれてしまったときに「食べやすさ」を考えるようにしています。

見た目にしっかりしてきても、年齢によっては噛み切る力が足りなかったり、食べ疲れてしまうことがあったり、大人にはわからないことが沢山あるようです。

離乳食を食べさせている時に、なかなか思うように進まなかった娘の離乳食が歯がしっかり生えてきたときにぐんと食べてくれるようになり、「子どもの食べる身体的な能力に気を配るって大切なのかも…!」と思ったことがあります。

食材の大きさや柔らかさ、献立の量など、赤ちゃんを終えて子どもになったとしても、食べやすさには少し細かく気を配ることで子どもがが食事を楽しいと思えるかどうかが変わるかもしれない、と思っています。

例えば肉団子の大きさとか、ハンバーグの付け合わせの野菜とか、サラダのカット野菜の大きさとか、お味噌汁のお豆腐の大きさだって。

本当にちょっとしたことですが、「食べやすいかな?」「楽しく食べられるかな?」ということにほんの少し気を配ることで、子どもにとって楽しい食事につながるかもしれません。

4.つまみぐいさせてみる

きっとどなたも経験があることかもしれませんが…つまみぐいって不思議なおいしさがありますよね!

茹でたて、焼きたて、炊きたて、つくりたて…できたてを、ちょこんと手に乗せて、立ったままパクっと食べる。

お行儀の悪いことかもしれませんが、ゆでたての青菜やブロッコリー、塩もみしただけのきゅうりやかぶ、にんじんやセロリのはじっこ…常備菜にとたくさんつくる、おからや切干大根…など、いざ食卓に乗ると人気低めな食材も、つまみぐいだとパクパク食べてくれるし、

その時「すご~い!おいしく食べれるんだね~!」なんてほめると楽しい記憶が残るようで、つまみ食いのおかげで好きになってくれた食材は数え切れません。

なので、お料理をしているときには

「うわ~!!おいしそうに茹で上がったな~!」とか
「うわ~!このおいしそうなにんじんのはじっこ、たべちゃおっかな~!」とか、
「うっわ~!今日のおからは最高だな、天才だな、味見してほしいな~!」とか、

わりかし大声で独り言を言うようにしています(笑)。

5.お手伝いさせてみる

これは常套手段でしょうか。でも、かなり効果のある方法だと思っています。

お手伝いさせるのって大変ですよね。時間はかかるし、キッチンは汚れるし…兄弟姉妹がいると、喧嘩も勃発しがち。それでも。お手伝いしてもらうと、やっぱり食べてくれる確率が高いと思うのです。そこでひと工夫。

その日の献立に向けてお手伝いをしてもらうと、どうしても効率が悪くなってしまったり、思うように作業がすすまずイライラしてしまうので…我が家でお手伝いをしてもらうときは、以下のポイントを抑えるようにしています。


【1】「明日使う食材」か「今日使っても使わなくてもいい食材」の下ごしらえをしてもらう
にんじんの皮をむいてもらう、キャベツの葉を一枚ずつ洗ってもらう、きゅうりを塩もみしてもらう、あさりを洗ってもらう、きぬさやの筋をとってもらう…など

【2】本当は献立にはなかった「+α」の簡単メニューをつくってもらう
(1)で洗ったキャベツの葉をちぎって塩昆布と和えてもらう、塩もみしたきゅうりをたたき割って胡麻油で和えてもらう…など、作業の進み具合に合わせて、「もう1品」のメニューに採用してあげる。

我が家では大体、お手伝いしてもらった食材はそのまま簡単サラダになるか、次の日のお味噌汁の具材になることが多いです。

6.自分が率先しておいしく食べる

これを言うと、笑われてしまうことも多いのですが、「嫌いだといわれてしまったものは、自分がおいしそうに食べる!」という方法、かなり効果があると思っています。

さんまやアジの開きを「骨が多いから嫌だ」と残されたとき、「そっか、食べづらかったね。」と言いつつ、子どもたちが残した魚を「あ~おいしいな~!この、骨をちまちま取りながらね、こう食べるのがね~!おいしいんだよね~。わかるかな~わかんないかな~あ~おいしいな!」と独り言いいながら食べていたら、「ひとくち頂戴!」攻撃の嵐にあい、その日は私がほぐしながら食べさせて完食。

次の機会には少し自分で食べるようになって、疲れたころにバトンタッチ。最近は調子が良い時は自分で食べてくれるようになり始めています。

また、焼きナスが見た目で完全アウトだったときも、意図せず夫婦で「このじゅわっとする感じがね、なんともいえないよね~。このおいしさに気づいたの、大人になってからだよね~。薬味を変えてさ、食べると色々楽しめて、本当、なんだろうね、このおいしさは」なんて話していたら、気づけば最近は焼きナス争奪戦が繰り広げられるようになりました(笑)。

ポイントは、本当に心の底からおいしいと思うことです。

「いまいちだな」と思っているのに、食べてほしいからと言って「おいしいな~!」なんて
一生懸命ひとりごとを言っても、スルーされること多めなのが注意点です。子どもって見破りますよね…。

7.小鉢&豆皿大作戦!

こちらは番外編。

小鉢や豆皿などの小さな食器が大好きなのと、ちょこちょこ乗せると品数が多く見えることにお得感を感じて、我が家では豆皿がよく登場します。実はこの小さな食器、もしかしたら好き嫌い対策にいい方法かもしれないことに最近気づきました。

豆皿にすこしずつお野菜を乗せると、サラダなどで、どかん!と野菜を出すよりもトータルで食べる量は変わらないのに、野菜を完食してくれる確率が増えた気がするのです。

小さなお皿が次々と空になっていくのもちょっとした達成感があるようで…子どもたちにとって「ほんの少しだし」と、ハードルが低く感じられるのかもしれません。

豆皿を集める手間と洗う手間はかかりますが、最近では100均でもかわいいお皿がたくさんあるので、試してみる価値あり!かもしれません。

8.思い出を話してみる。

最後の奥の手は、思い出話です。

私自身を振り返ると、両親から「私が小さい時にね、よくおばあちゃんがね…」なんて、思い出話と一緒に食べさせてもらったお料理は、味はさておき、なぜだかおいしく、そして大切に感じられて、きちんと食べなくちゃと自然と思った記憶があります。

娘は昔魚があまり好きではなかったのですが、おじいちゃんおばあちゃんの家に泊まりにいくと「おしゃけが焼けたよ~!」と、朝ごはんに焼鮭を出してくれるそうで、「おしゃけ」という言葉が心に残って、だんだんと鮭を食べてくれるようになりました。

エピソードが心に残って、なんとなく好きになってしまう気持ちがよくわかるので、自分自身の思い出や、なにかエピソードのあるメニューや食材は、食べながら伝えるようにしています。

いかがでしたか。

家族で囲む食卓は、大人も子どもも心地よくありたいですよね。

好き嫌いは長い時間をかけて、だんたんと減らしていけたらいいもの、ととらえて、おおらかに楽しく食卓を囲めたらいいな、と考えている我が家のちょっとした工夫をご紹介させて頂きました。少しでも参考になれば嬉しいです。

記事を書いたのは…apricot project
小学校1年生の長女と年少の長男の母。「軽やかな気持ちでキッチンに立つ」ことをモットーに、家庭用理の手書きレシピの発信やワークショップ運営をしています。また、日本全国のものづくりを訪ねて勉強&商品開発をしています。

※記事の内容は記載当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

 
 

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