注意!withコロナの秋。スポーツを楽しみたい子どもと大人のうっかりポイント
2020/09/28
ようやく、季節も秋めいてきたこの時期は、やっぱりスポーツを楽しみたい! とはいえ、まだまだコロナ禍の真っただ中。withコロナの秋にスポーツを楽しむには、どんな注意が必要なのでしょうか。元アスリートで順天堂大学スポーツ健康科学部教授の鯉川なつえ先生に聞きました。
自分が思っている以上に体力は落ちている!?
新型コロナウイルスが流行しはじめてから約半年。自粛生活が続き、外出する機会が格段に減っています。子どもたちも外で思いっきり遊ぶということがままならない生活を過ごしてきました。大人も、仕事はオンライン化して通勤の必要がなくなった人もいて、日中の活動量が減り、全力で体を動かすということをしてこなかったかたも多いと思います。
運動不足で筋肉量は減り、例年より太陽に当たる時間も短く、骨密度が減っている可能性もあります。今年の秋は、いきなりハードに動くと、骨や腱(けん)に負担がかかり、ケガをする可能性が!昨年できていたことができない…ということもあるかもしれません。しかし、それも当然のこと。自分が思っている以上に体力が落ちているかもしれないということを自覚して、少しずつ、スポーツの強度を上げていきましょう。まずは、勝負よりも楽しむことを大切にするのがいいと思います。
スポーツ中はマスクをはずして。水分補給にも注意
マスクをつけているのが当たり前の日常になりましたが、スポーツをするときにははずしましょう。マスクはスポーツの行き帰りや、室内でのミーティングなど、必要に応じてつけるようにしてください。そして、スポーツをするときにもっとも気をつけたいのが、こまめな水分補給です。先ほど指摘したように、ここ半年で運動量が格段に減ったというかたは多く、血液の循環が悪くなっている可能性があります。体内の血液の流れが低下すると、皮膚からの熱放散がうまくいかず体温が上昇し、熱中症になりやすくなります。
子どもの体調管理はいつも以上に!
子どものスポーツについて、とくに大切にすべきなのは日々の健康チェックです。検温は日常的に行い、少しでも具合が悪いときはお休みをする。子どもたちは体を動かしたいですから、少しくらい体調が悪くても「やりたい!」と言うでしょう。でもそこは、親がちゃんとチェックをし、やめさせる勇気を持つことも必要です。
今年はなかなか梅雨が明けず、夏の訪れが遅かったですね。季節が半月ずれています。ご自身の体調に気をつけながら、スポーツを楽しんでください。
■記事監修・・・
順天堂大学スポーツ健康科学部 教授
鯉川なつえ先生
福岡県生まれ。高校時代に陸上競技を始め、1990年のインターハイでは3000mで高校日本新記録を樹立。順天堂大学に進学後も数々の成績を収め、ユニバーシアード日本代表として活躍。2007年より現職。同大陸上競技部女子監督を務める。2014年より女性スポーツ研究センター副センター長に就任。