キッチンとテーブルを横並びに…が人気!暮らしが整う「間取り」のポイント
2019/07/04
「家が整うと、暮らしが整う」とはよく言われることですが、整えるために効果的な「間取り」があるとしたら、気になりませんか?住まいを取材して20年の住宅・インテリアライターは、取材先や誌面に掲載されたお宅の「間取り」がついつい気になってしまうそう。
そのなかから「これなら暮らしがスムーズに回る」と太鼓判を押せる間取りを厳選、ポイントについて解説してもらいます。
最近、とくに人気だな~と感じる間取りがあります
住宅・インテリアライターの志賀朝子です。取材で全国のお宅におじゃましたり、住宅誌をチェックしたりしていると、「昔はほとんど見なかったのに、最近、増えているな~」と感じる間取りに遭遇することがあるんです。
そのなかでもとくに「最近、増えたな~」「人気だな~」と感じているのが、キッチンとダイニングテーブルを横並びに配置するダイニングキッチンの間取り。
「サンキュ!」に登場した岐阜県のSUZUさん(37歳)のお宅も、この間取りを採用しているのが下の間取り図(左・1F)から分かりますよね。
DKのまん中にキッチンとダイニングテーブルがドーン!という間取り、とても特徴的ですよね。
SUZUさんは、夫(38歳)、長女(小1)、長男(年中)の4人家族。SUZUさんのようなお子さんのいる家庭はもちろん、共働きの家庭、友人知人をよく自宅に招くという家庭にこの間取りはとても人気が高いんです。
私なりに人気の理由を分析すると、以下の3つの要素が大きいのではないかな…と思っています。
【キッチンとダイニングテーブルを横並びに配置】が人気の理由
●壁で囲まれた独立型キッチンよりもオープンキッチンが主流になってきた今、これまで多かった「対面キッチン」(キッチンの正面にダイニングテーブル)の“応用バージョン”として、よりキッチン~テーブル間の移動がラクなこの形が支持されるようになった。
●「夫婦(家族)で家事をシェアしたい」という家庭が増えて、自然に調理、配膳、片づけのフォローができるDKの形が求められるようになった。
●ホームパーティや“家飲み・宅飲み”を好む人が増えて、キッチンで作業しながらゲストとおしゃべりもしやすい間取りが選ばれるようになった。
「家事シェア」や「家飲み」――。なんだか最近の日本の傾向を如実にあらわしているような……(笑)。
それだけこの間取りは、今の私たちの暮らしにフィットしていると言えるのかもしれません。
この間取りならではの、注意したいことも……
キッチンとダイニングテーブルを横並びに配置するこの間取りを採用する場合は、設計の段階でどんなダイニングテーブルを置くかを決めておくことが大切。
テーブルのサイズに合わせて設計士さんがキッチンの大きさや位置、照明の数や位置などを調整してくれるので、完成したときの使い勝手や “おさまりの美しさ”が高まります。
そして、独立型キッチンにくらべて、オープンキッチンならではの注意点もあります。それが以下の3点。
●キッチンが目に入りやすいので常に片づけておく必要がある。
●食洗機や換気扇などの音が伝わりやすい。
●食べ物のにおいや蒸気が広がりやすい。
こちらも念頭に置きながら、スムーズに作業ができて、家族やゲストとコミュニケーションがとりやすいこの間取り、検討してみる価値大だと思います!
Have a try!
□ダイニングテーブルの置き方のバリエーションを考えてみる
□今度のホームパーティは、「みんなでつくりながら食べる」スタイルに挑戦してみる
イラスト/長岡伸行
撮影/masacova!
取材・文/志賀朝子
インテリア&住宅誌の編集部に19年在籍したのち、フリーランスのライターに。自分好みにリフォームした自宅ですごすのが至福の時間のインドア派。趣味は自宅のインテリア&収納をあれこれ考えること、不動産のチラシチェック。家計管理や資産運用も好きで、最近ファイナンシャル・プランナー資格を取得。