家事ラクな家は洗濯動線で決まる!インテリアライターが選ぶ、暮らしが整う「間取り」

2019/09/09

「家が整うと、暮らしが整う」とはよく言われることですが、整えるために効果的な「間取り」があるとしたら、気になりませんか?住まいを取材して20年の住宅・インテリアライターは、取材先や誌面に掲載されたお宅の「間取り」がついつい気になってしまうそう。

その中から「これなら暮らしがスムーズに回る」と太鼓判を押せる間取りを厳選、ポイントについて解説してもらいます。

洗濯をワンフロアで完結できると最強

住宅・インテリアライターの志賀朝子です。「サンキュ!」の2019年4月号を読んでいた私は、あるお宅の間取り図を見てはたと手が止まりました。「むむ。このお宅、家事ラクの家のお手本みたいな間取りになってる…」。

それは、神奈川県の宇高さん(38歳)のお宅です。宇高さんは、夫、長男(9歳)、長女(7歳)の4人暮らし。そしてこちらのお宅の家事ラクの秘密は、ずばり「洗濯動線」です。洗濯にかかわるすべての作業が、2階のワンフロアで“完結”する間取りになっているのが下の間取り図からわかりますか? 

●服を脱ぐ場所(=浴室)
●洗濯する場所(=洗濯機のある洗面所)
●洗濯ものを干す場所(=バルコニー ※室内干し派の宇高さんは、乾燥機能つき洗濯機や浴室で除湿機を使用)
●洗濯済みのものを片づける場所(=クローゼット)

以上がすべて、2階にまとめられているのが大きなポイント。干したり片づけたりと、ただでさえ作業プロセスが多いのが洗濯ですから、上下のフロアの移動がないだけで、かなり負担が少ないはずです。

宇高さんがライフオーガナイザー®として、個人宅の収納コンサルタントやセミナー講師として活躍されていると記事にあり、思わず納得してしまいました(笑)。

衣類は洗濯機のすぐ横の浴室に干して除湿機をセット(宇高さん宅)

ほかの家事より動線が重要になる洗濯

家を建てたり購入するときに、家事動線がスムーズな間取りかどうかはじっくりチェックしたい部分。洗濯はほかの家事にくらべて作業の内容が多岐にわたり、移動もともなうものなので、「洗濯動線」がスムーズな間取りは家事ラクな家に直結します。

以前、同業者でもある友人が「芸能人のおうち購入ルポみたいな番組で、1階に洗濯機置き場、2階に浴室、3階に物干し場がある家が出てた!!」と教えてくれたことがありました。

この家の場合、2階にためてある洗濯ものを1階で洗って、3階へ干しに行く…ということになりますよね。考えるだけで、た、たいへん…(汗)。

間取り図の上でシミュレーションを

失敗をなくすためには、マイホームの間取りを検討中のうちに、間取り図の上で「ここで服を脱いで、ここで洗濯機を動かして、ここで干して…」と、実際の動きを想像してみるのが◎。

洗濯のダンドリを具体的にシミュレーションすることで「スムーズに作業できるか」が見えてきますし、「家族全員分の下着とパジャマを収納したいから、洗面所の収納スペースをもう少し大きくしたい」など、別の改善ポイントが見えてくる可能性もあります。

洗濯の回数、室内干しか外干しか、洗濯機からとり出した衣類をその場でハンガーにかけるのか、干す場所まで運んでからかけるのかなど、人によって洗濯の”やり方”は本当に千差万別。

せっかくのマイホームですから、自分自身の”やり方”を事前によ~く研究して、ストレスなく作業できて肉体的負担も少ない、「洗濯動線」のいい住まいを手に入れてほしいと思います。

洗濯機で乾燥したタオルや下着は、すぐ上の棚に収納(宇高さん宅)
浴室(洗濯ものを干す場所)とクローゼットが同じフロアにあり、片づけもラクラク(宇高さん宅)

Have a try!

□洗濯の“やり方”で、自分がこだわっていることを思い返してみる
□友人に洗濯時のこだわりポイントを聞いてみる

イラスト/長岡伸行
撮影/砂原文
取材・文/志賀朝子
インテリア&住宅誌の編集部に19年在籍したのち、フリーランスのライターに。自分好みにリフォームした自宅で過ごすのが至福の時間のインドア派。趣味は自宅のインテリア&収納をあれこれ考えること、不動産のチラシチェック。家計管理や資産運用にも関心があり、この春ファイナンシャルプランナー資格を取得。

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