マイナンバーカードが「あると便利」から「あるとトクする」ものに!?
2020/05/12
新型コロナウイルスによる一律10万円の「特別定額給付金」で、オンライン申請に必要なことから注目され始めたマイナンバーカード。
節約アドバイザーの丸山晴美さんは「これからもっと“あるとトクする”カードになっていくので、今のうちにつくっておいたほうがいいですよ!」と強くすすめます。その理由を解説してもらいました。
なお、今回ご紹介する情報はすべて2020年4月時点の情報を元にしています。
監修: 節約アドバイザー 丸山晴美
22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...
みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。
お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっとむずかしいですよね。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「マイナンバーカードをつくるべき理由」!
マイナンバーカードとは個人番号が書かれたICチップつきカード
マイナンバー(個人番号)は、日本に住民票を有するすべての人が持つ12ケタの番号です。2015年にマイナンバーを伝える紙製の「通知カード」が、各家庭に簡易書留で送付されましたよね。
マイナンバーカードは、マイナンバーが記載されたプラスチック製のICチップつきカード。申請によって取得することができ、カードの表面には顔写真と氏名、住所、生年月日、性別が記載されます。 裏面にはマイナンバーが記載され、税・社会保障・災害対策など法令で定められた手続きを行う際の番号確認に利用できます。
行政手続き、確定申告……増えているマイナンバーカードでできること
新型コロナウイルスによる一律10万円の「特別定額給付金」で必要となるまでは、「マイナンバーカードの使い道は身分証明書くらい」と思っているかたが少なくありませんでした。でもじつは、マイナンバーでできることが徐々に増えてきています。2020年3月時点で、マイナンバーでできる主なことをご紹介します。
身分証明書に旧姓を表記できる
現在は旧姓を使用しながら社会活動をする女性が増加しているため、結婚・離婚で名前が変わると表記される名前が変わった場合、旧姓を証明するのが難しかったのですが、昨年末からマイナンバーカードや運転免許証に旧姓を併記することができるようになりました。
これにより、名前が変わっても、従来称してきた旧姓を契約などさまざまな場面で活用することが可能に。就職や職場などでの身分証明としても使えます。
もちろん現在の姓の身分証明書でもあるので、運転免許証を持ってないかたや、親が免許を返納した後に身分証明書として使うのにも便利です。
なお、旧姓を併記するには手続きが必要です。詳しくは総務省のWebサイトの「住民票、マイナンバーカード等への旧氏の併記について」を参照ください。
各種行政手続きがスマホやパソコンで手軽にできる
マイナンバーカードがあると、政府が運営するオンラインサービス「マイナポータル」へログインすることができ、各種行政手続をオンライン申請したり、行政機関からのお知らせを確認できたりします。
とくに、児童手当の手続き、保育所の入所申請、妊娠の届出、児童扶養手当の現況届など、子育て関連の手続きがオンラインでできるのはラク。ただし、市区町村によりサービスの内容が異なるので、詳しくは市区町村に問い合わせましょう。
コンビニやスーパーなどで各種証明書が取得できる
コンビニやスーパーなどで、マイナンバーを使って以下の公的な証明書を取得できます。役所と違い24時間利用できますし、長い待ち時間もなくて便利です。
■取得できる証明書
・住民票の写し
・印鑑登録証明書
・住民票記載事項証明書
・各種税証明書
・戸籍証明書
・戸籍の附票の写し
※市区町村によりサービスの内容が異なります。
2021年から青色申告の控除額に10万円もの差が!
自営業のかたはもちろん、会社勤めのかたも医療費控除やふるさと納税などで確定申告をするかたは少なくありません。
青色申告の場合、2021年に申告する分から、オンラインシステム「e-Tax(イータックス)」での申告または電子帳簿保存を行うと、控除額が65万円、郵送や窓口などで申告した場合は55万円と、10万円も高くなります。電子帳簿保存を行うには、帳簿を作成する3カ月前までに申請書を税務署へ提出する必要があります。導入までの手間などを考えると、e-Taxの活用がオススメです。
e-Taxで申告する方法としては「マイナンバーカード方式」と「ID・パスワード方式」の2つがあります。「ID・パスワード方式」は、事前に税務署長へ届出をし、e-Tax用のID・パスワードの通知を受ける必要があるうえ、あくまで暫定的な対応です。将来的にe-Taxを利用し続けるのであれば、マイナンバーカードを取得しておいたほうがいいでしょう。
このほか、2021年3月からはマイナンバーカードが健康保険証・お薬手帳として、2022年からはハローワークカードとしても利用される予定。社員証・学生証として利用する計画もあり、今後ますますマイナンバーカードは幅広く活用されるでしょう。
9月開始!「マイナポイント」で5,000ポイントがもらえる
上記に加え、2020年9月からは、マイナンバーカードを持っている人だけが参加できるポイント還元制度も始まります。それが「マイナポイント」です。
現在、中小の小売店などでキャッシュレス決済をすると、支払い金額の2〜5%が還元されますが、これは2020年6月で終了します。マイナポイントはそれに代わる新たなポイント還元制度で、2021年3月までの期間限定で行われます。
内容は、マイナンバーカードを持っている人が、キャッシュレス決済サービスに事前チャージすると、チャージ分の25%分(上限5,000円相当)のマイナポイントが受け取れるというもの。家族4人でそれぞれ利用すれば、5,000×4人で最大2万円分のマイナポイントをゲットでき、かなりお得です。
マイナンバーカードは申請してすぐ発行されるわけではなく、手元に届くまでに1カ月前後かかります。とくにマイナポイント開始が近づいて、マイナンバーカードの申請件数が増えると、もっと時間がかかるでしょう。だからこそ、マイナンバーカードの申請は今のうちにしておくのがオススメです。
マイナンバーカードの申請方法は4つで、いずれも簡単!
マイナンバーカードの申請方法は以下の4つがあり、いずれもとても簡単です。
スマホで申請する
スマートフォンのカメラで顔写真を撮影します。個人番号カード交付申請書のQRコードを読み取り、申請用WEBサイトでメールアドレスを登録。登録されたメールアドレス宛に通知される申請者専用WEBサイトにアクセスし、画面にしたがって必要事項を入力のうえ、顔写真を添付して送信します。
パソコンで申請する
デジタルカメラで顔写真を撮影し、パソコンに保存します。申請用WEBサイトにアクセスしてメールアドレスを登録。登録されたメールアドレス宛に通知される申請者専用WEBサイトにアクセスし、個人番号カード交付申請書に記載の申請書IDなどの必要事項を入力のうえ、顔写真を添付して送信します。
郵便で交付申請書を送る
個人番号カード交付申請書に必要事項を記入し、6カ月以内に撮影した顔写真を貼り付けて郵送します。交付申請書をなくした場合は、専用サイトからダウンロードすることができます。
まちなかの証明用写真機で申請する
証明用写真機のタッチパネルから「個人番号カード申請」を選択し、撮影用のお金を入れて、個人番号カード交付申請書のQRコードをバーコードリーダーにかざします。画面の案内にしたがって必要事項を入力し、顔写真を撮影して送信します。
対応している証明写真機とそうでないものがあるので、あらかじめ確認しましょう。
いずれの方法でも、通知カードといっしょに届いた「個人番号カード交付申請書」が必要です。紛失した場合は、お住まいの市区町村窓口で新しい交付申請書を交付してもらえますが、郵送での申請なら、手書き用の交付申請書と封筒を専用サイトからダウンロードして使用できます。
ただし、郵送はカード発行までに多少時間がかかります。早く手に入れるには、スマートフォンでの申請がオススメです。
約1カ月後、届いた交付通知書を持って本人が受け取りに行く
申請後、1カ月後くらいで交付通知書(はがき)が自宅に届きます。交付通知書に受け取りに必要なもの、受け取り期限、交付場所などが書かれているので、その内容に沿って本人が受け取りに行きます。本人が病気などで受け取りに行くのがむずかしい場合に限り、代理人に委任することも可能です。
交付窓口で本人確認をしたうえで、その場で2種類の暗証番号を設定してカードが交付されます。暗証番号は行く前に考えておくのがオススメ。忘れないようにメモなどを取り、しっかり保管しておきましょう。
マイナンバーカードは人に見られても大丈夫
「マイナンバーカードを人に見られたり、落としたりしたら危険!」と思いがちですが、そうではありません。
マイナンバーの利用には、顔写真つきの身分証明書などでの本人確認が義務づけられているため、マイナンバーを知られたからすぐに財産的被害などにつながることはないのです。
ICチップに入っている情報も、券面に記載されている情報が中心。プライバシー性の高い個人情報は入っていないので、持ち歩いても大丈夫です。
とはいえ、もちろん紛失などしないように気をつけるのが基本です。万一、紛失した場合は、専用のダイヤルで利用停止手続きをしましょう。24時間365日受け付けています。
取材・文/かきの木のりみ