医師に聞いた!更年期をゆるやかに越えるためのアドバイス5
2023/01/12
そろそろ更年期のあなたへ。「考え方のクセを見直すだけで、更年期のハードルってぐっと下がるのよ。実は今、私も更年期真っただ中です」と松村先生。更年期をゆるやかに、ラクに過ごすコツを聞きました。
<教えてくれた人>
成城松村クリニック 松村圭子先生
婦人科医。成城松村クリニック院長。女性の一生をサポートする診療を心がけ、アンチエイジングにも精通。西洋医学だけでなく、漢方薬や各種点滴療法なども積極的に治療に取り入れている。著書多数。
1 まずは「やめること」から始めよう
更年期は心が不安定になりやすいので、何かを始めるより、ストレス要因を取り除く=やめることが大切。気の進まない会合には行かない。やりたくないことはやらない。会いたくない人には会わない。着ないのに場所ばかり取って、見るとイライラする服は処分するなど、やめたり手放したりすると心がラクになることが多いですよ。
2 寝る前にむずかしいことを考えない
「夜に悩んでも物事は進まない」。これに尽きます。だから夜は「今考えてもしょうがない」と気持ちを切り替えて寝ましょう。寝られなくても、大好きなおやつや風景など、楽しい何かを思い浮かべて目をつぶりましょう。考えるのは朝起きてから。準備は大切だけれど、先回りしすぎて考えるばかりでは、心身によくありません。
3 大事なのは「規則正しさ」
更年期の不快な症状は、ホルモンバランスが乱れ、それにつられて自律神経も乱れることに起因します。なので、自分で調整できることについてはなるべく乱さないことが大事。具体的には起床時間を平日・休日とも一定にする。起きたら水分をとる。夕食後寝るまでに2~3時間おくなど。できなくても「まあいっか」と柔軟に考えて。
4 「自分の好きなこと」を見つける
好きなことって、別におしゃれじゃなくても高尚じゃなくてもいい。いくら更年期にアロマがいいといっても、アロマに興味がない人が香りをかいでもしょうがないですからね。例えば気分転換に「ぷちぷちをひたすらつぶす」でもいい。やっていて楽しい、落ち着く、夢中になれる、と思えることが見つけられるといいですね。
5 「自分のために」どう生きるか考える
女性は結婚すると特に「夫のため」「子どものため」「義父母のため」と家族優先で長年過ごしてきた人が多いもの。しかし子育てが終盤を迎える更年期後は、「自分が何をしたいか」「今後どう生きたいか」を具体的に考え、もっと「自分の快適さ」を大切に行動しましょう。「自分のために生きる」ことは決してわがままじゃありません。
更年期は新しく生き直すチャンスです
私自身、47歳のころに体調をくずし、仕事だけで精一杯という時期がありました。実はそれまで外食ばかりの生活だったので、そこで食生活を見直すことに。今ではすっかり料理にハマり、食生活アドバイザー2級の資格も取りました。5年たち、現在は女性ホルモンの量がほぼゼロですが、打ち込めることがあるからか大きな不調に悩まされることなく過ごせています。
「生理がなくなると女性じゃなくなる」と思いがちな人は更年期のドツボにハマりがち。生理=女性性ではなく、女性の素晴らしさは経験からくる人間性の豊かさや気づかいなど、もっと大きなものです。「シワが……」なんて小さな変化を気にしていたらもったいない。更年期は人生後半をどう生きるか考える、絶好の機会ととらえましょう。
参照:『サンキュ!』2022年1月号「これってもしかして更年期」より。掲載している情報は2021年11月現在のものです。構成・文/宇野津暢子 編集/サンキュ!編集部