サボっていると、歳より老けた見た目になる。手間がかかってもバカにできない「歯」の習慣

30～40代になって、食べ物が挟まる、しみる、黄ばみが気になる、歯ぐきが下がってきた……など、年をとると歯の悩みが続出。「年のせい」とあきらめないで。早めのケアで健やかな歯は取り戻せます。

＜教えてくれた人＞
歯学博士　森下真紀さん
日本歯科総合研究所代表。「日本を世界一の歯科先進国へ」をミッションに歯科業界の発展のために活動中。
『世界の一流はなぜ歯に気をつかうのか　科学的に正しい歯のケア法』（ダイヤモンド社）

【46歳】デンタルフロスを使ってなかったら歯医者さんに怒られた。ものが挟まったときに使えばいいの？正しい使い方が知りたい

（ぽむさん　埼玉県）

A.フロスは歯磨きのたびに使う！時間がなければ夜しっかりやって

フロスは歯磨きのたびに使用するのが基本ですが、毎回は難しいという場合は就寝前の歯磨きのときに時間をかけてしっかり使いましょう。歯垢は歯間につきやすく、歯ブラシだけでは6割程度しか取れません。フロスを併用することで約9割の歯垢を落とせます。

フロスの正しい使い方

1 指に巻きつける

約40cmの長さにフロスを切り取り、左右の中指に巻きつけます。人差し指と親指でフロスの間隔が1～2cmになるように持ちます。

2 歯間に挟み、歯の側面に沿ってこそげとる

歯と歯の間に挿入し、歯の側面にこすりつけながら上下に2～3回動かします。フロスの位置を変え、隣の歯の間も同様に動かしていきます。

【45歳】朝起きると口がネバネバ。子どもにお口くさいと言われた。ちゃんと歯磨きしてるのになんで？

（京子さん　東京都）

【38歳】歯ぐきが下がって食べものが挟みまくり。これって加齢現象？
（じょるびさん　高知県）

A.もしかして歯周病が原因かも……

加齢だけで歯ぐきが下がることはありません。原因としてブラッシングが強すぎる、歯を食いしばるクセがある、歯周病などが考えられます。また、朝起きたとき口の中がネバつくのは、睡眠中に歯周病菌が口腔内で繁殖しているのかも。どちらのケースも早めに歯科医院を受診して。

【49歳】歯周病になると認知症のリスクが上がると聞いたけど、ホント？

（KKさん　埼玉県）

A.かめなくなるとリスクが上がるので本当です

歯周病と認知症の関係性は最近の研究で明らかになっています。関係性のひとつが脳に伝わるかむ刺激の減少。歯周病は歯を失うリスクが高く、歯を失うと物がかみにくくなります。歯が1本減るたびに脳への刺激も減り、それが認知症につながると考えられています。

【47歳】インプラントって1度したら一生使えるの？

（うねりさん　神奈川県）

A.もちは10～15年ほど。交換やメンテナンスは必須

インプラントは一生ものではありません。寿命は10～15年が一般的ですが、素材や医師の技術によっても異なります。また、喫煙する人はもちが悪い傾向が。インプラントでも歯周病のリスクがあることや長もちさせるためにも定期的に歯科検診を受けることが大切です。

【51歳】歯が黄ばんできた。新庄監督ほどじゃなくていいから歯を白くしたい。歯磨き粉でも歯を白くできる？

（N子さん　埼玉県）

A.歯磨き粉は本来の歯の色に戻すだけ。白くしたければホワイトニングを

加齢とともに長年の色素汚れがたまり、歯は黄ばんできます。ホワイトニング専用の歯磨き粉を使用すると色素汚れは取れますが、どんなにきれいに磨いても元の歯の色まで。もうワンランク上の白さを目指すなら歯科医院でホワイトニングの相談をしてみましょう。

【42歳】銀歯をすべて白いものにすべきか迷ってます。最近は奥歯を保険で白くできると聞いたけど……

（ぽんこさん　千葉県）

A.保険で経済的に、白くできる素材も選べます

金属アレルギーなどがなければ、銀歯が素材的に劣るということはありません。あとは費用と見た目の問題。前歯は見た目優先で白さがキープできるものを、奥歯は費用負担を考えて保険適用となる白くて経済的なハイブリッド素材などを選択しても◎。

虫歯治療の素材バリエーション

【39歳】虫歯って削る以外の治療法ない？削り続けるうちに歯がなくなりそう

（Mさん　東京都）

A.小さい虫歯はレーザー治療もできます

小さい虫歯なら、従来の治療法よりも削る量が少なく、痛みを感じにくいレーザー治療が可能です。虫歯が神経近くまで進行している場合は、ドッグベストセメントという殺菌による治療法も。ただ自費診療となるので、高額な治療費にならないよう定期検診で早期発見を。

【48歳】子どもの歯並びがきれいになったのを見て自分も矯正したくなった。矯正って何歳までできる？

（あもさん　大阪府）

A.80歳以上の方もできます。マウスピース矯正も有効です

歯ぐきと歯が埋まっている骨の状態が良ければ、年齢に関係なく矯正できます。最近はマウスピース矯正の有効性が注目されています。ワイヤー矯正よりも見た目が良い、つけ外しができるなどのメリットがありますが、数カ月に1回程度のメンテナンスが必要です。

1カ月ごとにマウスピースを替えていく！

※保険適用になるための条件があります。

参照：『サンキュ！』2022年12月号「体と見た目の悩み解決スペシャル」より。掲載している情報は2022年10月現在のものです。イラスト／山中玲奈　構成／海老澤まり子（風讃社）　取材・文／村越克子　編集／サンキュ！編集部