医者と患者

【医師監修】糖尿病の前兆とは〜初期症状やサインを把握し早めに対応しよう〜

2024/09/30

当記事は、うるうクリニック港南台 院長 長田潤先生にご監修いただきました。執筆はライター 前間弘美(管理栄養士)が担当しました。

健康診断で糖尿病に気を付けるように、と言われたあなた。

「そもそも糖尿病になったのか自分で気づけるものなの?」
「糖尿病だとわかるまでに前兆はないの?」

そう思ったことはないでしょうか。健康診断を受ける前から糖尿病の前兆に気付くことができれば、不安な気持ちも少しは軽くなりますよね。

そこで当記事では糖尿病の前兆とは何かを、わかりやすく解説していきます。

糖尿病に強みを持つ健康管理アプリを展開するシンクヘルス社のオウンドメディア。ダイエット、糖尿病の食事、マイン...

>>>シンクヘルスブログ編集部の記事をもっと見る

糖尿病は自覚症状が現れにくい

実は糖尿病は自覚症状が現れにくく、自分が糖尿病だと気づかない人もたくさんいます。

というのも、「喉が渇く」「トイレの回数が増える」など糖尿病の症状として広く知られているものは、血糖値がかなり高くならないと出ないからです。

また、2型糖尿病は1型糖尿病と比べて症状の進み方がゆっくりです。糖尿病になってもしばらく症状が現れないことが多いので、自覚症状なく進行することが多いといえます。

糖尿病の前兆?境界型糖尿病とは

境界型糖尿病は糖尿病ではないけれど正常でもない状態のことで、糖尿病の前兆といってもよいでしょう。

境界型糖尿病は、75g経口ブドウ糖負荷試験の2時間後血糖値が140mg/dl以上200mg/dl以下の状態を指します。

75g経口ブドウ糖負荷試験とは、糖尿病の診断を行う方法の1つです。

75gのブドウ糖が入ったサイダーのような飲料を飲んだ後、数回採血を行い血糖値の変化を調べます。そして2時間後の血糖値によって、3つの型に分類されるのです。

<2時間後血糖値>
糖尿病型:200mg/dl以上
境界型 :140mg/dl以上 200mg/dl以下
正常型 :140mg/dl以下

では、もしもあなたが境界型糖尿病と診断された場合、何を優先して行ったらよいでしょうか。

それは、バランスの取れた食事をとったり、運動習慣をつけるなど生活習慣を整え、糖尿病にならないよう予防に努めることです。

自身の改善ポイントについて、受診したクリニックや病院の専門医によるアドバイスのもと行うことが望ましいでしょう。


●隠れ糖尿病も糖尿病の前兆
隠れ糖尿病は、糖尿病や糖尿病予備群でありながら見逃されている状態のことです(隠れ糖尿病は正式な医学用語ではありません)。

そして隠れ糖尿病の方によく起きる症状が、食後高血糖です。食後高血糖とは、空腹時血糖値は正常で食後のみ血糖値が大幅に乱高下することをいいます。そのため空腹時血糖値のみ測定する通常の健康診断では、見つけられないことがほとんどなのです。

食後高血糖は75g経口ブドウ糖負荷試験を行うと、発見できます。食後高血糖であっても自覚症状のない場合は多いですが、眠気や反応性の低血糖、頭痛などの症状が起こる可能性もあります。

「この症状はもしかして食後高血糖かも?」と不安に感じたら、医療機関を受診するとよいですね。

糖尿病の初期症状とサイン

頭痛に苦しむ女性
maruco/gettyimages

糖尿病の特徴的な初期症状やサインとなる合併症について、いくつかお伝えしますね。


●特徴的な初期症状とは
糖尿病に特徴的な初期症状は、

・喉が渇き水を飲む量が増える
・頻尿
・体重の減少
・疲れやすい

などがあります。ただし、上記のような症状を自覚する頃には、ある程度糖尿病が進んでいる可能性が高いです。

●目のかすみや足の痺れはどうか
目のかすみや足の痺れは、糖尿病の合併症である可能があります。

ただし、糖尿病の合併症はすでに糖尿病が進行している状態で起こるものです。もしも糖尿病の合併症が疑われる場合は、1日も早く治療を始めることが大切です。できるだけ早く医療機関を受診し、検査や治療を行いましょう。

●爪の病気も糖尿病のサイン?
爪にも糖尿病のサインが現れる可能性はあります。

糖尿病は血液が糖分でドロドロになるため、体の末端である爪に栄養が行き届かなくなることがあるのです。

症状の一例を以下に挙げます。

・爪が厚くなる
・爪の周りが皮膚に食い込む
・巻き爪になる
・爪の変形
・爪が白く濁る
・爪に白い線が入る


しかしこのような症状が起こると、必ずしも糖尿病であるとは言い切れません。

なぜなら爪のトラブルは他の病気が原因の場合や、病気が原因でない場合もあるからです。もし、爪のトラブルの原因がわからず悩んでいるときは、医療機関に相談するとよいでしょう。

糖尿病の早期発見には早めの受診が大切

Image Source/gettyimages

糖尿病は早期発見・早期治療が大切です。

ただし、くり返しになりますが糖尿病はなかなか自覚症状が現れません。だからこそ、健康診断の結果をきちんと確認すること、生活習慣を見直す必要があるのです。

そして、少しでも糖尿病のサインを感じたら早めに受診をすることが大切です。

なお、どこを受診すれば良いのかわからない場合は、お近くの内科クリニックを受診するのがおすすめです。採血などの検査や、適切な病院を紹介してくれるでしょう。

まとめ

糖尿病の前兆には、境界型糖尿病や食後高血糖などがあるとわかりました。

糖尿病は自覚症状や初期症状が現れにくいので、前兆に気付くのが難しい病気です。そのため、小さな症状やサインを見逃さずに医療機関を受診することが大切なのです。

それでは、当記事が糖尿病の前兆に気づくきっかけになると嬉しいです。

■教えてくれたのは・・・

シンクヘルスブログ編集部

糖尿病に強みを持つ健康管理アプリを展開するシンクヘルス社のオウンドメディア。ダイエット、糖尿病の食事、マインドフルネスなど幅広い健康情報について、管理栄養士や臨床心理士、運動指導士などの専門家陣が確かな根拠をもとに執筆している。

関連するキーワード

 
 

PICK UP ピックアップ

TOPICS 人気トピックス

RECOMMEND