糖質制限ダイエットって効果があるの?適切な食材と方法を徹底解説
2024/07/02
「糖質を制限したら痩せるって聞いたけど本当かな…」
ダイエット法の一つとして知られている糖質制限は、ご飯や麺など主食に多く含まれる糖質を減らして、肉や魚、野菜などをしっかり食べるダイエット法です。
ただし、闇雲に糖質を制限すればよいというものではありません。糖質制限は、正しい方法で行ってこそ効果が出ます。
そこで今回は、効果的な糖質制限の方法から身近な食品の選び方まで、わかりやすくご紹介します。
おすすめの糖質カットご飯もお教えしますので、ぜひ最後までお読みください。
教えてくれたのは: シンクヘルスブログ編集部
糖尿病に強みを持つ健康管理アプリを展開するシンクヘルス社のオウンドメディア。ダイエット、糖尿病の食事、マイン...
糖質制限ダイエットって何?
糖質を多く含む食品を制限することを、「糖質制限ダイエット」と言います。これは、体を動かすエネルギー源を糖質から中性脂肪に変えて、体脂肪を減らし体重を落とす方法です。
中性脂肪は脂肪の一種で、体の中にエネルギーを貯める役割を持っています。糖質制限で糖が足りないとなると、脂肪がケトン体(※)という物質に変化し、ブドウ糖の不足を補う形で利用されはじめます。
※ケトン体とは、脂肪が燃焼する際に作り出されるエネルギーのこと
つまり糖質制限は、脂肪が分解されることにより効率的に体重を落とせるという考え方に基づいたものです。
ここまでの話をきくと、糖質が悪者のように思えてしまいますが、糖質も私たちにとって欠かせない栄養素です。
糖質とは、米やいも、果物などに多く含まれる糖を主成分とする物質のことを言います。三大栄養素(※)の1つで、炭水化物から食物繊維を除いたものの総称です。
※三大栄養素とは、「炭水化物」「たんぱく質」「脂質」のことを指し、生命を維持したり、身体活動を行ったりする上で欠かせない栄養素のこと
そして、糖質は体や脳を動かすエネルギー源として働く栄養素で、私たちが生きていくために必要になります。
そのため、糖質制限において糖質を制限しすぎてしまうことは大変危険です。1日に必要とされる糖質量はしっかり確保したうえで、余分な糖質をとらないことこそが糖質制限の本来の目的といえるでしょう。
糖質制限ダイエットの正しいやり方とは
それでは、糖質制限ダイエットの適切なやり方について、2つのポイントをご紹介していきます。
●ポイント① 糖質は1日120gは摂るようにしよう
1日に必要な糖質量は、デスクワークで運動量が少ない人の場合で250〜330g程です。この量を半分以上減らし120g程度にすることをオススメします。
糖質は脳の唯一のエネルギー源です。そして、脳は1日120gの糖質を消費すると言われています。そのため、糖質を全く取らないとなると集中力が低下したり、判断力が鈍ったりする可能性も生じるのです。
脳には情報を識別したり記憶や言葉を理解したりする機能や、呼吸や循環など生命活動の営みを支配するような機能など、重要な役割がたくさんあります。
ですので、減量で脳への弊害が起こらないよう、糖質は最低でも120gは摂るようにしましょう。1食あたり40gが目安です。
例えば、6枚切り食パン1枚あたりの糖質は31.1g、白米ご飯だとお茶碗軽く1杯(100g)の糖質は36.8gです。
●ポイント② たんぱく質をしっかり摂る
糖質を制限するとご飯や麺などの量が減るため、減った量を肉や魚、豆類などのたんぱく質で補いましょう。
また、たんぱく質は筋肉のもととなるため、リバウンドしにくい体づくりに役立ちます。
減量中に食べる量が減ると、1日に必要なカロリーが不足になります。すると、体は筋肉を分解して不足したカロリーを補おうとし、筋肉がやせ細ってしまう可能性が高くなります。最終的には基礎代謝(※)が落ち、痩せても筋肉が少ないという理由でリバウンドしやすくなってしまうのです。
※基礎代謝は安静な状態でも消費されるエネルギーのことで、筋肉が多い人ほど高くなる
そこで筋肉を構成する肉や魚、大豆製品、卵や乳製品といったたんぱく質を多く含む食品を、必ず取り入れるようにしてください。
効果はいつから出る?
ダイエットをやるからには、早く痩せたいですよね。体重の落ち方が気になると思いますが、糖質制限ダイエットの効果は約1〜2週間後から見られることが多いです。
その理由にはケトン体が関係します。個人差はありますが、体がケトン体を発生させるためには一定期間の糖質制限が必要となります。
効果が出てくるまでには少し時間がかかることを知っておきましょう。
●どうしても痩せないこともある?
糖質制限ダイエットで痩せない場合には、あなたが思うより糖質の多い食品を食べている可能性が考えられます。
例えば、カレーのルーには1かけ20gで約8.2gの糖質が含まれています。また野菜ジュースも200mlあたり13〜17gもの糖質が含まれているものもあるのです。
食材をなんとなく選ぶのではなく、表示を見る習慣をつけ、糖質量を確認するようにしてください。
●チートデイは効果的か
チートデイとは、ダイエット中でも好きなものを食べる日のことを言います。チートデイの日だけは糖質制限を手放し、なんでも食べるというものです。
チートデイがストレス解消やモチベーションの維持に繋がり、ダイエットを長く続けるのに役立つ場合もあります。
「明日は飲み会なんだよね」「甘いものを我慢しすぎて、ストレスを感じてきたよ」というような時には、1日だけチートデイを作ってみるのも良いでしょう。
糖質制限のメリット
糖質制限のメリットは、脂肪がエネルギーとして使われて体重が減りやすい点です。
また、血液中のブドウ糖が増えすぎることがありませんので、血糖値の急な上昇を抑えられます。血糖値を下げるインスリンというホルモンには、取り込んだ糖から脂肪を合成する働きもあるのです。
糖質制限をすることで、インスリン(血糖値を下げるホルモン)の分泌も最小限で済み脂肪の合成もおさえられることが期待できます。
そして継続することでHbA1c(1〜2か月の血糖の平均値)を徐々に下げられるようになり、最終的には糖尿病の予防につながるのです。
(※) HbA1cは、血液中に糖がどの程度含まれているか、過去1~2ヶ月の血糖値の平均を示しています。
●デメリットや危険性について
糖質を減らした分、肉や油の多い食品を食べる頻度が多くなる傾向があるため、コレステロール値が上昇する可能性があります。
コレステロールは細胞膜やホルモンを作る材料ですのでなくてはならないものですが、増えすぎると動脈硬化のリスクが高まります。
肉は豚ならモモ肉やヒレ肉、鶏は胸肉やささみなど脂身の少ないものを選ぶようにしましょう。
また、糖質を極端に制限(120g以下)してしまうと、倦怠感や眠気といった低血糖に近いような症状が現れる可能性もありますので、制限のし過ぎには注意が必要です。
糖質制限ダイエットに適したメニュー&レシピ
それでは糖質制限ダイエットでは、具体的にどのようなメニューやレシピが良いのかお伝えしましょう。
最初に、糖質の多い食品と少ない食品をご紹介します。大まかに覚えておくと、食品を選ぶ時に役立ちますので便利です。
そして、糖質の多い主食をいかに減らすかが、糖質制限の最大のポイントです。そこで見た目も変わらず美味しく食べられる、カリフラワーご飯をご紹介します。
【作り方】
※米1合につき、カリフラワー300gを加えます
①米をとぐ。
②炊飯器に①の米と水を入れ(米1合なら水は1合の目盛りまで)、細かく刻んだカリフラワーを入れて炊く。
【一言メモ】
冷凍のカリフラワーを使っても、美味しく炊きあがります。
『えっ、カリフラワーご飯?』
と思われるかもしれませんが、実はとてもスグレモノ。
お茶碗1杯(150g)での糖質は約20g、大盛り1杯(200g)でも40g以下ですので、糖質を大幅にカットすることが出来ます。
時間がある時に多めに炊き、「作り置き」をしておきましょう。小分けして冷凍しておくと、食べたい時にすぐ食べられます。
それでは、カリフラワーご飯の活用例をあげていきますね。
●朝ごはん編
朝食はヨーグルトだけ…というあなた。朝から脳を動かすためにも、糖質は取り入れるようにしましょう。
そこでおすすめのカリフラワーご飯の活用例は、【味噌汁の組み合わせ】です。味噌汁には、野菜や豆腐をたっぷり入れましょう。
ボリュームのある朝食を食べたい場合は、豚汁もOKです。具たくさんの味噌汁は主菜の代わりにもなり、お腹もしっかり満たされます。
●ランチでのポイント
ランチタイムに何を食べるのか、一番悩むかもしれませんね。
そばやうどんは健康的なイメージがありますが、糖質は1人前(230g)あたり約60g含まれます。またパスタでは、1人前(100g)あたり70から90gの糖質量と多めです。
そこで、カリフラワーご飯を持参しおかずはスーパーなどのお惣菜、例えば焼き魚や海藻サラダを選ぶと、栄養バランスも整います。
●夜ご飯でのコツ
夕食では自宅で簡単に、カリフラワーご飯と鍋をセットにするとよいです。鶏肉やネギ、もやしや小松菜など入れた水炊きにすると、野菜もたっぷり食べられます。
ポイントはタレを別添えにすること。取り皿にスープと具を取り、ポン酢などお好きな調味料を加えて食べるようにすると、調味料の糖質も抑えることができます。
なお、お酒が飲みたい場合は糖質ゼロのものを選びましょう。
●おやつを食べたい時
小腹が空いた時に食べたくなるのが、おやつですよね。
お菓子やアイスなどの甘いものには糖質がたっぷり含まれていますので、糖質制限中は控えていただきたいのですが、どうしても食べたい時は糖質の少ないナッツ類がおすすめです。
またチョコレートが食べたくなったら、ハイカカオチョコレートにしましょう。商品によって違いはありますが、1個5gあたりの糖質は約0.6から1.6gと低めで安心です。
外食のときでも糖質制限をするコツ
外食や中食(持ち帰りや配達で、調理された食品を自宅で食べる食事の形)にも、ポイントがあります。
●ファミレスで食べるとき
まず、メイン料理から選びます。
グリルステーキやチキンを選ぶようにし、小麦粉やパン粉が使われている唐揚げやトンカツのような揚げ物は控えるようにすると、外食でも効率よく糖質を抑えることが可能です。
付け合わせのフライドポテトには糖質が多く含まれますので、ご飯の量を調整します。ライスはスモールライス(小盛り)を注文すると、ご飯での糖質を40g程度に抑えることができるでしょう。
まとめ
糖質制限では、糖質を適量摂ることが大切であることがお分かりいただけたと思います。
ポイントは以下です。
・1日の糖質は120gを目安にする
・肉や魚、大豆製品、卵や乳製品に含まれるたんぱく質をしっかり摂る
なお個人差はありますが、糖質制限ダイエットの効果は約1〜2週間後から見られることが多いことを知っておくと、焦らずゆっくり取り組むことが出来るでしょう。
そして、食事ではカリフラワーご飯を上手に活用し、ご飯の糖質量を効率的に減らすことをおすすめします。
以上、糖質制限についてご紹介しました。
当記事があなたの減量を始めるきっかけとなり、糖尿病の予防につながると嬉しいです。