実は普通じゃないかも?意外と知らない月経のあれこれ
2017/09/25
なかなか人には聞けない月経のこと。自分では普通だと思っていても、実は子宮の病気の症状であることもよくあるとか。意外と知らない月経のことを、産婦人科医で医学博士の宋美玄先生に教えてもらいました。
月経の周期、経血量の平均はどのくらい?
2004年の女性労働協会「働く女性の健康に関する実態調査」によると、全国2166人の女性労働者に聞いた結果は以下のとおりだったそうです。
・月経周期は25~38日
・月経期間は3~7日(平均は5日間)
・月経量は20~140ml
また、月経に困難を抱えているかたの割合も多く見られました。
・月経が困難で薬を飲んでも働けなくなる人2.8%
・月経は困難だが薬を飲めば働ける人28.6%
宋先生によると、つらい痛みがあっても市販の鎮痛剤でしのいで、受診していない人も多いとのこと。ある女性に至っては、経血量がかなり多く、月経時に毎回ボトムスを汚してしまうために、替えのボトムスを持ち歩くほどなのに「大変だけど仕方がない」と受診していなかったとか。月経は人と比べる機会はほとんどありませんし、ほぼ毎月のことなので、大変なことでも慣れてしまい「仕方がない」「受診するほどのことではない」と思ってしまいがちなのかもしれません。
ネット検索ばかりに頼らず、気軽に婦人科受診を
昔に比べて現代では、初潮年齢が低くなり、かつ出産年齢が高くなり、出産人数が減ることで、人生の中で月経がある期間が長くなっています。そのため、子宮内膜症や子宮がん、卵巣がんは明らかに増えているそうです。
何か気になる症状があると、ネットで検索して対策を知ろうとする人が多い今日このごろですが、「ネット検索ばかりに頼るのはヤバイです」と宋先生。発信元がはっきりしなかったり、医学的な裏付けがなかったりする情報も流れている可能性があるからです。近年は、体調の面だけでなく、イライラや落ち込みなどに対して、漢方、低用量ピルなど、治療の選択肢も増えているとのこと。気になることがあったら、できるだけ早く受診し、適切な治療を受けることが大切だそうです。
月に5日、年で60日と考えると、生活の中での月経期間は結構長いもの。不妊や病気の治療のためだけではなく、日常生活を少しでも快適に過ごすためにも、月経に対して敏感になり、自分の体を大事にしていきたいものですね。
取材協力:ホルモンケア推進プロジェクト 監修/宋美玄 取材・文/Y木(『サンキュ!』編集部)