キッチンで調理魅力的な日本人女性

「アク取り」が必要な理由とは?コツを知ればアク取りはもっと簡単に

2023/03/13

お鍋や煮物を作る際、アク取りが面倒だと感じている人は多いのではないでしょうか。じつはアクには効率のよい取り方があるのです。本記事ではアク取りをすべき理由から、アク取りのコツ、便利グッズまでくわしく解説していきます。アク取りをもっと簡単にしたいという人は、ぜひ参考にしてみてください。

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そもそも「アク」って何?アク取りしなかったらどうなる?

お鍋や煮物をする際、厄介なものでしかないアクは、漢字で書くと「灰汁」となります。「灰を水に溶かしてうわ澄みをすくった汁」に似ていることから、その漢字が当てられるようになりました。

アクと聞くと、すべて好ましくない成分である気がするかもしれませんが、そうとも限りません。

実は「食品中に含まれる不要で好ましくない成分の総称」であると同時に「食物に含まれているうま味成分」でもあるのです。そして、アクには「動物性のもの」と「植物性のもの」があり、植物性のものはさらに「無機物」と「有機物」に分類が可能です。

アクの種類と、含まれている主な成分

コピースペース付きフードデザインテンプレート。牛肉、サーモン、鶏肉、シーフードなどの主タンパク質、果物や野菜、チーズ、ナッツ、キノコ、上から撮影
Plateresca/gettyimages

⚫︎肉や魚といった動物性のアク

含まれる成分:水溶性たんぱく質、アミノ酸、脂質

⚫︎野菜や山菜(野草)など植物性のアク

・無機物(無害)

含まれる成分:カリウム、マグネシウム、カルシウム

・有機物(一部、有害なものもある)

含まれる成分:シュウ酸、ポリフェノール、配糖体、サポニン、チアミナーゼ、サイカシン、青酸

植物性のアクは、下茹でするなどしておくことでアク抜きし、動物性のアクは調理をしながら取っていくのが鉄則です。

アク取りをしなかったからといって、ただちに健康にとって深刻な被害をもたらす心配はありません。では、体に害がないのに、アク取りをしなければならない理由とは一体何なのでしょうか。

アク取りをすることのメリット・デメリット

●アク取りをするメリット
アク取りの目的は、食物に含まれる不快かつ不要な成分を取り除くことです。

第一の理由は味わいの損失。アクには独特の「えぐ味」「渋味」「苦味」「臭味」があります。さらには、料理の味をそこなうだけでなく、素材の変色までさせてしまうので、見栄えも味も悪くなってしまいます。

また、アクそのものがお鍋にへばりついたり、煮汁に溶け込んだりすると、料理のにごりや臭味の原因となりがちです。

アクをとることで、ポジティブに働く作用もあります。

脂肪分の多いアクを取っておくと、食事の総カロリーを低くする効果も期待できます。

さらに、熱によって食材が凝固したり、くっついたりするのを防いでくれる点においてもアク取りは重要な工程なのです。

●アク取りをするデメリット
ここまでみると、アク取りにはメリットしかないようにも思われますが、じつはデメリットもあります。

うま味成分であるアクを完全に取り除いてしまうと、栄養学上、大切な栄養素まで捨ててしまうことにつながるからです。とりわけ、アミノ酸やたんぱく質、ミネラルといった水に溶ける性質のあるうま味成分は、アク取りをすると失われてしまいます。

本来、肉や魚のアクは体にとって「悪(アク)」ではありません。したがって、アクは全部取りきってしまうのではなく、いかに上手にスープや煮汁の中に残せるかがポイントとなってくるのです。

では「うま味成分」を残しながらアク取りをするには、どうすればいいのでしょうか。

アク取りの基本的な手順とコツ

まずは、基本的なアク取りの手順をみていきましょう。

アク取りの基本的な手順

1.加熱後、鍋全体の温度が上がってきたところで強火にする
2.表面に浮かび上がってきたアクを一気にすくい取る
3.水を入れたボウルでおたまを洗い、アクを落とす作業を続ける(1回目)
4.もうひと煮立ちさせ、鍋が沸騰したら、再度アクを取る(2回目)
5.アク取りができたら、弱火~中火で加熱を続ける

面倒くさそうにみえるアク取りですが、コツさえつかめば目からウロコが落ちるほど簡単にできてしまいます。

アクが簡単に取れるコツ

・アクが出たら一気に取る/取る回数はなるべく減らす(2回を目指す)

料理をおいしく仕上げるには、なるべく手早くアクを取り除いていくのが肝心です。アク取りの回数をできるだけ減らし、アクだけを取るようにすると、うま味成分を残すことができます。

・基本はおたまや網じゃくしで、手前から押すように集め寄せて取る

アク取りは、おたまや網じゃくしで手前から押すように集め寄せて取るのが基本です。取ったアクが再びお鍋に戻らぬよう、水を入れたボウルでおたまを洗いながら作業してください。

・アク取りの秘密兵器「便利グッズ」を使う

アク取りの効率をよくする「便利グッズ」の使用はおすすめですが、食材を潰してしまったりするおそれもあるので、丁寧に行いたいですね。

アク取りにおすすめの便利グッズ

1.メッシュ型のおたま
「メッシュ型のおたま」は普通のおたまと違って、アクだけを取り除くことができ、うま味や栄養を残せます。

2.アルミホイル・落とし蓋
アルミホイルや落とし蓋は載せておくだけで自然にアクがくっついてくれるので、あえてアク取りしなくてもOKです。

4.アク取りシート・キッチンペーパー
アクが浮いてきたタイミングで煮汁やスープに載せるだけなので重宝します。

6.100円ショップで買える時短可能な便利グッズを使う
100円ショップには「アク取り専用のシリコーンのアク取り落とし蓋」など有能なアイテムが売っています。

結局「アク取り」はした方がいい?しなくてもいい?

繰り返しになりますが、アクには体によい栄養成分も含まれています。アクをすべて取り除いてしまう行為は、たんぱく質やアミノ酸、ミネラルなどを捨てることと同じです。

したがって、アクは神経質になって過剰に取りすぎるのではなく、適度に取るのが正解だと言えます。

この記事のここがミソ!

・アクを取る理由は、料理の「見栄え」や「味」をよくするため

・手順やコツを覚えて、栄養までとってしまうことに注意

・便利なグッズを使えば、さらに簡単に

一度、手順やコツさえつかんでしまえば、アク取りは手間なく簡単にできるようになります。その取り方は、おたまで一気に取る方法から、アルミホイルやキッチンペーパーなど便利グッズを使う方法まで、選択肢もさまざまです。

ぜひ本記事を参考に、自分に合った道具を選んで効率的なアク取りに挑戦してみてくださいね。

■教えてくれたのは・・・

東京かあさん

「東京かあさん」は、株式会社ぴんぴんころりが運営する育児・家事支援サービス。第2のお母さんとなって、 "おせっかいな”ご家庭サポートを提供中。働く女性や子育て中のママたちに役立つ情報やニュースをお届けするWEBメディア「ミソシル」も運営しています。


 
 

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