「クエン酸」を使ってお風呂掃除をしてみよう!色々な使い方もあわせて紹介
2022/10/15
重曹やクエン酸は安心安全で環境に優しく、掃除に便利な洗剤です。ただし、洗浄力は弱いのではないかなというイメージも持たれがち。今回は、クエン酸にスポットを当てて、お風呂での掃除活用方法をご紹介していきます。
お風呂の中にある石鹸カスや水垢汚れ。見て見ぬふりをついついしがちな汚れです。いざ、掃除してみても、簡単に汚れが取れずに諦めてしまったことがある方も多いはず。しかし、それは、汚れに対して使用している洗剤の成分が合っていない、または、掃除方法が間違っているのかもしれません。
ここでは、クエン酸がどのような汚れに対して、効果を発揮するのか、そして、どのような掃除方法であれば簡単に汚れが落とせるのかを紹介していきます。
クエン酸はアルカリ性の汚れに効く
お風呂には様々な汚れが混在しています。お風呂汚れの代表的なものの中に、石鹸カスや水垢があります。これらはアルカリ性の性質を持ちます。アルカリ性の汚れを中和させて落とすには、酸性洗剤が必要となります。そこで、人にも環境にも優しいクエン酸がおすすめです。
クエン酸は、柑橘系の元である酸です。この酸が、石鹸カスや水垢に効果があるだけでなく、トイレのアンモニア臭やたばこの臭い消しにも効果的です。ただし、酸が強いので、金属が錆びたりしてしまう可能性もありますので、使用後はしっかりと洗い流す必要があります。
クエン酸の使い方
クエン酸掃除と言っても、粉のまま使ったり、水に溶かして使ったりと、使い方は様々です。せっかく掃除するのであれば、クエン酸の効果をしっかりと発揮していきたいですよね。
アルカリ汚れを落とすことができますが、やはり掃除していく中で、クエン酸をどう使うかが重要なポイントです。ここでは、掃除場所を例に出しながら、クエン酸の効率的な使い方について順番にご紹介していきます。
汚れに直接つける
汚れが気になる箇所にクエン酸を粉のまま振りかけて掃除をする方法があります。その場合は、掃除箇所を適度に濡らしておくようにしましょう。粉のまま振りかけて掃除をするのに、おすすめの場所は、お風呂の床や浴槽の床です。クエン酸をかけ、スポンジで擦り洗いし、最後にしっかりとシャワーで洗い流しましょう。粉はしっかりと洗い流す必要があるので、洗い流せない場所で直接つけるのは避けましょう。
ペースト状にしたクエン酸を汚れに塗る
パッキンや細かな溝の汚れに、クエン酸スプレーをしても、液だれしてしまい、洗浄効果が発揮できません。液だれしそうな箇所は、クエン酸をペースト状にすることをおすすめします。まず、クエン酸と水を1:1の割合で混ぜます。掃除する範囲に必要な分量のクエン酸ペーストを作ります。このペーストをパッキンなどに塗り、約30分放置。放置後はスポンジやブラシで擦り洗いをし、最後にしっかりと洗い流して完了です。
クエン酸水を作ってスプレーする
粉のまま振りかけることができない掃除箇所は、クエン酸スプレーを活用しましょう。水100mlに対して、クエン酸小さじ2分の1を入れ、よく混ぜて溶かします。その後、スプレーボトルに入れて完成です。水垢の気になるお風呂の壁や浴槽の側面、鏡などに吹きかけて、スポンジで擦り洗いをします。汚れが頑固な時は、クエン酸スプレーを吹きかけ、その上からキッチンペーパーで覆い、またその上からラップをします。こうすることで、汚れにクエン酸を密着させます。20分~30分放置後に洗い流します。
クエン酸につけ置きする
お風呂の椅子、洗面器、シャワーヘッドなどの小物類に汚れがついてしまっている場合は、つけ置き洗いがおすすめです。浴槽にお湯を溜め、そこへクエン酸を1カップ程度入れます。よく混ぜ、クエン酸を溶かします。そして、浴槽内にシャワーヘッドや小物類をつけます。しっかりとつけ置きしたい場合は、一晩そのままにしておきましょう。翌朝、浴槽内のお湯を抜き、小物類を擦り洗いしましょう。スポンジやブラシを使うと、ふやけた汚れが取れやすくなります。
クエン酸水の作り方
クエン酸水の作り方は、とても簡単です。クエン酸、水、スプレーボトル、この3つがあれば、すぐに作ることができます。水100mlに対して、クエン酸を小さじ2分の1入れ、よくかき混ぜます。これをスプレーボトルに移し替えると、掃除がとても楽になります。作ったクエン酸スプレーは、2週間~3週間で使い切るようにしましょう。
クエン酸スプレーをそのまま、蛇口などに吹きかけ、スポンジやブラシで擦り洗いをしていきます。頑固な汚れには、つけ置きやキッチンペーパーとラップでのシップも効果的です。
クエン酸の濃度はいくつ?
お風呂掃除でクエン酸を使用する際は、濃度に気をつけましょう。濃度が濃いと、汚れも落ちやすくはなりますが、それだけ素材を傷めてしまいます。素材が傷むと、そこに汚れがつきやすく、またすぐに掃除をしないといけなくなるという悪循環が生まれます。
そうならない為にも、粉末のクエン酸は、3%くらいの濃度になるように水に溶かして使いましょう。どうしても汚れが落ちない時にだけ、5%くらいの濃度に上げて掃除をしてみて下さい。その際、最後にしっかりと洗い流すことをお忘れなく。
クエン酸は安心安全と言われていますが、濃度が5%にもなると、お酢と同じくらいの濃さになります。それだけ刺激が強くなりますので、十分注意が必要です。
クエン酸を使ったお風呂掃除
お風呂には、クエン酸を活用して取れる汚れがたくさんあります。お風呂の場所によっても、クエン酸の活用方法が異なってきますので、場所ごとに掃除方法を紹介していきます。その際に、気をつけなければいけないのが、素材にクエン酸を残留させないことです。クエン酸は酸性洗剤で、放置時間を長くしすぎてしまったりと、使用方法を間違えたりすると、酸焼け(薬品焼け)と言って、汚れがひどくなることもあります。
一度、酸焼けすると簡単には落とせなくなります。万が一、クエン酸の拭き取りや洗い流しが足らず、残留してしまうと、時間の経過とともに、酸焼けのリスクが高まります。使用方法に気をつけながら掃除に取り組んでみて下さい。
浴室床やドアの掃除
お風呂の床やドアは掃除をしても、乾いたら白っぽい汚れが浮き出てくることがあります。それは、石鹸カスや水垢が固まってできてしまった汚れです。汚れている箇所にクエン酸スプレーをし、ラップで覆います。乾かないうちにすばやくラップをし、放置します。
放置時間は汚れ具合にもよりますが、2時間~3時間程度で様子をみましょう。時間がきたら、ラップをはがし、クエン酸で緩んだ汚れをブラシやスポンジで擦り落とします。
最後はしっかりと洗い流して完了です。
ドア下のレールの掃除
お風呂ドア下のレールは、とても水が溜まりやすいので、水垢もできやすい場所になります。放置しすぎると、ガリガリの水垢になってしまいます。ドア下レールにクエン酸スプレーを吹きかけて、ラップをします。より、密着させたい場合は、クエン酸、キッチンペーパー、ラップの順で覆ってみて下さい。
ラップをした後は、2時間~3時間放置して、その後スポンジやブラシで擦り、洗い流します。ガリガリの水垢はヘラで擦ると取れやすいです。
レールを洗い流すとビシャビシャになってしまうようであれば、洗い流さずに、水拭き、乾拭きの順番で拭き取って下さい。
鏡の掃除
掃除の前に、まずお風呂の鏡が曇り止め加工されていないかチェックしてみて下さい。曇り止め加工されている場合は、クエン酸が使用できませんので、ご注意下さい。クエン酸スプレーを作り、クロスに吹きかけます。そのクロスで、水垢が気になる箇所を拭きます、そのままだと鏡にクエン酸が残留して素材を傷めるので、必ず水拭き、乾拭きの順番で拭き上げます。鏡の金属部分にクエン酸がつくと、錆の原因になりますので、ご注意下さい。
シャワーヘッドの掃除
シャワーヘッドは家族が泡のついた手で触るので、あっという間に石鹸カスなどがついてしまいます。シャワーヘッドもクエン酸で掃除が可能です。ぬるま湯1Lに対して、クエン酸大さじ1を洗面器に入れて、混ぜます。
シャワーヘッドを洗面器につけます。シャワーヘッド以外にも、水栓のパーツで取り外しが可能な箇所は、一緒につけ置きしましょう。
2時間~3時間つけ置き後に、ブラシで擦り、汚れを落とします。最後に、水でしっかり洗い流して下さい。
軽い拭き掃除
クエン酸水がついたクロスは、そのまま洗濯機に入れずに、再利用しましょう。そのクロスで、家中の蛇口を拭いてみて下さい。軽い水垢汚れであれば、するりと汚れが取れます。蛇口がピカッと輝くだけで、その場がとてもきれいになったように感じることができます。軽い汚れの状態でササッと拭く習慣をつけると、頑固な汚れに成長するのを防げます。頑固な汚れ程、掃除の時間と労力がかかります。そうならない為にも、軽い拭き掃除を習慣にしてみて下さい。
クエン酸が使えない素材に注意する
クエン酸は、安心安全と言われていますが、使えない素材もあります。使い方を間違えると、素材を傷めてしまう原因となります。炭酸カルシウムでできている大理石は、クエン酸により溶かされて、ツヤがなくなってしまうリスクがあります。また、アルミ製は、クエン酸を使用することで、黒ずみの原因になります。
クエン酸は酸性洗剤ですので、塩素系の洗剤と一緒に使うと、有毒なガスを発生させてしまいます。必ず同じタイミングで使用しないようにしましょう。
クエン酸も素手で使用すると、肌が荒れてしまいます。使用する際は、手袋やマスクをつけるように心がけて下さい。
クエン酸を味方につけてお風呂を綺麗にしよう
頑固な水垢になるとなかなか1回の掃除ではキレイにはなりません。しかし、何度も掃除を繰り返すことで、クエン酸の効果が表れてきます。根気強く続けてみて下さい。
頑固な汚れになる前に、軽い水垢がついている段階で、クロスにクエン酸水をつけて拭くという習慣をつけてみて下さい。軽い汚れであれば、時間や労力をかけなくてもきれいになります。
お風呂の中は、石鹸カスや水垢が溜まりやすい箇所です。石鹸カスは、カビの原因にもなります。水垢も放置しすぎると、ガリガリに固まってきます。ちょっとした汚れからお風呂全体の汚れに発展してしまいますので、クエン酸で清潔を保っていきましょう。
■執筆/坂田亜希…家の景色を変えるハウスクリーニング士。家事代行のサービス提供者として、日々の小さな心がけで汚れもイライラも溜まらないようなコツを発信。