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「お風呂の天井掃除」の正しい方法とは?カビが取れないときの対処法も解説

2022/10/19

お風呂の天井はあまり汚れてないように見えるので、こまめに掃除をする必要があるのかなと思っている方も多いのではないでしょうか?天井は高さもあり、広範囲でもあります。床や壁と違ってパッと目に入る箇所ではないので、意識を向けないとなかなか掃除をする機会もないと思います。
しかし、お風呂の天井こそ目に見えないカビ菌が数多く潜んでいます。そして、そのカビ菌を放置することで、お風呂内全体に悪影響を及ぼしてしまうことになり兼ねません。この記事では、お風呂の天井の正しい掃除方法やカビ予防についてご紹介していきます。効率よく、しかも確実にカビ対策ができるよう参考にしてみてください。

"家の景色を変える"ハウスクリーニング士。家事代行のサービス提供者として、日々の小さな心がけで汚れもイライラ...

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お風呂の天井は汚れやすい?

お風呂の天井は、浴槽や壁、床、排水口と異なり、こまめに掃除する箇所ではありません。しかし、シャワーをする際に、石鹸カスが飛んでいたり、水か散っていたりと、汚れは知らず知らずのうちに付着しています。また、お風呂内は、温度が高くカビの繁殖しやすい環境です。なかなか掃除をしない天井に、水分、汚れ、そして温度といった条件がそろえば、カビが発生します。水垢やカビ汚れを放置しすぎて、手遅れにならない為にも、定期的に天井掃除を意識していく必要があります。

お風呂の天井を掃除しないことのリスク

お風呂の天井にカビが発生し、放置してしまうと、思わぬリスクが生じます。目に見えないカビ菌が、お風呂内を汚し、健康にも害を生じさせます。まだ大丈夫かな?と安心してはいけません。長期間天井掃除をしていない場合は、すでにカビ菌が発生している可能性が高いです。まずは、どのようなリスクが生じてくるのかを理解しておきましょう。

カビの繁殖

お風呂の中は、湿気が籠りやすいです。浴槽にお湯をはったり、シャワーを浴びたりすると、天井に水滴がつきます。しかし、水滴がついたからと、わざわざ天井を拭く方も少ないと思います。水滴がついたまま放置してしまうと、カビ菌が繁殖しやすくなります。カビ菌は目に見えない為、なかなか汚れているという自覚を持ちにくく、掃除も後回しになりがちです。しばらく天井掃除をしていない場合は、カビ菌がついている可能性が大いにあります。

浴室に干した衣類へのカビ菌付着

最近は、お風呂に浴室乾燥機能がついているご家庭も多いと思います。早く洗濯物を乾燥させたいとき、天気が悪いときなど、浴室乾燥機を利用することも多々あるかと思います。しかし、天井にカビ菌が発生している状態で浴室乾燥機を使用すると、衣服にカビ菌が付着する可能性があります。目に見えないからこそ気をつけなければいけません。

健康への悪影響

お風呂は体を清潔にする場所です。しかし、カビ菌を放置していることが原因で、お風呂に入っているにも関わらず、健康に悪影響をもたらしてしまいます。天井に付着したカビ菌が下に舞い落ちる、浴室乾燥機を使用することで衣服にカビ菌がつくなど、これらのカビ菌を吸い込んでしまうことで、アレルギーを引き起こす可能性があります。特に、アレルギーをお持ちの方、小さいお子さんがいらっしゃる方、そしてご年配の方がいらっしゃるご家庭は気をつけて頂きたいです。

天井以外への繁殖

天井のカビを放置すると、せっかく掃除している床や壁にカビ菌が降り注ぎ、カビが繁殖しやすい環境になってしまいます。また、カビは胞子となって空気中を浮遊します。目に見えない為、まさか家の中をカビの胞子が舞っているなんて想像しにくいですよね。
花粉は目に見えず浮遊して、体内に入り込み、くしゃみや目のかゆみなどの症状を引き起こします。カビの胞子も同じです。お風呂で発生したカビの胞子が家中に移動し、湿気の多い、クローゼットや靴箱、またはベッドなどに付着し繁殖してしまいます。

お風呂を天井掃除するのに準備したい道具

お風呂の天井を掃除するのに、準備しておくべき道具をご紹介します。天井を掃除すると、頭上から水や洗剤が落ちてきて、体についてしまうリスクがあります。その為、衣服や目が汚れないように、レインコートとメガネ(ゴーグル推奨)が必要です。また、目に見えないカビ菌を吸わないようにマスクもつけましょう。

洗剤を直接触ると手荒れの原因にもなりますので、ゴム手袋を着用するといいでしょう。ゴム手袋は手首部分が長めのものがおすすめです。これらは、体の身を守るための道具になります。ほかに、浴室用洗剤やフロア用ワイパー、安定性のある足場を準備して、掃除に取りかかりましょう。

正しいお風呂の天井掃除方法

お風呂の天井は床や壁を掃除するのと違い、注意点がいくつかあります。

天井は、高さがあったり、頭上から洗剤が垂れてきたりするため、掃除方法を間違えるときちんとカビ菌が取れない可能性があります。また、垂れてきた洗剤が思いもよらない部分にかかってしまうという危険性も伴います。

まずは、必要な道具を準備し、手順をしっかりと把握することが大切です。順序よく掃除することで、万が一のリスクを避けることにつながります。

浴室を換気する

お風呂掃除をする際は、換気をしましょう。お風呂に窓がある場合は、開けます。窓がない場合は、換気扇を回しましょう。両方あって換気扇を稼働させるのであれば、循環の為に、窓は閉めましょう。目に見えないカビの胞子がお風呂の中に停滞してしまいます。

掃除中に停滞したカビの胞子を吸い込んでしまうというリスクも伴いますので、換気は忘れずに行いましょう。その際、換気扇にホコリが溜まっていると、換気機能が落ちてしまいます。換気扇にホコリが溜まっている場合は、まずホコリを取り除いてから換気扇を稼働させましょう。

ワイパーへのシート取り付けを行う

フロアワイパーにシートを取り付けます。シートはウェットタイプとドライタイプが販売されています。どちらのシートを取り付けても構いませんが、汚れの度合いによって使い分けるといいでしょう。

長期間掃除していなかったり、目に見えて天井が汚れている場合は、ウェットタイプをつけましょう。日々の清潔をキープする為の掃除の際は、ドライタイプでも大丈夫です。2種類のシートを上手に使い分けながら掃除してみてください。

浴室用洗剤をシートに含ませる

シートに浴室用の洗剤をつけます。シート全体に含ませるというよりかは、天井に触れる部分にだけ洗剤を含ませてください。含ませすぎると、掃除作業中に上からポタポタと滴り落ちてきてしまいます。そうすると、目に入ったり、衣服についたりするので洗剤の量には、十分注意しましょう。

天井をワイパーで拭く

天井にワイパーの裏側を密着させて拭いていきます。まずは、天井全体をまんべんなく拭いていきます。全体を拭き終わった後は、特に汚れが気になる部分を念入りに拭いていきます。

ガンコな汚れは、ワイパーにつけているシートにもう一度洗剤を含ませ、再度念入りに拭いていくと、汚れが落ちやすくなっていきます。

台を使って天井を掃除する際、お風呂のイスの利用はやめましょう。お風呂のイスは、座る為に作られていますので、安定性にかけます。ケガのリスクにもなるため、足場の安定している台を使用するようにしてください。

シャワーで天井の洗剤を洗い流す

ワイパーを使って、天井を拭き終わったら、次に洗剤を洗い流します。天井に向かってシャワーをかけ、しっかりと洗剤を流します。特に注意が必要なのが、天井の四隅です。四隅に入り込んだ洗剤は流しきれていないこともありますので、足場の安定している台に立ち、四隅を触り、ぬるつきが残っていないかチェックしましょう。洗い流しが不十分で、洗剤が残留してしまうと、そこがまた汚れの原因になってしまいますので、気をつけましょう。

新しいドライシートをワイパーに取り付ける

次に、洗い流した天井の水分をワイパーで取り除いていきます。その際、ワイパーにつけるシートがウェットタイプだと、水分を十分に拭き取れません。必ず、ドライシートを取り付けてください。シートと同じくらいの大きさのマイクロファイバークロスを取り付けるのもおすすめです。マイクロファイバークロスは吸水性に長けており、洗えば繰り返し使えますので、エコにも繋がります。

天井の水分の拭き取りを行う

天井の拭き取りをする際は、水分が取れればいいやとやみくもに拭かないようにしましょう。拭きムラが出て、拭き残しが発生してしまいます。端から一直線に拭いていくようにしましょう。つけていたドライシートやマイクロファイバークロスが湿ってきて、十分に吸水してくれなくなった場合は、こまめに交換するようにしましょう。

一度、端から端まで水分を拭き取った後に、新たなドライシートかマイクロファイバークロスをつけ、再度乾拭きをするとより仕上がりがきれいになります。

消毒用アルコールで仕上げる

天井掃除が一通り終わった最後に、消毒用のアルコールスプレーを天井全体に吹きかけましょう。噴霧したアルコールが目や口に入ってもいけませんので、ワイパーにつけたドライシートにアルコールスプレーを吹きかけ、端から一直線に拭いていきます。

アルコールは揮発性がありますので、ドライシートにこまめにスプレーしなおしてください。アルコールで除菌することで、カビを予防することができます。

モルタル製のお風呂の天井掃除方法

お風呂の天井がモルタル製の場合は、表面がザラザラしています。その場合、ドライシートに洗剤を含ませて掃除をしても、十分に洗剤が浸透しない可能性があります。

凹凸がある天井はワイパーでなく、柄付きスポンジを使用するのがおすすめです。スポンジに洗剤を含ませ、天井に軽く押し付けていきます。ザラザラして隙間の多いモルタル製の天井にも洗剤が行き渡らせやすくなります。

同じ天井掃除でも、素材や形状によって使う道具も異なります。柄付きスポンジは天井掃除だけでなく、浴槽を磨くのにも便利です。腰を曲げなくても、浴槽を磨けるので、いろいろ活用できるアイテムです。

お風呂の天井に付いているカビが取れないときの対処法

掃除で利用する洗剤は、基本的に安全性の高い中性洗剤を使用します。しかし、放置しすぎてしまったカビは、中性洗剤では落としきれない可能性があります。

落としきれないカビは、塩素系の洗剤を使用して対処を行います。先ほどの注意点でお話したように、天井に洗剤をつけると洗剤が垂れて、体についてしまうリスクがあります。特に塩素系の洗剤は、目に入ると大変危険です。その為、洗剤が垂れてこないように細心の注意が必要になってきます。

塩素系の洗剤を片栗粉と混ぜペースト状にする、ジェルタイプの洗剤を使用するなど垂れにくくするための対策を行いましょう。また、塩素系洗剤を使用した場合も、入念に洗い流し、天井に残留しないように気をつけましょう。

お風呂の天井のカビを普段から予防する方法

お風呂の天井掃除をした後は、しっかりとカビ予防していくことが大事です。目に見えない菌だからこそ、こまめに掃除をしないと、お風呂内に常にカビ菌が停滞している状態になってしまいます。健康を害する可能性もありますので、予防にも意識を向けていきましょう。予防といっても、難しいことはありません。今日からスタートできることばかりですので、ぜひ参考にしてみてください。

熱湯を定期的にかける

カビはお湯に弱いです。50℃以上のお湯で死滅させることができます。1週間に1回を目安にお湯をかけることでカビ予防となります。50℃以上のお湯を一部分につき、90秒以上かけ続けてください。表面だけでなく、タイルの奥に根づいているカビにも効果があります。カビを死滅させ、そして、再発防止にも繋がりますので、定期的に行いましょう。ただし、カビを死滅させることができても、パッキンなどがカビで黒くなっている箇所はそのまま色は残ります。黒さを薄くしたい場合は、漂白洗剤を使ってみてしたさい。

換気をこまめに行う

カビ予防に欠かせないのが、換気です。24時間換気設備が備わっている場合は、常時稼働させるようにしてみてください。お風呂のカビの原因のひとつに湿気があります。湿気を取り除く為に、お風呂の窓を開けたり、換気をしたりと対策してみてください。

ただし、窓を開けたまま換気扇を使用すると、窓周辺しか換気されません。お風呂全体の湿気を取ることができないので、換気扇を回す場合は窓を閉めましょう。

浴槽内の水分を拭き取る

カビの発生要因のひとつに水分があります。お風呂からあがる際に、まずは水切りワイパー(スクイジー)で浴室内の水分をきります。その後、残っている水滴をタオルで拭き取ります。体を拭き終わったバスタオルでササッと拭き、そのまま洗濯機で洗うと洗濯物も増えません。換気扇を回したとしても、水分がなくなるまで時間がかかりますので、水分を拭き取る習慣をつけていきましょう。

お風呂の天井の掃除方法を正しく行いましょう

お風呂の天井掃除は、ついつい後回しになってしまいがちな場所です。しかし、目に見えないカビ菌が潜んでいる可能性があります。いくらお風呂の床や壁などのカビ対策をしても、天井からカビ菌が降ってくれば、すぐにお風呂内にカビが繁殖してしまいます。

天井は高さがあるので、拭きにくく、掃除しにくいと思いがちですが、ワイパーや柄付きスポンジを活用しながら掃除習慣をつけてみてくださいね。

■執筆/坂田亜希…家の景色を変えるハウスクリーニング士。家事代行のサービス提供者として、日々の小さな心がけで汚れもイライラも溜まらないようなコツを発信。

 
 

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