暖かくなってくると水まわりのお掃除がラクになりますね。水まわりの掃除の代表といえばお風呂場。ついつい何気なく掃除をしているかもしれませんが、長年ハウスクリーニングの仕事に従事している掃除のプロである土井恵子さんは、一般の人が間違えやすいお風呂掃除のNG行為がいくつかあると言います。今回は正しいお風呂掃除の手順を教えてもらいました。

いきなりバスタブから洗い始めるのはNG
さて、問題です。お風呂場の掃除でいちばん最初にやるべきことはなんでしょうか?答えは、換気をすることだそうです。
「ハウスクリーニングのプロでもうっかり換気を忘れて掃除にかかることがありますが、これは熱中症になったりする危険もあるので、気をつけてください」と土井さんは言います。
お風呂掃除の最初はまず換気をすることを忘れないようにしましょう。
「次にするのは天井の掃除です。お風呂場の掃除というとまずバスタブの掃除から始めるかたも多いかもしれませんが、これはNGです」とのこと。
お風呂場に限らず掃除の基本は上から下なので、まずは天井の掃除をして、壁、バスタブ、床、排水溝という上から下への順番になります。
素手でゴシゴシこするのはNG
「掃除全般に言えることですが、素手で掃除をするのは危険です。必ずゴム手袋をし、マスクをつけましょう」と土井さん。
さらに、こう指摘します。
「カビや水アカを落とそうとしてゴシゴシこするのは、かえって逆効果です」
えっ、ダメですか。よくやりますよ。
「ゴムパッキンなどのカビをこすると、かえってカビが中に入り込んでしまいますし、デリケートな素材の場合もあり、壊してしまうこともあるんです」
ならば、どうすればいいのでしょうか。
「こすらずに、カビ取り剤などを使って落としましょう。ただし、カビ取り剤と酸性洗剤を混ぜると有毒ガスが発生するのため、注意が必要です。」
“混ぜるな危険”ですね。
いちばんのNGは…掃除後にそのままにしておくこと
「いちばんよくないのは、掃除をしたらそのままにしておくことです。つまり水分を残してしまうのがいちばんのNGです」と土井さんは言います。水分を残すとそれが汚れになるためにしっかり乾燥させましょう。
「スクイジーというT字の水切りを使うと便利です。これは100円ショップでも売っているので、ぜひ使いましょう」
また。吸水性の高いクロスなどを使って、水分を拭き取りましょう。さらに掃除に使ったスポンジなどもそのままにせず、しっかりしぼって、水分を出しておきましょう。
「最後は換気扇を30分~1時間ほどして、乾燥させます」
ここまでがお風呂掃除のワンセットということですね。
まとめ
お風呂場の掃除は実は危険がいっぱいです。とくに別々の洗剤をいっしょに使うことはやめましょう。また、ゴム手袋とマスクはお風呂場の掃除に限らず、かならず装着してから掃除をしましょう。
最後に土井さんがお風呂場掃除のいちばんのポイントを教えてくれました。
「お風呂の掃除がいちばんはかどるのは、じつはお風呂を使った直後です。お風呂場全体の温度が高いので汚れも落ちやすいので、お風呂を使ったあと掃除をしましょう」とのこと。やはり日々少しずつ掃除をすることが大切なんですね。
◆教えてくれたのは・・・土井恵子さん
アパートやマンションの原状回復工事、在宅ハウスクリーニングを請け負う会社に長年勤務したのち独立。現在はフリーでハウスクリーニングの業務に携わっている。
◆監修・文/増田剛己
WEBや雑誌などで散歩関係の記事を書いているフリーライター。主な著書に『歩考力』(ナショナル出版)、『思考・発想にパソコンを使うな』(幻冬舎新書)などがある。