「鮭(しゃけ)」の冷凍方法は?上手な保存のコツやおいしい活用レシピを紹介
2022/11/01
食卓やお弁当の主役に大活躍の鮭は冷凍できることをご存知でしょうか。この記事では、鮭のおいしさを保つ冷凍保存のコツとおいしく食べるための解凍方法を紹介しています。時間のないときや、おかずが足りないときなどに冷凍鮭を活用しましょう。
鮭を冷凍して長期保存しよう
鮭は主菜として食卓に多く登場し、お弁当のおかずにも、存在感のある脇役にもなる万能選手です。鮭単品だけでも十分にメインになり、そのアレンジ方法はたくさんあります。
大人からも子どもからも人気があり、骨が取りやすく食べやすい鮭を気軽に使えるようにするには冷凍保存するのがおすすめです。せっかく冷凍保存するのであれば、正しい方法でおいしさを保てるように冷凍しましょう。
上手に鮭を冷凍するには
鮭のおいしさを保ったまま、上手に冷凍するには押さえておきたいポイントがいくつかあります。
買ってきたまま冷凍庫に入れるよりか、少し手間はかかってしまいますが、きちんと準備しておくことで、買ったときのおいしさで食べられるのは大きなメリットではないでしょうか。
少しの手間をかけるだけでパサパサしたり、風味が変化したりするのを防げます。ぜひ、正しい方法をマスターしましょう。
下処理をする
しっかりと下処理しておき、生臭さの元となるドリップを防ぎましょう。
まず、生の鮭に塩と少量のお酒を全体にふりかけます。こうすることで鮭から染み出るドリップが出るのを防げます。
焼いてある鮭も、解凍して食べるときにふっくらさせるために、冷めてしまう前に少量のお酒をふっておきましょう。塩鮭はすでに塩で味つけされているため、そのまま冷凍できます。
キッチンペーパーで水分を吸収する
塩と酒をふることで出てくる水分はキッチンペーパーでふきとっておきましょう。
この水分には臭みの元となる成分が入っているため、とっておかないと生臭くなったり、霜がついてしまったりしてしまいます。キッチンペーパーなどでしっかりと水気をふきとってから次の工程に移りましょう。
生鮭は特にしっかりと水分をふきとっておかないと生臭さが残ってしまうため、注意してください。
個別に食品用ラップで包む
鮭を冷凍するときは全部まとめて冷凍せずに、1切れ分などの使いやすい適当な量に分けておきましょう。
まとめて冷凍してしまうと取り出すときに身が崩れてしまったり、必要以上の量を解凍することになったりせずに済みます。
水分をふきとった鮭は食品用ラップで隙間がないようにぴったりと包んでください。包み方が甘いと隙間から空気が入ってしまい、鮭が劣化してしまいます。
生鮭の冷凍・解凍方法
生鮭を最後までおいしく食べるには正しい方法で冷凍と解凍することが大切です。
冷凍する前の下処理の方法は手間がかかって面倒に感じる方もいるでしょうが、このひと手間で解凍して食べたときの香りや食感が変わってきます。
また、解凍するときも様々な状況に合わせて方法を変えれば、おいしさを保った状態で食べられます。
生鮭の冷凍と解凍の正しい方法を詳しく紹介します。
冷凍方法
生鮭を冷凍するときは、ドリップが出ないように下処理をきちんとしておくことが大切です。
生鮭は購入後すぐ、塩と酒で下処理しておいてから冷凍すれば、ドリップが出にくく生臭さを抑えられます。下処理のための塩と酒はたくさん振りかけず、全体につく程度の量にしておきましょう。
解凍後に調理したときにおいしく食べるためには、この手間を惜しまないようにしましょう。
1:塩と酒をまぶして10分ほどねかす
生鮭を冷凍する前に生臭さを取る処理をしましょう。
バットに生鮭を重ならないように並べておき、少量の塩と酒をふりかけます。そのまま、10分ほどねかすと表面から水分が出てきます。この処理をすることで解凍したときに生臭さを感じることを減らせるため、手間を惜しまずにやっておきたい処理です。
あまり塩をたくさん振りすぎると塩辛くなってしまうため、全体にまんべんなくかかる量を意識して、少しずつ振りかけましょう。
2:キッチンペーパーで水分をふきとる
塩と酒を振ってねかせた鮭から水分が出てくるため、キッチンペーパーで水分をふきとります。
ここで水分が残ったまま冷凍してしまうと、鮭に霜がついてしまいます。出てきた水分には、生臭さの原因も含まれているため、しっかりとふきとり、生臭さも一緒に冷凍してしまわないようにしましょう。
キッチンペーパーでふきとるときはゴシゴシこすらず、優しく押さえるようにふきとりましょう。
3:食品用ラップで個別包装し、ジッパーつきの保存袋に入れて冷凍する
生鮭を冷凍するときは固めて冷凍せず、1切れずつ食品用ラップで包んでからジッパーつきの保存袋に入れて、冷凍庫に入れます。
保存袋に入れるときは、重ねて入れずに平たくなるように並べて入れましょう。冷凍保存するときのコツは空気に触れさせないことと、雑菌の繁殖を減らすために素早く冷凍することです。
保存袋は金属製のバットの上において冷凍庫に入れ、なるべく早く中まで冷凍されるようにしましょう。
解凍方法
冷凍した生鮭を解凍するときは、冷蔵庫で解凍する方法と電子レンジで解凍する方法の2つがあります。
どちらにもメリットとデメリットがあります。急いでいるときや生鮭全体を同じように解凍したいときなど、状況にあわせて使い分けましょう。
1:冷蔵庫で解凍する
冷蔵庫で生鮭を解凍するときは、冷蔵庫に1時間半ほどおいて、半解凍された状態になったら調理しましょう。
冷蔵庫の中において解凍する方法は、鮭のサイズが大きいとその分、解凍するのに時間がかかってしまいます。
時間がないときや、すぐに調理を始めたいときには向いていない解凍方法ですが、事前にレシピが決まっている場合などであれば、時間に余裕があるため、すぐに冷蔵庫に移動させておきましょう。
2:電子レンジで解凍する
電子レンジで生鮭を解凍するときは、1切れあたり200Wで約1分、加熱して半解凍してください。
解凍できていない場合は加熱ムラが出ないように全体を確認し、向きを変えながら追加で加熱しましょう。
半解凍になった生鮭は、生のままの鮭を調理するときより、火力を弱め、加熱する時間を長めにして加熱するようにしてください。
塩鮭の冷凍保存方法
塩鮭はすでに塩で味つけされていることもあり、下処理不要で冷凍できます。
生であっても冷凍・解凍方法は生鮭とは少し違う点もあります。冷凍庫に塩鮭があれば、すぐにメインの1皿となるため、冷凍と解凍方法のコツを覚えておきましょう。
冷凍方法
塩鮭を冷凍するときは、キッチンペーパーで水分をふきとっておきましょう。
水分をふきとったら、食品用ラップで個別包装してから、重ならないようにジッパーつきの保存袋に入れて、中の空気を抜いてからジッパーを閉じます。保存袋は金属製バットに乗せて冷凍することで、素早く中まで冷凍できます。
正しい方法で冷凍した場合、保存できる期間は3~4週間程度です。
解凍方法
塩鮭の解凍方法はとても簡単です。
冷凍庫から出したら、そのまま魚焼きグリルやフライパンに入れて弱火~中火で片面8分程度ずつ焼けば完成です。
冷蔵庫や電子レンジで解凍しなくてもそのまま加熱できるため、とても簡単です。時間がないときや、お弁当のおかずとしても大活躍してくれます。いざというときのために冷凍庫に入れておいてはいかがでしょうか。
焼き鮭の冷凍保存方法
すでに火が通っている焼き鮭を冷凍する場合は、酒をふってから冷凍しましょう。
酒をふってから冷凍すると、解凍後にふっくらとします。解凍してから焼くために加熱する必要がないため、硬くなりがちですが、下処理をしておくことで焼かなくてもおいしく食べられます。
焼き鮭の冷凍方法と解凍方法のコツを覚えておきましょう。
冷凍方法
焼き鮭を冷凍する場合は、焼きたての温かい状態で酒をふり、粗熱を取ってから密閉しましょう。
酒を振った焼き鮭は冷めてから、食品用ラップでぴったりと個別包装して、ジッパーつきの保存袋に入れます。鮭が空気に触れないように保存袋の中の空気を抜いてからジッパーを閉じてください。
保存袋は金属製バットに乗せて冷凍しましょう。
解凍方法
焼き鮭を解凍する場合は、電子レンジで解凍しましょう。
冷凍するために包んでいた食品用ラップを外してから耐熱皿に乗せ、新しい食品用ラップをふんわりとかけて電子レンジに入れます。
1切れあたり500W、1分15秒ほどで加熱できます。冷たい部分があるときは様子を確認しながら再加熱しましょう。
冷凍する前にふりかけた酒でふっくらと解凍できます。
下味をつけて冷凍する方法
鮭を冷凍するときに、下味をつけてから冷凍することで忙しいときでも、バリエーションが広がります。
調味料と一緒に冷凍されているため、解凍したら加熱調理するだけで1品が仕上がります。節約できた時間でつけ合わせやおかずに取りかかるのもおすすめです。
鮭を買ったら、何種類か下味のバリエーションをつけて保存しておくととても便利です。種類を変えるときはわかりやすいようにジッパーつきの保存袋に書いておくとよいでしょう。
下味をつけて冷凍した鮭の保存期間は、3~4週間ほどです。
照り焼き
めんつゆで簡単に鮭の照り焼きを作りましょう。
冷凍した鮭は、加熱調理する前に半解凍にしておき、鮭とつけ汁を分けておくことがポイントです。味つけがとても簡単で、取りかかりやすいレシピです。
つけ汁は焦げつきやすいため、鮭を焼くときやタレを煮詰めるときは焦げないように注意しましょう。
味つけ・冷凍方法
照り焼きは、めんつゆを入れるだけで冷凍できる簡単レシピです。
さきに生鮭に塩と酒をふって10分おいてから、キッチンペーパーで水分をふきとり、ジッパーつきの保存袋にめんつゆと鮭を入れます。保存袋の空気を抜いてから、ジッパーを閉じ、金属製バットに袋をねかせるようにしておいておきましょう。
保存袋の空気を抜くことでつけ汁が生鮭全体に行き渡り、味がつきます。
解凍・調理方法
冷凍した鮭の照り焼きは冷蔵庫で1時間半ほど半解凍するか、電子レンジで1切れあたり200W、1分30秒ほど解凍してから焼きましょう。
解凍できたら鮭とつけ汁に分け、鮭を中火で焼きます。このとき、ししとうなどのつけ合わせにできる野菜を一緒に焼いておくと野菜もとれ、彩りも良くなるため、おすすめです。
鮭が焼けたらつけ汁を入れ、照りが出るように煮詰めます。煮詰めるときにつけ汁をスプーンなどで鮭にかけましょう。
ムニエル
塩コショウで簡単に下味をつけてから冷凍し、焼く前に小麦粉をまぶせば、ムニエルが作れます。
下味をつけるときに小麦粉をつけるとべちゃっとした仕上がりになってしまうため、焼く直前に小麦粉をまぶしましょう。
バターの香りとパリッとした食感のムニエルが楽しめる冷凍方法です。つけ合わせに温野菜やゆで卵を使ったソースなどを合わせて食べましょう。
味つけ・冷凍方法
生鮭に塩と酒をふってから10分おき、水分をふきとってから塩・粗挽き黒こしょうで味つけをして冷凍します。
下味をつけてから食品用ラップで個別に包装し、金属製バットに袋をねかせて冷凍しましょう。下処理のときに塩をふっていますが、味つけの塩とは別のため、しっかりと味つけとして塩をふっておきます。
粗びき胡椒のピリッとした香りが楽しめる味つけです。
解凍・調理方法
ムニエルの下味をつけた鮭は冷蔵庫で半解凍するか、電子レンジで半解凍してから小麦粉をまぶして焼きましょう。
冷蔵庫で半解凍する場合は1時間半ほど、電子レンジの場合は1切れあたり200W、1分30秒ほどで半解凍できます。解凍したときに出た水分はキッチンペーパーでしっかりふきとり、小麦粉をまぶしてから、バターでこんがりと焼きましょう。
レモンやバターを添えれば、ムニエルの完成です。
みそマヨ
最後に、下味をつけて冷凍すれば、凍ったまま電子レンジで調理できる鮭のみそマヨを紹介します。
みそとマヨネーズの味つけは、食卓のメインだけでなく、お弁当のおかずにもおすすめです。濃いめの味つけは冷めても食べ応えがあり、忙しい朝でも電子レンジでささっと調理すればお弁当に入れられるため、とても便利なレシピではないでしょうか。
野菜も電子レンジで加熱すればみそマヨソースと合う副菜になります。
味つけ・冷凍方法
こしょうをふった生鮭とみそ、マヨネーズをジッパーつきの保存袋に入れて冷凍しましょう。
生鮭は塩と酒をして10分おき、水分をふきとっておきます。空気を抜いたジッパーつきの保存袋に入れ、金属製バットにねかせて冷凍してください。
鮭と同時に調味料を入れるとうまく混ざらないことがあるため、みそとマヨネーズは先に保存袋に入れ、しっかり混ぜておきましょう。
解凍・調理方法
冷凍した鮭のみそマヨはとても簡単に調理できます。
凍ったまま袋から取り出し、野菜と一緒に耐熱皿に盛りつけて、食品用ラップをふんわりとかけます。電子レンジで500W、約7分で加熱すれば完成です。
一緒に加熱する野菜はキャベツやパプリカなどがおすすめです。子どもが好きなコーンや、季節の野菜や彩りが鮮やかな野菜などでもよいでしょう。
冷凍した鮭をうまく活用しよう!
鮭は食卓のメインやほぐして副菜に、和食でも洋食でも使いやすい食材です。
献立を立て、下味にバリエーションをつけて冷凍しておけば、料理するときに時短になります。また、お弁当の隙間を埋めたいときなどでも、シンプルに焼くだけで十分に主役になります。
おいしさを保つ冷凍保存のコツを押さえて、上手に活用しましょう。