「鯖(さば)」は冷凍保存が便利!上手においしく保存するためのテクニックを紹介
2022/12/15
鯖は冷凍保存が向いている食材です。鯖は傷みやすい魚であり、冷蔵でも日持ちさせられません。冷凍しておけば、保存期間が長くなるだけでなく、調理の下準備を兼ねることもできます。本記事では鯖をおいしく保てる冷凍保存方法について紹介しているので、活用してみましょう。
鯖は買った当日に食べないのであれば冷凍するのがおすすめ
鮮度のいい鯖を購入でき、どのように調理しようかと決めかねているのなら、まず冷凍保存しておきましょう。「今日はもう時間がないから、明日味噌煮を作るつもり」というときでも、冷蔵ではなく冷凍で保存しておくことをおすすめします。
鯖は魚のなかでも特に早く傷みやすく、傷んだ鯖を食べると食中毒を起こす危険性もあります。鯖は購入したその日に食べ切る場合は冷蔵保存でも構いませんが、翌日以降に食べる予定の場合は、冷凍で保存しましょう。
鯖をおいしく冷凍保存する方法は大きく分けて2つ
鯖の冷凍方法は大きく分けると、購入してきた生の状態のまま冷凍する方法と、ある程度調理し下味を付けた状態で冷凍する方法があります。鯖をおいしく冷凍保存しておきたい場合は、これら2つの方法のどちらかを選択することになります。
鯖の用途にあわせて、2つの方法のどちらかを選択して冷凍保存しましょう。ここでは、2つの冷凍方法の手順を紹介していきます。
生のまま冷凍する方法
まず、生のまま冷凍する方法について手順を見ていきましょう。「生のまま」ということで、購入してきた鯖をそのまま冷凍庫に入れてもよいと考えるのは早計です。
パックのまま冷凍すると乾燥や酸化してしまう可能性があります。生のまま冷凍保存するといっても、いったんパックから取り出して、簡単に処理してから冷凍保存しましょう。
購入したその日に食べ切るのでない限り、鯖の臭みを除いて冷凍保存するよう心がけます。1匹丸ごとの場合は、頭や内臓から傷みやすいため、まず切り身の状態にしておきましょう。
1: 切り身に塩を振ってしばらく置いておく
切り身の状態の鯖に塩を少々振ります。塩を振ると鯖から水分がしみ出てきますが、この水分が生臭さの元になるため、皿よりもバットのように水分を鯖と分離できる入れ物に鯖を並べて、塩を振るようにしましょう。
塩を振ったあとは、冷蔵庫に入れて10分ほど置いておきます。
2: 水分を拭き取る
塩を振ってしばらく放置しておいた鯖を冷蔵庫から取り出したら、ペーパータオルやふきんを使って鯖についている水分を拭き取ります。水分が生臭さの原因になるため、丁寧に拭き取ってください。
3:一切れずつラップに包む
鯖は切り身ごとに食品用ラップで包んで冷凍します。ラップに包むときは、できるだけ切り身とラップの間に空気が残らないようにぴったり包みましょう。鯖が空気に触れなければ、乾燥による劣化を防げます。
また、切り身1つずつを包むことで冷凍により魚同士がくっついてしまうことを避けられ、簡単に使いたい量を取り出せるので便利です。
味噌煮のように煮魚にする場合は、ラップに包む前に鯖の皮側に×形の切り込みを入れておくと使用時の手間を省けます。
4:冷凍用保存袋に入れ冷凍庫へ
食品用ラップで切り身1つずつ包んだあとは、まとめて冷凍用のジッパー付き保存袋に入れて冷凍しましょう。保存袋に入れたあとも、空気は極力抜いておきましょう。
保存袋をなるべく平らにし、金属製のバットに乗せて冷凍庫に保管すれば、急速冷凍でき、鮮度も保ちやすくなります。
下味を付けてから冷凍する方法
鯖に下味を付けてから冷凍する方法では、冷凍という保存工程も下味を染み渡らせる調理工程として活用できるので、味噌煮や竜田揚げをするときにおすすめです。
鯖に下味を付けてから冷凍すると、臭みも出にくくなり、味も全体的に染み込んでくれるので、調理したときにおいしく仕上がります。
ここでは、鯖に下味を付けてから冷凍する方法の手順を紹介していきましょう。
1: 鯖の切り身を冷凍用の保存袋に入れる
下味が染み込みやすいように鯖の皮面に十文字の切り込みを入れておきましょう。鯖の水分をしっかりと拭き取り、冷凍用のジッパー付き保存袋に入れます。保存袋には鯖の切り身を入れすぎず、平らに保存できる程度の枚数を入れてください。
2:保存袋に調味料を加える
鯖を入れたジッパー付き保存袋に、味噌煮や竜田揚げなどの調味料を入れます。保存袋のジッパーを締め、鯖の身が崩れない程度に袋の外からもみ込んでおけば、下味が全体にまんべんなく染み渡りやすくなります。
3:空気を抜いて袋の口を閉じ冷凍庫へ
冷凍用のジッパー付き保存袋からできるだけ空気を抜きましょう。下味用のたれをこぼさないように注意して空気を抜いてください。劣化を防ぐために空気はできるだけ抜くように心がけましょう。
また、空気を抜きながら、保存用袋ができるだけ平らになるように鯖の配置も調整してください。保存用袋を金属用バットに平らに乗せたうえで冷凍庫に入れることで、急速に冷凍され鮮度を保てます。
鯖の解凍方法
冷凍した鯖は、生のまま冷凍した場合も、下味を付けてから冷凍した場合も、解凍なしで直接加熱調理できます。
しかし、直接加熱調理せずに解凍してから調理する場合には、冷凍した方法によって解凍方法も異なる場合があるので、それぞれの解凍方法についても知っておきましょう。ここでは、鯖の冷凍方法に応じた解凍方法を紹介していきます。
生のまま冷凍した場合
- 冷蔵庫解凍
- 氷水解凍
- 電子レンジ解凍
生のまま冷凍している場合、どのような料理に鯖を使うかによって解凍の仕方も異なります。塩焼きや味噌煮などは、事前解凍せずに加熱調理しながら解凍しましょう。
竜田揚げや南蛮漬けなどの下味を付ける必要がある料理では、事前解凍が必要です。鯖は傷みやすい食材なので、常温解凍は避けましょう。おすすめは冷蔵庫に移して自然解凍する方法ですが、解凍に半日程度必要です。
冷蔵庫解凍する時間がないという場合は、氷水解凍をしましょう。ボウルに氷水を張って、冷凍した鯖を保存袋ごとつけておけば、外気温にもよりますが1~3時間程度で解凍できます。
解凍にかける時間がない場合は、電子レンジで解凍しましょう。半解凍状態にしておけば調理を進められます。
下味を付けてから冷凍した場合
下味を付けてから冷凍した鯖は、調味料と一緒に加熱調理しながら解凍できます。竜田揚げのように、下味を付けたあとにさらに加工が必要な場合は、生のまま冷凍した場合と同じ方法で解凍してから調理しましょう。
冷凍鯖の保存期間は?
鯖を生のまま冷凍した場合の保存可能期間は2~3週間程度です。下味を付けてから冷凍した場合は3~4週間程度を目安に保存しましょう。
下味を付けておいた方が長期間保存でき、解凍せずに調理できて便利に使えるので、用途が決まっていないときは下味を付けて冷凍しておくことをおすすめします。
冷凍状態によっては、目安となる期間より前に劣化してしまうこともあるので、傷んだ鯖の見分け方も覚えておきましょう。
新鮮な鯖の見分け方は?
冷凍保存しておけば長い期間保存できるといっても、鮮度の落ちた鯖ではおいしく保存しておくことはできません。鯖を購入するときは、できるだけ新鮮なものを選ぶようにしましょう。
ここでは、新鮮な鯖を見分ける方法を、一尾丸ごとの場合と切り身の場合に分けて解説していきます。新鮮な鯖の特徴を覚えておいて、購入時に活かしてください。
一尾丸ごとの場合
一尾丸ごとの鯖は、鮮度を見分けられるポイントが3箇所あります。それぞれのポイントを確認し、できればすべてのポイントをクリアしている鯖を購入しましょう。冷凍して長期保存するには、できるだけ新鮮な鯖を入手することが大切です。
- エラが鮮やかな赤色
- 目がみずみずしくきれい
- 体全体に張りがある
エラが鮮やかな赤色
一尾丸ごとの鯖を購入するときは、エラの色に注目してください。エラが鮮やかな赤色を帯びていれば、新鮮な鯖の証となります。
目がみずみずしくきれい
魚の鮮度を見極めるポイントとしてよくいわれるポイントですが、鯖の場合も目を確認してみてください。鮮度が落ちた魚の目は濁っているといわれています。確認した鯖の目がみずみずしくてきれいだったら、新鮮な鯖だといえるでしょう。
体全体に張りがある
一尾丸ごとの鯖を購入する場合は、鯖の体全体を確認しましょう。体全体に張りがあれば新鮮な鯖だといえます。体に張りがなく皺がよっていたり、ぐったりした感じを受けたりする場合は、鮮度が落ちている可能性が高いため、購入は見合わせた方がよいでしょう。
切り身の場合
鯖を切り身で購入する場合は、一尾丸ごとの場合よりも鮮度の確認が分かりにくくなります。
目やエラの状態を確認することはできず、体全体の状態を見ることもできません。しかし、まったく判断できないというわけではありません。一尾丸ごとの場合とは少し視点を変えて確認してみましょう。
ここでは、新鮮な切り身の鯖を見分ける3つのポイントを解説していきます。できればすべてのポイントをクリアした鯖を購入するようにしましょう。
- 身に亀裂がなくふっくらしている
- 変色していない
- 皮が張っている
身に亀裂がなくふっくらしている
切り身の鯖はパック詰めされていることが多いため、直接触ったり四方八方から見たりすることはできません。パックの外から身に亀裂が入っていないか確認してみましょう。また、身がふっくらしていることも確認してください。
鮮度が落ちてくると、身が縮まって亀裂が入ったり、パサパサした見た目になったりするということを覚えておくと、切り身の鮮度を確認するときに活かせます。
変色していない
鯖はさばかれてから時間が経つと断面が変色してきます。魚を買い慣れていないため、変色がどのような色なのか見極められないという方は、周囲の切り身と比較してみるのもよいでしょう。
ただし、すべての切り身の鮮度が落ちている可能性もあるため、色味が黒ずんでいないかも目安としておきましょう。色の判断がつきづらいというときは、他のチェックポイントと合わせて判断してください。
皮が張っている
一尾丸ごとの鯖を確認するときは、体全体の張りから新鮮かどうか判断しますが、切り身になったときも皮の張り具合を見てください。切り身がパック詰めになっており、表面に皮面が出ていない場合は残念ですがこのチェックは使えません。
皮面が見えるときは、一尾丸ごとの場合と同じように、皮が張っているほど新鮮さの証となります。皮に張りが感じられないときは、鮮度が落ちている可能性が高くなるため、購入は見送った方がよいでしょう。
鯖の活用レシピ
鯖は生でも煮ても焼いてもおいしく食べられる魚です。冷凍しておいた鯖は、鯖を使うどの料理でも活用できます。
ここでは、冷凍した鯖を使えるおすすめのレシピを紹介していきます。
生のまま冷凍した鯖が適した料理や、下味を付けて冷凍しておいた方が便利な料理などのレシピをピックアップしました。ここで紹介しているレシピで、冷凍した鯖を使うポイントやコツがつかめたら、いろいろな料理に応用して使いましょう。
サバのシンプル塩焼き
「サバのシンプル塩焼き」では、生のまま冷凍した鯖を解凍して使いましょう。加熱調理するため、完全解凍する必要はありません。
鯖の下処理として身の厚い部分に切り込みを入れ、両面に塩を塗り込む必要があります。身に包丁が入り、鯖の両面に塩がなじむ程度に解凍して使ってください。
焼き方や焼き時間は使用するグリルによって変わりますが、生のまま冷凍した鯖の下処理が完了したら、皮面を上にして焼き色がつくまで焼いてください。
サバのソテー・イタリアン風
「サバのソテー・イタリアン風」のレシピと生のまま冷凍した鯖を使って、手軽に本格的なイタリア料理を作ってみましょう。鯖は下準備として塩コショウをします。鯖はフライパンで蒸し焼きにするため、解凍せずにいきなり加熱調理することも可能です。
「サバのソテー・イタリアン風」はトマトの彩りがキレイで、本格的なイタリアンのように作れますが、鯖を上手に崩さず焼ければ、時間もあまりかからず簡単に作れます。鯖は皮面から先に焼き、しっかり焼けてからひっくり返して型崩れを防ぎましょう。
下味冷凍で塩サバの甘酢あんかけ
「下味冷凍で塩サバの甘酢あんかけ」は、冷凍保存により下味を浸透させることを前提とした料理レシピです。調理時間自体は5分程度ですが、下準備は前日以前に行っておきましょう。
にんじんやピーマンなどの野菜を千切りにし、調味料と鯖と一緒にジッパー付き保存袋で漬け込みます。あんかけの具材となる野菜と調味料を一緒に漬け込んだうえで冷凍し、2週間以内に調理してください。
調理するときは、調理1日前に冷蔵庫へ移して自然解凍し、鯖のみ取り出してソテーしたあと、漬け込んでいた野菜と調味料を使ってあんかけにします。
鯖の保存は冷凍を活用しよう
鯖は足が早い魚としても知られており、常温下はもちろん冷蔵でも1日程度の保存しかできません。買ってきたその日に食べるのでない限り、冷凍保存することをおすすめします。
新鮮な鯖を買ってきたから、冷凍してしまうのはもったいないという考えは誤りで、冷凍保存する鯖は新鮮なものを選んでください。また、冷凍してしまうとおいしくなくなるというのも誤りで、冷凍方法によってはおいしさを保てて、調理の下準備を兼ねることもできます。
鯖の冷凍保存方法を覚えて活用していきましょう。