「鶏胸肉」の冷凍方法は?保存や解凍の仕方・おいしい活用レシピを紹介
2022/12/18
鶏胸肉は節約になりヘルシーな食材として便利ですが、調理するとパサついてしまうことも多いのではないでしょうか。この記事では、鶏胸肉の適切な冷凍・解凍方法を解説しています。鶏胸肉をおいしく冷凍するコツや、冷凍肉を活用したレシピも紹介しているので、ぜひチェックしてください。
鶏胸肉をおいしく冷凍する方法は?
鶏胸肉は、調味料を加えたり切り方を工夫したりして冷凍することで、柔らかくおいしく保存できます。冷凍すると肉の繊維が柔らかくなるため、味が染み込みやすくなるのもポイントです。
リーズナブルな価格やヘルシーであることから、鶏胸肉はまとめ買いすることも多いのではないでしょうか。まずは、さまざまな料理に活用できる、シンプルな調味料を使った冷凍方法を紹介します。
1:表面の水分をふき取る
まず、生の鶏胸肉をパックから取り出したら、キッチンペーパーで表面の水分をしっかり拭き取りましょう。
鶏胸肉から出た水分には臭みがあるため、きれいに除いておくことで臭みを防ぎ、うまみが逃げないようにします。
ドリップと一緒に冷凍してしまうと、菌の増殖や品質低下を早める原因となるため注意しましょう。
2:鶏肉の繊維を断ち切るように切る
鶏胸肉は繊維を断ち切るようにすることで柔らかくなります。硬くなってしまうのは、火を通した時に繊維が縮むことが原因のひとつです。
鶏胸肉の繊維は場所によって入り方が異なるため、まずは繊維の向きが変わるところを境に3つのブロックに切り分けます。切り分けたブロックごとに、繊維を断つように包丁でそぎ切り(包丁を寝かせ、断面が広くなるように切る)にしましょう。
鶏胸肉は切り方によって食感が大きく変わるので、しっかりした歯ごたえが欲しい時は繊維に沿って切るなど、アレンジできます。一口大にそぎ切りにすれば味も染み込みやすくなり、より食べやすくなるでしょう。
3:さとうと塩コショウをまぶしオリーブオイルをかける
さとうと塩の保水効果で肉汁の流出を抑え、オリーブオイルでコーティングすることで焼いた時にプルプルになります。
冷凍保存袋に切った鶏胸肉、砂糖小さじ2、塩小さじ2分の1、オリーブオイル大さじ2の順に入れ、手で揉んでなじませたら、軽く空気を押し出しながら保存袋の口をしっかりと閉じ冷凍します。
オリーブオイルの代わりに水を使う方法もあります。この場合は、さとう・塩・水でできた「ブライン液」と呼ばれるもので、2~4時間漬け込むことで、鶏胸肉がプルプルでジューシーになります。
ブラウン液の分量は、さとう5g・塩5g・水100mlが目安ですが、鶏胸肉の水分が抜けてパサついてしまうので、塩分濃度が5%を超えないようにしてください。液の作り方は材料を混ぜ合わるだけです。
ブラウン液に漬けた鶏胸肉は、液から取り出して冷凍保存できます。
4:金属バットにのせて急速に冷やす
素早く凍らせることで鶏胸肉の鮮度を保ちます。冷蔵庫に「急速冷凍室」があれば、そこに入れるのが最適ですが、ない場合はアルミやステンレスなどの金属製バットで代用できます。
鶏胸肉はゆっくり冷凍すると解凍した時にドリップが多く出たり、おいしさが損なわれる原因になったりします。
熱伝導率が良い金属製トレイは急速冷凍に役立つアイテムです。100均ショップなどでも入手でき、バットに乗せて冷凍庫に入れるだけで効果が上がるので、ぜひ活用してみましょう。
下味冷凍も便利
好みの味付けで下味をつけてから冷凍するのも、解凍後に焼いたり煮たりするだけですぐに食べられて便利です。
冷凍保存することで鶏胸肉の繊維が壊れ、味が染み込みやすくなるため、おいしさの点でもメリットがあります。
茹でてから冷凍する場合、茹で汁と一緒に冷凍することで肉の水分を失わずに保存でき、解凍後もしっとりとした食感が味わえます。解凍した茹で汁もスープとして食べられる、無駄のない方法です。
香味ソテー
醤油の香ばしさ、ショウガと大葉のさわやかな風味が特徴の、冷めてもおいしい香味ソテーです。目安の調理時間は20分以下なので、手早く作りたい時にもおすすめのレシピです。
繊維を断つそぎ切りをし、下味の段階でショウガの絞り汁を加えることで、焼き上がりが柔らかく、鶏肉の臭みも感じにくくなります。
鶏胸肉の唐揚げ&ねぎソース
あっさりした鶏胸肉と、ごま油を入れたコクのある「ねぎソース」の相性が楽しめる唐揚げです。醤油をきかせ、ねぎソースのひと手間をかけることで、いつもの唐揚げとは違うおいしさが楽しめます。
鶏胸肉の唐揚げは、中はジューシー、外はカリッと揚げるのがコツです。下味がついているのでそのまま食べてもおいしくいただけます。
照り焼きチキン
フライパンひとつで作れる、手軽な照り焼きチキンです。照り焼きのタレをしっかり肉にからませながら焼くので、冷めてもおいしく、子どもにも喜ばれます。
鶏胸肉をカットせずそのまま焼き上げる(焼いてからカットする)方法だけでなく、あらかじめカットされた鶏胸肉を照り焼きにするレシピも紹介しています。
鶏胸肉とブロッコリーの焼きびたし
ごま油がきいた和風の焼きびたしです。サクサクとして柔らかい鶏胸肉と、味が染み込んだブロッコリーで、ジューシーな味わいが楽しめます。
材料を焼いて、タレに漬けるだけの簡単なレシピです。鶏胸肉は片栗粉でコーティングすることで、味がからみやすくなります。
鶏胸肉のピリ辛ケチャップソース
鶏胸肉をピリ辛のケチャップで味付けした、見た目も鮮やかなおかずです。
片栗粉を使うことでベチャっとするのを防いでいます。オーブントースターで温め直せば、作りたてのようなサクッとした食感が味わえます。
しっとり柔らか蒸し鶏きゅうり
じっくりと低温で調理した、しっとり柔らかい鶏胸肉がポイントの蒸し鶏きゅうりです。ごまダレと合わせていただきます。
調味酢を使うことでマイルドな味わいのごまダレが鶏胸肉に良く合います。温め直しても冷たくてもおいしい、人気のおかずです。
鶏胸肉のハチミツみそ焼き
鶏胸肉をみそとハチミツのたれに漬け込むことで、さっくり柔らかな仕上がりになります。シンプルな味付けと、混ぜて漬け込むだけの手軽さも嬉しいレシピです。みそのコクとハチミツの甘さが絶妙な味付けとなっています。
みその麹(こうじ)の効果で鶏胸肉を柔らかくするのがポイントです。
鶏胸肉の和風マリネ
シンプルな味付けの、鶏胸肉の和風マリネです。炒めた玉ねぎから甘味が出て、さわやかでありながらも、うまみが感じられます。
フライパンひとつで調理できる時短おかずです。冷蔵後、冷たいままでもおいしく食べられます。小ねぎを散らせば彩りもよくなります。
鶏胸肉のみぞれ煮
たっぷりの大根おろしにトロミをつけた、優しい味わいがポイントの鶏胸肉のみぞれ煮です。
味付けは「めんつゆ」だけなので、簡単に手早く調理できます。コスパも良く、冷めてもおいしい、メインのおかずやお弁当にも喜ばれる一品です。
鶏胸肉キャベツのポン酢びたし
鶏胸肉とキャベツのポン酢びたしは、ごま油とポン酢の風味が特徴のヘルシーなおかずです。
蒸し焼きにすることでキャベツの甘みが引き出されます。柚子コショウや一味唐辛子、小ねぎなどをトッピングするのもおすすめです。冷たいままでも、温め直してもおいしく食べられます。
鶏胸肉のたっぷり野菜あんかけ
一皿で肉も野菜もたくさん食べられる、大満足の鶏胸肉の野菜あんかけです。
炒めてトロミをつけた、たっぷりの野菜あんを、焼いた鶏胸肉にかけます。野菜の色どりも良く、白だしがきいた、ほんのり甘い味付けが食べやすいレシピです。
解凍方法
鶏胸肉は菌の繁殖を避けるため、できるだけ低温で解凍するのが基本です。鶏胸肉を常温で解凍した場合、内部が凍って冷たいまま表面だけ温度が上昇していくという、菌が活動しやすい環境になってしまいます。
実は鶏肉は、カンピロパクターという菌の保菌率が高いことで知られています。カンピロパクターは微好気性菌(びこうきせいきん)という、微量な空気を好む菌種です。食中毒に罹った場合は、風邪に似た下痢、腹痛、発熱、めまいといった症状が出ます。
特に夏場の暑い時期は腐敗につながる恐れもあるため、鶏肉の常温解凍は厳禁だということを覚えておいてください。カンピロパクターは熱に弱いため、しっかりと加熱調理することで食中毒を予防しましょう。
冷蔵庫に3時間ほど置き自然解凍
冷蔵庫に入れて自然解凍する方法は時間がかかりますが、品質と安全を保つためには適しています。
ポイントは「できるだけ低温でゆっくりもとの温度に戻す」ことです。ゆっくりと解凍することで、なるべくドリップを出さないようにします。冷蔵庫より低温を保てるチルド室があれば、よりドリップを抑えられるでしょう。
ドリップには水分だけでなく、うまみなども含まれているため、パサつきの原因になるだけでなく、味や肉の品質が低下してしまいます。
可能であれば、冷蔵庫に移す前にラップや保存袋から取り出し、キッチンペーパーなどで包んでおきましょう。ドリップを瞬時に吸収してくれるため、臭みを防げます。
冷蔵庫で自然解凍するメリットとしては、解凍後も冷蔵庫内でそのまま1~2日は保存できることが挙げられます。
流水か電子レンジの解凍モードで
流水解凍や、電子レンジの解凍モードを使うことも一般的です。急いでいる場合などは、流水の方が早いでしょう。
流水解凍の場合は、ボールに冷凍肉を保存袋ごと入れ、その上に水を入れたペットボトルを重石として置きます。鶏胸肉が浮いてくるのを防ぎ、しっかりと水の対流にさらせる方法です。
流水解凍は、その時々の気温や水温に左右されますが、大体100gで約5~7分かかるでしょう。解凍具合をチェックしながら行います。
もっと早く解凍したい場合は、ぬるま湯を使う方法もあります。水温は約35~40度にし、ときどき上下を返しながら解凍します。冷たい水よりもドリップは出てしまいますが、急いでいる時におすすめです。
冷凍した鶏胸肉の活用レシピ
ここでは冷凍した鶏胸肉を活用したおすすめレシピを紹介します。さっぱりした鶏胸肉だからこそ、揚げたり、炒めたり、サラダやメインとして、和洋中の味付けなど、さまざまな料理に使えます。
冷凍した鶏胸肉を使うことで、しっとり柔らかくおいしく仕上がり、下処理を省いて時短にできるのが嬉しいポイントです。好みで味付けやトッピングをアレンジしたり、新たなレシピを生み出したりと活用してみてください。
鶏胸肉のチキンカツ
鶏胸肉を使った、シンプルな味付けのチキンカツです。
薄く伸ばした鶏胸肉と細かいパン粉を使うため、サクサクと食べやすく仕上がります。粉チーズやマスタードがアクセントとなった、豪華なおかずです。
鶏胸肉のやわらかフライドチキン
しっかりと下味がついている、鶏胸肉のおいしいフライドチキンです。
鶏胸肉にしっかりとお酒を揉みこむことで、パサつかず、柔らかく揚げられます。ジューシーな鶏胸肉とサクサクとした衣が簡単にできるレシピです。
鶏胸肉の生春巻き
たっぷりの野菜と鶏胸肉を使ったヘルシーな生春巻きです。濃厚なマヨネーズとマスタードのタレをつけていただきます。
サニーレタスやきゅうり、プチトマトを入れて巻けば、すぐに食べられます。あっさりした味の鶏胸肉なら、さまざまな具材と合うので生春巻きにぴったりです。
サラダ感覚でも食べられ、おつまみにも喜ばれます。
鶏胸肉の南蛮漬け
南蛮ダレでさっぱりと、冷やして食べてもおいしい鶏胸肉の南蛮漬けです。そぎ切りにした鶏胸肉を使うことで揚げる時間が短縮になります。
鶏胸肉には塩麹で下味をつけます。塩麹には肉を柔らかくする効果があり、うまみも加わるのでおすすめです。
揚げ焼きにした鶏胸肉が熱いうちにタレに漬けると、味が良く染み込みます。
鶏胸肉のトロミスープ
パサパサになりやすい鶏胸肉が、ふっくら柔らかくジューシーな食感で楽しめるトロミスープです。
鶏胸肉に加え、細切りにした大根やニンジン、白ネギ、キクラゲ、ショウガなど、具沢山で食べ応えがあります。
また、鶏胸肉には疲労軽減などに効果が期待されている「イミダゾールペプチド」が多く含まれています。イミダゾールペプチドは水溶性なので、スープにして食べれば無駄なく摂取できるでしょう。
鶏胸肉のクリームパスタ
コラーゲンたっぷりの皮付き鶏胸肉を使ったクリーム仕立てのパスタです。
パスタには、断面が楕円形の「リングイネ」を使用します。平たい形状がソースとからみやすいので、クリーム系やジェノベソースなどのしっかりした味のソースと合うパスタです。
パルメザンチーズやバター、卵黄などを加えることで、濃厚なコクが感じられます。
鶏胸肉とじゃがいもの甘辛黒コショウ
鶏胸肉とじゃがいものボリュームたっぷりのおかずです。甘辛だれと黒コショウの組み合わせがポイントですが、コショウを控えれば子どもも食べられます。
コスパが良く、手早く作れる点もおすすめのレシピです。じゃがいもは、炒め合わせる前に電子レンジで加熱しておくことで、炒める時間を短縮できます。
鶏胸肉のガーリックペッパーピカタ
中はサクサク、外はふわっとした食感の鶏胸肉のピカタです。にんにく、黒コショウ、粉チーズを合わせた、コクのある味付けとなっています。
ピカタを焼く時のコツは、卵液をたっぷりからませて、ふわっと仕上げることです。衣に多少味がついていますが、好みでケチャップやソースをつけて食べます。
経済的な鶏胸肉を上手に使いこなそう
この記事では、鶏胸肉の冷凍・解凍方法や、冷凍した鶏胸肉を活用した、おすすめのレシピを紹介しました。 ひと工夫加えて冷凍・解凍することで、パサつきがちな鶏胸肉もしっとり柔らかく食べられることが分かったのではないでしょうか。
鶏胸肉はヘルシーかつ節約にとっても役立つ食材なので、 冷凍保存や、下味冷凍のレシピを上手く使いこなしていきましょう。
鶏胸肉を安全に調理するためにも、適切な方法で冷凍・解凍することをおすすめします。