【管理栄養士監修】賞味期限切れの「ゼラチン」はいつまで大丈夫?傷んだときの特徴や保存方法を解説!

2020/10/20

ゼラチンは、ゼリーやムースなどの材料として知られていますが、賞味期限が切れた場合、いつまで食べられるのでしょうか。本記事では、ゼラチンが日持ちする理由や賞味期限が切れたとき、食べられるかの判断基準、正しい保存方法などをご紹介します。

管理栄養士、食生活アドバイザー。一女のママで出張料理、料理教室、講演、栄養相談も手掛けるほか、ライターとして...

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ゼラチンの賞味期限は?

ゼラチンは、ゼリーなどに幅広く使用されています。メーカーによって異なりますが、未開封のゼラチンの賞味期限は、製造日から3年ほどのものが多く、なかには5年ほどに設定されているものもあります。

主なゼラチンの種類は、板・粉・顆粒の3つです。板ゼラチンと粉ゼラチンは水でふやかす工程が必要ですが、顆粒ゼラチンは水でふやかす工程を必要としない特徴があります。

ゼラチンが日持ちする理由

ゼラチンの賞味期限が長い理由は、油分や糖、水分がほとんど含まれず、酸化、変色、腐敗、菌の繁殖が起きる可能性が少ないためです。

ゼラチンは主に「豚・牛・魚」由来のたんぱく質を原料とし、加熱してコラーゲンを抽出したものです。酸やアルカリなどで前処理をし、精製、濃縮、殺菌などの工程を経て、最後に乾燥してから商品化されることが一般的です。

賞味期限と消費期限の違い

ここで、賞味期限と消費期限の違いについてまとめます。

賞味期限とは、未開封で保存方法をしっかり守って保存した場合に、記載されている年月日、または年月まで「おいしく食べられる」期限のことです。

賞味期限はスナック菓子・インスタントラーメン・缶詰など、製造・加工されてから、おおむね6日以上期限のある傷みにくい食品に記載されています。またこの期限を過ぎても、すぐに食べられなくなるわけではありません。

消費期限とは、賞味期限と同じように保存していた場合、記載されている「年月日」まで「安全に食べられる」期限になります。

お弁当・サンドイッチ・生菓子など、製造・加工されてから、おおむね5日以内の傷みやすい食品に記載されています。

もちろん賞味・消費期限ともに、開封してしまうことで、食品の保存状態が変化してしまうため、表示されている期限に関わらず、できるだけ早めに消費するようにご注意ください。

賞味期限が過ぎて傷んだゼラチンの特徴

ゼラチンは日持ちする食材ですが、保存環境などによっては傷むことがあります。ゼラチンは、水分と熱に弱いため、保存するときには注意が必要です。

ここでは、賞味期限が過ぎて傷んだゼラチンの特徴について紹介します。以下の特徴があるゼラチンについては、傷んでいるので食べないようにしましょう。

特徴1:カビが生える

ゼラチンは高温多湿な環境に弱く、乾燥していたゼラチンが吸湿して水分を含むと、そこからカビが生えてしまう可能性があります。

一度水につけてふやかしたゼラチンは、高温多湿な場所に放置せず、すぐに使用するようにしましょう。もし、ゼラチンにカビが生えていることを確認した際は、食べずにそのまま処分しましょう。

特徴2:溶けだしている

ゼラチンに粘り気が出てきたり、溶けだしている場合は、高温多湿になる場所で保管されていた可能性があります。 ゼラチンをコンロなどの近くや、暑い日の車中などに放置してしまうと、溶けだして、形が崩れたり表面がべたついたりすることがあるかもしれません。また、高温にさらされることで成分が変性し、ゼリーなどを固める本来の働きが低下することもあります。

ゼラチンがぬるぬると溶けだしている場合は、異臭がしなくとも食べない方がいいでしょう。

特徴3:虫が発生する

粉や顆粒タイプのゼラチンには、タバコシバンムシなどの、雑食であらゆる乾燥食品を好む虫が発生する可能性があります。 乾燥食品や穀物など、水分の含有量が少ない食品を好み、食害を起こす虫のことを総称して「貯穀害虫(ちょこくがいちゅう)」と呼ばれています。

虫が発生したゼラチンは、これ以上繁殖させないためにも、早急に処分しましょう。

賞味期限が1年以上過ぎたゼラチンは食べられる?

ゼラチンは、腐敗する可能性が低い食材なので、賞味期限を1年以上過ぎていても食べられる可能性があります。 ただし、未開封の場合で正しい保存方法で管理されている場合に限ります。

メーカーはあくまでも、賞味期限が過ぎたゼラチンを口にすることを推奨していません。賞味期限が切れたゼラチンを食べる際は、あくまでも自己責任で無理のない判断をしてください。

ゼラチンの保存方法

ゼラチンは、メーカーによって設定している賞味期限や推奨している保存方法が異なります。

ゼラチンを安心・安全に食べるためにも、必ず商品パッケージの表示を確認してから適切に保存しましょう。ここでは、常温で保存する場合と、冷蔵庫で保存する場合の方法と注意点について紹介します。

常温で保存する

ゼラチンは、常温で保存できるものもあります。常温で保存する場合は、直射日光や高温多湿の環境を避け、できるだけ涼しい場所へ保存してください。

また、開封したゼラチンは密閉した容器に移し、吸湿や臭い移りがしにくい環境を選んで保存しましょう。賞味期限にかかわらず、開封したゼラチンは変質しやすいので、早めに使い切ることをおすすめします。

冷蔵庫で保存する

ゼラチンは高温多湿に弱い性質のため、温度・湿度とともに低い環境である冷蔵庫で保存する人も多いようです。

ゼラチンは紫外線に当たると不溶性に変質してしまい、通常の使用ができなくなってしまうので、冷蔵庫に保存することで直射日光を避けることができます。開封したゼラチンを冷蔵庫で保存する際は、常温で保存する方法と同じく、密閉した容器に移してから保存したほうがいいでしょう。

なお、メーカーによっては、冷蔵庫からの出し入れによって温度差による結露が生じやすくなることから、常温での保存をすすめている場合があります。

ゼラチンの活用方法

ゼラチンは「ゼリーやババロアなどのデザートに使うもの」というイメージを持つ人も多いでしょう。しかし、ゼラチンは意外な方法で活用することができます。

ゼラチンの主成分であるコラーゲンは、人の体内のたんぱく質の約30%を占めており、皮膚・骨・軟骨をはじめ、血管や内臓にも存在しています。そこでは、コラーゲンは細胞と細胞同士をくっつける接着剤のような働きをしています。

ゼラチンを食べるとコラーゲンを摂取できるため、健康や美容における効果が期待できます。

ご飯といっしょに炊き込む

お米2~3合に対して、約2.5gのゼラチンを加えて炊飯器でいっしょに炊き込むことができます。ゼラチンを入れてお米を炊き込むと、お米のひと粒ひと粒にゼラチンの膜が張り、つやと照りが出てふっくらとしたおいしいご飯が炊きあがると言われています。

主食となるご飯に混ぜることにより、日常的な食生活の中でゼラチンを手軽に摂取することができます。

飲み物に混ぜる

コーヒー、紅茶などの暖かい飲み物(50〜60℃程度)に、ゼラチンを約2.5g入れて混ぜると、手軽にコラーゲンを摂取できます。

ただし、水でふやかす工程が必要なゼラチンは、ふやかさずに飲み物に入れるとダマができてしまうため注意が必要です。サッと溶ける顆粒ゼラチンは、水にふやかす必要がないためおすすめです。

賞味期限切れのゼラチンには要注意!無理して食べないようにしよう!

ゼラチンは、賞味期限が切れていても、パッケージに表示されている保存方法をしっかりと守っている場合、食べられる可能性が高いと言われています。 しかし、ゼラチンの「見た目・味・臭い」などに少しでも異変を感じた場合は、決して無理をせず食べないようにしてください。

栄養面でも優れているゼラチンを上手に活用して、安心・安全第一でおいしくゼラチンを摂取していきましょう。

※参考にしたサイト

 
 

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