【管理栄養士監修】賞味期限切れの「サラミ」は冷蔵保存でいつまで食べられる?冷凍したものは?
2020/10/31
サラミはサラダやピザ、パスタなどのアクセントになる食材の1つです。加工食品なので、長期保存も可能ですが、保存方法を間違えると傷んでしまう可能性があります。本記事では、サラミの賞味期限と保存方法、傷んだサラミの特徴を紹介していきます。
サラミの賞味期限は?
サラミは、豚か牛のひき肉、もしくは合いびき肉を原料としたイタリア発祥のドライソーセージを指します。一般的なサラミは、ひき肉に調味料や香辛料、ラードなどを混ぜて、2~3カ月乾燥熟成しているため水分量が少なく日持ちすると言われています。
未開封であれば、常温で3カ月以上も保存できるものもあり、その理由は、水分量が少なく塩分が多く含まれているため、菌が繁殖しにくいことが考えられます。
開封済みのサラミの賞味期限
1度開封したサラミは、空気に触れて品質を保持することがむずかしくなるため賞味期限を基準とせず、1週間程度で食べきるようにしましょう。
保存状態が悪いと、切り口から傷み始めるので、食べる前に確認する必要があります。
賞味期限と消費期限の違い
ここで、賞味期限と消費期限の違いについてまとめます。
賞味期限とは、未開封で保存方法をしっかり守って保存した場合に、記載されている年月日、または年月まで「おいしく食べられる」期限のことです。
賞味期限はスナック菓子・インスタントラーメン・缶詰など、製造・加工されてから、おおむね6日以上期限のある傷みにくい食品に記載されています。またこの期限を過ぎても、すぐに食べられなくなるわけではありません。
消費期限とは、賞味期限と同じように保存していた場合、記載されている「年月日」まで「安全に食べられる」期限になります。
お弁当・サンドイッチ・生菓子など、製造・加工されてから、おおむね5日以内の傷みやすい食品に記載されています。
もちろん賞味・消費期限ともに、開封してしまうことで、食品の保存状態が変化してしまうため、表示されている期限に関わらず、できるだけ早めに消費するようにご注意ください。
賞味期限が過ぎて傷んだサラミの特徴
サラミの賞味期限が過ぎていても、多少過ぎている分には食べられると考える人もいるでしょう。
しかし、サラミが傷んでいるのかの判断はむずかしいことがあります。傷んでいることに気がつかずに食べてしまい食中毒を起こしてしまうことがないように、傷んだサラミの特徴を把握しておきましょう。
特徴1:変色する
色素を持ったカビなどの微生物が発生したときに、その食品自体にもその色が現れ食品が変色したように見えます。
特に切り口は菌が付着しやすいため、変色に気をつけましょう。変色は、主にハムやソーセージ、パンなどの食品に多いと言われています。ただし、最初から表面にカビ付けされているサラミもありますので、そこから異なる変化が見られたり、内部まで変色した場合には、食用に向かなくなっていることも考えられます。臭いや味などにも異変がないか確認し、判断しましょう。
特徴2:異臭がする
微生物が増殖したときに、臭いの元となる成分が生成されることがあります。その臭いは微生物の種類などによって異なり、嫌悪感を抱く臭い、甘い臭い、アルコールに似た臭いなどさまざまです。
食品が傷んだ時に表れる特徴なので、変な臭いがしたら食べないようにしましょう。
特徴3:ぬめりが出る
食品中のたんぱく質やアミノ酸を栄養として、細菌が増殖すると粘り気のある物質を生成することがあり、同時に、異臭がすることが多いと言われています。
賞味期限が半年過ぎたサラミは食べても大丈夫?
食品の賞味期限は、実際の期限より少し余裕をもって設定されています。したがって、賞味期限の判断に迷ったときには、製造日から賞味期限までの期間の約1.3倍の期間を目安に考えるといいでしょう。
例えば、冷蔵保存で90日のサラミの場合は、90×1.3=117となります。この117日が、本来の賞味期限の目安と考えられます。この117から90引くことで、本来の賞味期限との差が導かれるので、賞味期限から30日前後は食べることができるというわけです。つまり、賞味期限が1年と表示されているサラミであっても、それ以降、100日程度の猶予しかないということを念頭に入れておきましょう。
もちろん、これは未開封のまま正しい方法で保存されていた場合に限ります。すでに開封済みであったり、賞味期限から半年以上過ぎている場合は、廃棄することをおすすめします。
サラミの保存方法
サラミの作り方や水分量などによっては、常温保存が向いているものもあります。
それ以外のサラミは、未開封であっても冷蔵保存が必要であったり、開封後は要冷蔵となっているものもあります。製造方法や水分量などによっても保存方法が異なりますので、商品ごとに必ず確認し、適した保存方法を選ぶようにしましょう。
冷蔵庫で保存する
常温保存ができるサラミであっても、夏場になると室内が高温になるため、室内で適切に保存するのはむずかしくなります。そのため、冷蔵保存する人も多いですが、その場合は冷えすぎる冷蔵室ではなく、3~7℃くらいに保たれてる野菜室へ保存しましょう。なお、要冷蔵や低温保存の指示がある場合は、冷蔵室を利用しましょう。
冷凍庫で保存できる?
メーカーによっては、風味や味が変わる可能性があることから、冷凍保存をすすめていない場合もあります。そうであっても、賞味期限内に食べきれない場合は、臭い移りなど防ぐために、ラップに包んで密閉容器などに入れ、冷凍庫で約1カ月保存できると言われています。冷凍後は、食べる前日に冷蔵室へ移して自然解凍したり、半解凍のまま使う分を切ってすぐに冷凍庫へもどすようにすることで、品質の低下を抑えることができます。
サラミとカルパスは違うもの?
サラミと似ているもので、カルパスがありますが、どういう違いがあるのでしょうか。
まずは、サラミとカルパスは名前の由来となった国が異なります。サラミはイタリアが由来の国です。一方、カルパスはロシアが由来の国になります。また、サラミの原材料は、牛や豚のひき肉を使って作られますが、カルパスは鶏ひき肉を入れる場合があります。
また、加工方法も異なってきます。サラミは加熱せずに乾燥熟成させており、水分量が35%以下のドライソーセージに当たります。しかし、カルパスは加熱してから乾燥熟成しており、水分量も55%以下と規定されていて、サラミよりも水分量が多く、セミドライソーセージに当たります。
サラミとカルパスを食べ比べると気づくかたもいるかもしれませんが、カルパスのほうが若干柔らかいと感じるかもしれません。それは、さきに述べた水分量の差から、食べたときの食感に影響を与えるのです。
賞味期限切れのサラミには要注意!無理して食べないようにしよう!
この記事ではサラミの賞味期限や保存方法、カルパスとの違いなどをご紹介しました。
正しく保存すれば、長期間保存が可能なサラミですが、食べる前にしっかりと見た目やニオイなどを確認して、おいしく安全にサラミをいただきましょう。