【管理栄養士監修】賞味期限切れの「和菓子」は冷蔵保存でいつまで食べられる?冷凍したものは?
2020/11/03
和菓子の賞味期限は意外と短く、気づかないうちに賞味期限が過ぎてしまいもったいない思いをしたことはありませんか。和菓子のなかには冷凍保存できるものもあります。正しい保存方法を知っておくと、和菓子をよりおいしく食べる秘訣にもなるでしょう。
【種類別】和菓子の賞味期限は?
手土産やお供え物などで和菓子をいただき、気づかないうちに賞味期限切れになってしまうこともあるでしょう。また、賞味期限を過ぎていなくとも、保存状態が悪ければ、品質が劣化してしまうこともあります。
和菓子の賞味期限はいったいどのくらいの期間なのでしょうか。種類別でそれぞれの特徴と賞味期限を見ていきましょう。
干菓子
干菓子とは水分が少なく乾燥している和菓子です。主に打ち物、押し物、かけ物、焼き物、あめ物と分類され、金平糖や煎餅、八ツ橋などが干菓子に含まれます。
干菓子は、未開封の状態で1カ月以上日持ちすると言われています。水分が少なく、糖分が多く含まれるので日持ちする傾向にあります。しかし、商品により賞味期限が異なるので注意が必要です。
半生菓子
半生菓子とは、干菓子と後述する生菓子の間の和菓子です。やや乾燥しており、生菓子より日持ちするのが特徴です。主にあん物、おか物、焼き物、流し物、煉り物に分類されます。最中、羊羹、鹿の子などが半生菓子に含まれます。
半生菓子の賞味期限は干菓子と比べて短めですが、日数にはバラつきがあり1週間くらいのものから1カ月程度のものまであります。糖度が高く水分が少ない練り羊羹であれば、より長く日持ちするでしょう。
生菓子
生菓子は「生」とあるとおり、水分を多く含んでいるので日持ちしないのが特徴です。餅物、蒸し物、焼き物、流し物、煉り物、揚げ物に分けられます。おはぎや大福が生菓子に分類されます。
一般的に生菓子は日持ちする期間が短く、なかには消費期限が表示され、1日しか日持ちしないものもあるため、なるべく早く食べることをおすすめします。
賞味期限と消費期限の違い
ここで、賞味期限と消費期限の違いについてまとめます。
賞味期限とは、未開封で保存方法をしっかり守って保存した場合に、記載されている年月日、または年月まで「おいしく食べられる」期限のことです。
賞味期限はスナック菓子・インスタントラーメン・缶詰など、製造・加工されてから、おおむね6日以上期限のある傷みにくい食品に記載されています。またこの期限を過ぎても、すぐに食べられなくなるわけではありません。
消費期限とは、賞味期限と同じように保存していた場合、記載されている「年月日」まで「安全に食べられる」期限になります。
お弁当・サンドイッチ・生菓子など、製造・加工されてから、おおむね5日以内の傷みやすい食品に記載されています。
もちろん賞味・消費期限ともに、開封してしまうことで、食品の保存状態が変化してしまうため、表示されている期間にかかわらず、できるだけ早めに消費するようにご注意ください。
開封済みの賞味期限はどうなる?
消費期限は「安全に食べられる期限」なので、必ずその日までに食べきる必要がありますが、賞味期限は「おいしく食べることができる期限」のことなので、多少賞味期限を超えてしまっても、すぐに食べられなくなることないでしょう。
しかし、これらの期限は未開封の状態かつ、適切な保存をしている場合、品質が保たれる期限ということです。開封済みの状態だとわけが違います。
開封済みだと雑菌が入ったり、酸素に触れることにより商品が劣化するため、表示されている期限にかかわらず早く食べることをおすすめします。
賞味期限が過ぎて傷んだ和菓子の特徴
賞味期限が切れてしまい、傷んだ和菓子にはどのような特徴が見られるのでしょうか。傷んでしまっても見た目ではわからないことも多く、傷んだ和菓子を誤って口にしてしまう可能性もあります。そうならないためにも、傷んだときの見た目以外の特徴をそれぞれ種類別にご紹介していきます。
【干菓子】傷んだ特徴
干菓子は水分量が少なく比較的傷みにくいでしょう。傷んでもなかなか見た目には表れにくく、水に濡れてカビが生えたり、虫に食べられたりしない限りは劣化していると判断がむずかしいです。
場合によっては、傷んでしまう前にしけってしまったり、味が落ちたりしてしまうこともあるでしょう。味やにおいに違和感があれば、食べるのはやめておきましょう。外的要因を受ける前になるべく早く食べることがおすすめです。
【半生菓子】傷んだ特徴
半生菓子に含まれる水分量の差は幅広く、日持ちする期間にもばらつきがあります。なかでも羊羹は賞味期限が比較的長く、製造から1年のものも珍しくありません。しかし、羊羹でも開封済みのものだと注意が必要です。酸素に触れることによりカビが生えたり、砂糖が再結晶化して滑らかな食感が失われる可能性あります。
また、最中などあんこを使った和菓子はあんこから傷みやすいので、気をつけましょう。栄養が豊富に含まれているあんこには、カビ以外にも酵母や細菌が増殖することで傷んでしまい、不快な味やにおいなどが発生する可能性があります。
【生菓子】傷んだ特徴
生菓子は、水分を多く含むため短期間で傷みやすく、傷んでしまったとき見た目に変化が出やすいです。生菓子は傷むとカビが生えたり、味に変化が見られるでしょう。大福やおはぎに多く使われるあんこは傷むとすっぱくなったり、ねばねばと糸が引いたりします。
また、消費期限が表示されている生菓子の場合は、もともと早く傷みやすいので、期限が切れる前であってもこれらの傷んだ変化が見られないか、よく確認するようにしましょう。とくに暑い季節は傷みやすいので注意を払いましょう。
【種類別】和菓子の保存方法
賞味期限が過ぎていなくても適切な保存をしてないと傷んでしまうこともあります。和菓子には、常温で長期保存できるものや、できないものがあります。
また、冷蔵保存が向かないものもあり、冷蔵保存してしまうと品質を損ねる場合があります。和菓子の正しい保存方法や冷凍保存についての情報をまとめてみました。正しい保存方法を守るのも和菓子をおいしく食べられるポイントでしょう。
【干菓子】保存方法
干菓子は水分が少ない和菓子なので湿気や直射日光を避けて保存するとよいでしょう。湿気を吸収しやすいため梅雨の季節はとくに注意が必要です。また、水分だけでなく、ほかの食材などのにおいも吸着しやすいので、においが強いものの近くは避けて保存するようにしましょう。
開封後は湿気が入りやすくなるためしっかりと封をし、密閉容器に保存するようにしましょう。冷凍保存は可能ですが、解凍する際は結露により品質が劣化する可能性が高いので必要な分だけ冷蔵庫に移して、できるだけ早く食べきることがおすすめです。
【半生菓子】保存方法
半生菓子は日当たりがよいところを避けて密閉容器に保存しましょう。とくに開封した場合は賞味期限にかかわらず早く食べましょう。
カステラや、最中など冷凍しても一定期間はおいしさを保つことができるものもあります。冷凍する際は、賞味期限が近づく前になるべく早く冷凍すること、食べやすい量に小分けに密封してから冷凍することがポイントです。
解凍後は品質の劣化が早く進むので、再冷凍を避けて、できるだけ早く食べきるようにしましょう。
【生菓子】保存方法
生菓子は常温保存でなるべく早く食べるのが基本です。冷蔵保存が可能なものもありますが、若鮎などの求肥を使った和菓子やわらび餅はでんぷんを多く含むため、冷蔵庫で保存すると冷えて食感が硬くなることがあるので注意が必要です。
メーカーによっては、冷凍販売している生菓子があるように、生菓子の多くは冷凍ができます。ただし、冷凍する際は1つずつラップに包み、ジッパー付きポリ袋などの密閉できるものに入れて保存しましょう。
冷凍した生菓子は、室温に置いて自然解凍させたり、蒸して解凍させることでおいしく食べることができます。
賞味期限切れの和菓子には要注意!無理して食べないようにしよう!
和菓子は種類によって、消費期限や賞味期限の表示が異なり、日持ちに大きな差があります。しかし、一概に干菓子だからと長く日持ちするということではありません。正しく保存していても湿度や温度が原因で早く傷む場合もあります。
とくに開封後は、表示されている期限にかかわらず、傷みやすくなるので要注意です。本当に傷んでないかを見極め、賞味期限が切れている和菓子は無理に食べないようにしましょう。