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片づけが苦手な人が「大掃除」でやってはいけないこと

2020/12/11

年末が近づいてくると、そろそろ大掃除の季節。子どもがいると家の中はごちゃごちゃしがちで、片づけたいところはたくさんあるものの、どこから手をつけたらいいのかわからない。大掃除どころか、日頃の片づけがままならない、と途方に暮れているかたも多いのではないでしょうか。

「整理することの基本はまず、ものを減らすことです」と話すのは、整理収納アドバイザーの鈴木みずほさん。新年を迎えるための年末の片づけについてお話を聞きました。
(取材・文:みらいハウス:渡部郁子)


話を聞いた人・・・

鈴木みずほ さん

企業でインテリアコーディネーターとして活動後、風水を活かしたインテリアサイトを立ち上げ、風水アドバイザー資格を取得。整理収納アドバイザーとして2019年に活動を開始。

大掃除ではぜんぶやろうとしてはダメ!

毎年の大掃除、今年こそはしっかり片づけ、掃除をしてキレイにしよう!……と思うものの、できずじまいという人も多いと思います。鈴木さんいわく、片づけが苦手な人は“小さなことから取り掛かる”のがおすすめだそうです。

「例えば、メイクボックスの中の小物を整理して“片づけできた”、“使いやすくなった”と実感してみる。子どもが持ち帰る学校からのプリントはたくさん溜まりがちだから、不要になったらすぐに処分してみる。そんなちょっとした片づけから取り掛かって“できた”を実感することで、“じゃあ次はどこを片づけようか”と気持ちが繋がっていきます」

逆にやってはいけないのが、すべてやろうとすること。年末大掃除というと1年の家事の締めくくり感覚で頑張りたくなりますが、そこはしっかり小分けして進行するのが成功の秘訣だそうです。

「日々の片づけも年末の大掃除もいっしょです。この機会に家の中全体を一気に片づけようと思っても難しいですよね?であれば、キッチンや収納棚、作業場、洗面所など、部分的にゴールを決めて、毎日少しずつ片づけていけば、達成感も得られて最後までやり遂げられる可能性が高いです」

収納は増やさず、ものを絞る!

Damian Lugowski/gettyimages

大掃除はもちろん、ふだんから片づけが苦手という人の中には「そもそも収納が足りない」と悩んでいる人も多いでしょう。鈴木さんは収納が“足りない”と考えるより、いまある収納に合わせた数に絞ることを推奨します。

「収納場所が足りないと感じるなら、持ち物の量を絞ることから優先して考えましょう。足りないからと言って収納スペースを増やしても、それは一時的な解決策にすぎません。持ち物を絞ることができていなければ、その収納もまたすぐ足りなくなってしまいますから」
とは言え、どうやって持ち物の量を絞ればいいのかわからない人もいると思います。そんなとき、鈴木さんはつぎのようなアドバイスをするそうです。

「片づける際は、まずはじめに棚の中のものをすべて出してから、ひとつずつ“必要or不必要”を判断して残すものを決めます。例えば、玄関を整理するときは、靴箱の中の靴をすべて出して、家族の靴を分けます。3年以上履いていない靴や、古くなってくたびれた靴は処分します。そして、残すものを棚に収めていきます。棚に収めるときは、家族の背丈に合わせた収納場所を決めることが重要です。子どもの靴は靴棚の低い場所に、大人の靴は高い場所にしまうことで、家族みんなが使いやすい玄関になりますよ」

家が片づかないと悪循環に!大掃除で好循環を生もう

鈴木さんいわく、整理の基本は優秀な収納グッズを用意することでも、優れた収納術を学ぶことでもなく、まずは「ものを減らすこと」だそうです。

整理収納アドバイザーとして活動する際も、まずはじめに1時間のカウンセリングを行って“片づけのゴール”を定めて、そのうえでものの要・不要を判断していくとのこと。

「家の中はよほど気をつけていない限り、ものがどんどん多くなっていくものです。ものが増えると、片づけることは難しくなり、散らかっていきます。散らかっていると必要なものを探すときに時間がかかります。育児や家事、仕事などで時間がないから片づけられない、と思うかたは多いですが、片づいていないから余計に時間がかかる、という悪循環を生み出すのです。

散らかる原因は、時間がないことではなく、自分に余裕がないことであると気づくこと。部屋が片づくと時間に余裕が生まれ、心にも余裕が生まれます。そうなると、自分や家族などまわりの人にも優しくなれるという好循環が生まれます」


心の余裕を得るためにも、しっかりと大掃除に臨みたいところですね。

◆取材・文/みらいハウス 渡部郁子
東京・足立区にある育児期の女性支援拠点「みらいハウス」のライティングメンバーです。子連れで取材活動に取り組む一児の母。育児と仕事にまつわる社会課題への支援事業や、子育てしやすい地域環境を構築する仕組みづくりを行っています。

構成:サンキュ!編集部

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