ママ必見!叱り方のお悩みランキングBEST3&解決策を発表
2022/02/05
「ダメ!」とばかり言ってしまったり、つい感情的に叱ってしまったり…。お子さんが動き回るようになってくると、叱り方について悩むかたが増えるようです。そこで今回の特集では、おうちのかたがストレスをためない、この時期のお子さんに合った叱り方を考えていきましょう。
<お話をうかがった先生>
塩崎尚美(しおざきなおみ)先生
日本女子大学人間社会学部心理学科教授。専門は、乳幼児精神保健、発達臨床心理学など。著書に『乳幼児・児童の心理臨床』(放送大学教育振興会)など。
叱り方のお悩みTOP3
1 「ダメ」とばかり言ってしまう…52.6%
2 感情的に叱ってしまう…47.4%
3 子どもに伝わらない…39.5%
※ ウィメンズパークアンケートより(回答者数152人。複数回答)。4位以下は省略。
1 「ダメ」とばかり言ってしまうを解決!
1歳過ぎは記憶力が発達途中にあります。
1歳過ぎ頃の子どもはまだ記憶力が発達途中にあるため、今関心のあることによって、前の記憶が忘れられてしまいます。「やりたい」と思うことがあると、状況を見てがまんすることもできません。そのため、「ダメ」と言われたことを何度も繰り返してしまうのです。
「ダメ」の代わりに「おしまいにしようね」
「ダメ」は、大人にとって使いやすく、子どもに通じやすい言葉。多くなるのはしかたのないことですが、そればかり使っていると、気が滅入ってしまいますよね。そこでときどき、「ダメ」以外の言葉を使ってみるのがおすすめです。「おしまいにしようね」や「やめようね」など、代わりになる言葉をいくつかもっておきましょう。
「ダメ」と言うよりその対象をなくして
欲求をコントロールできるようになる3歳過ぎ頃までは、目の前の「やりたい!」をがまんできません。今は、「ダメ」と言うよりも、その対象を子どもの目の前からなくしてしまいましょう。例えば、携帯電話などさわられたくないものはなるべく子どもの前では出さない、遊び食べを始めたら食事を切り上げて片付けるなどしてみましょう。
満足するまで止めないのもひとつの手
「ダメ」と行動を制止されると、子どもの欲求は満たされないままになってしまいます。そのため何度でもやろうとするので、危なくないことであれば止めないのもひとつの手です。大人にとってはいたずらだと思えることも、子どもにとっては意味のある行動です。満足すればやめることもあるので、まずは危険がない限りはおおらかに見守ってみましょう。
先輩ファミリーの体験談【「ダメ」の代わりにこう言っています!】
子どもは、こちらの真剣さを見ている気がします。だから食事中に足をバタバタさせて食べないときなどは、目を見ながら真面目な表情で、「やめようね」と言うようにしていました。(千葉県 かなしゃん)
さわってほしくないものに近づいたときは、「危ないから来ないで~って言っているよ」などと、擬人化して伝えていました。その成果か、はさみを見ると「危ない」と言うようになりました。(神奈川県 なさみ)
ごはんを食べているときにおもちゃを持ってこようとしたら、「おもちゃを持ってこないでくれるとうれしいな」というふうに、「ダメ」ではなく、「こうしたらうれしい」という言い方をしました。(東京都 さつぽこ)
2 感情的に叱ってしまうを解決!
好奇心が伸びる時期。いたずらも増えます。
好奇心が育っていく時期なので、目につくものは何でも確かめてみたがります。危ないものもさわってしまうので、「ダメ!」と注意することが多くなり、そのストレスからつい感情的に叱ってしまうこともあるでしょう。いたずらは子どもの成長とともに減っていくので「自分だけ?」と心配しなくても大丈夫です。
叱ったあとはフォローを忘れずに
感情的に叱ってしまうと、子どもに悪影響を与えてしまったらどうしようなどと、心配になることがあるかもしれません。でも、フォローができていれば大丈夫。「○○ちゃんのことを嫌いで怒ったんじゃないよ」と言葉で伝えるだけでも、一緒に遊んだり、ぎゅっと抱き締めたりするだけでもいいのです。「あなたのことが好き」という気持ちを伝えることでお子さんは安心するはずです。
ストレスをためないよう気分転換を
お子さんとの一対一の関係が続くと、おうちのかたもストレスがたまってきて、ちょっとしたことでイライラしがちです。「イライラしているな」と思ったら、近所の公園に行くなどして外の空気を吸ったり、同じくらいの月齢の子どもがいる友だちと話をしたり、またお子さんを預けてショッピングに出かけたりしてもいいですね。意識的に気分転換をしましょう。
それでも…感情が爆発してしまうときは
イライラが高まって、お子さんをたたいてしまったり、「かわいい」と思えないような気持ちが続いたりしたら注意信号。早めに家族や信頼できる人、自治体の子育てに関する窓口などに相談して、解決の糸口を探すようにしましょう。
また、人間関係や家事・仕事でのストレスなど、気持ちや時間に余裕がないことが原因になっている場合もあります。生活全体を見渡してみて、家事が進まないことが原因であれば、簡単にすませたり、やらないくてもいいことを探したりするなど、ストレスを取り除く工夫をしましょう。
先輩ファミリーの体験談【感情的に叱らないためにこうしています!】
イライラが爆発しそうになったときは、一旦、深呼吸!こちらの気持ちを落ち着かせておくことがとても大事だし、そうすることで、感情的になりにくくなるのでおすすめです。(和歌山県 なおゾー)
感情的に叱りたくなったときは、「ママは怒っています。少し頭を冷やしてきますね」と言ってその場から離れ、子どもと距離をおくようにしていました。(神奈川県 怪獣ママ)
感情的に叱ってしまったことも、よくありました。でもその分、落ち着いたときにしっかりと抱き締めて、「ごめんね」と伝えるように心がけていました。(東京都 shaggy)
3 子どもに伝わらないを解決!
言葉と因果関係の理解が未熟。
この時期の子どもは、叱られている内容まではまだ理解できません。「ああしたからこうなった」と自分がやったことと結果とを結びつけることも完全にはできないため、叱られても"ポカン"としてしまうのです。
短い言葉でわかりやすく
「ダメ」な理由を説明したところで、1歳過ぎ頃の子どもにはまだ理解できません。理解できないことを長く話されるとほかに興味が移ってしまうので、叱られたこと自体を忘れることもあります。今は説明するよりも、「いけないよ」「やめようね」などと、短くてわかりやすい言葉を使いましょう。
言葉だけでなく表情でも伝える
言葉での説明が理解できないこの時期の子どもも、表情にはとても敏感です。真顔で「ダメ!」と言うだけで「叱られているな」と感じ取りますので、愛想笑いはやめて、うれしいときはうれしい表情、叱っているときは叱っている表情をするように心がけましょう。また、叱るときにきちんと目を合わせることも大切です。
繰り返し伝えて積み重ねていく
叱られてもまた同じことをするのは、言葉の理解や記憶力が未発達なだけ。おうちのかたの叱り方の問題とは言いきれません。また、理解できないからといって、叱るのが無駄というわけでもありません。叱ることを積み重ねることで3歳になる頃には、「やっていいこと」と「やってはいけないこと」があると、わかっていきます。
先輩ファミリーの体験談【こうして少しずつ伝わりました】
前はお友だちのおもちゃを奪い取って叱られても理由がわからなかったようですが、今は「ダメだよ!」と注意すると、お友だちに返すようになりました。(京都府 あ~!たん)
1歳頃、八つ当たりで私をたたいたときには、悲しい顔で「痛いよ」と伝えていました。すると私の頭をなでて「ごめんね」と言えるように。2歳を過ぎて、たたくこともなくなりました。(埼玉県 ひたみ)
1歳3カ月頃は叱っても「プイッ」という感じでしたが、2歳になった今では聞いていないふりをしたり、「ごめんね」と言ったりします。自分が悪いことをしたのだという自覚ができてきているのだと思います。(埼玉県 ケイトママ)
※取材時の情報です。
参照:〈こどもちゃれんじ〉