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年長さんの今が始めどき!FP直伝「お金教育」ポイント2つ

2022/02/17

小学校に入ると、お金を扱う機会が増えていきます。お金の大切さを理解して、きちんと管理できる子どもになってほしいですよね。そのためには、小学校入学前からの「お金教育」が必要だと言われています。年長さんの今、お金についてぜひお子さんに伝えていただきたいことをご紹介します。

<お話をうかがった先生>
八木陽子(やぎようこ)先生
ファイナンシャルプランナー。株式会社イー・カンパニー代表取締役。金融経済教育サイト「キッズ・マネー・ステーション」主宰。監修した本に「10歳から知っておきたいお金の心得」「おさいふのかみさま」などがある。

なぜ今、「お金教育」が必要なの?

女の子は小遣いを得る
yamasan/gettyimages

今の子どもは「6つのポケット(財布)」をもっていると言われます。子どもにお金やものを与えてくれる大人が、両親と両家の祖父母、合わせて6人いる、という意味です。今、日本の多くの子どもが、食べ物やお菓子、文房具などは「無限にある」「いくらでも手に入る」と感じていると思います。大人が意識して教えないと、ものやお金の大切さを感じにくい時代なのです。
スマートフォンが普及し、お子さんが勝手に決済を行ってしまうトラブルが増えているとか。ネットショッピングの機会も増え、「お金は使えばなくなる」という実感をもちにくくなっています。こうした社会の変化にもかかわらず、多くの学校は、十分な「お金教育」を行っていないのが実情。お金の大切さ、上手な使い方を、小さいうちから家庭でしっかり教えることが、ますます必要になっているのです。

お金を使い始める前が、お金の価値の教えどき。年長さんは、金銭感覚の「核」が育つ大事な時期!

小さな男の子が貯金箱に硬貨を入れる
SbytovaMN/gettyimages

小学校に入ると、お小遣いをもらうお子さんが多くなります。でも、それまでに「お金とは何か」を理解できていないと、よく考えずに目についたものを買ったり、落としても平気だったり、ただためるばかりになったり…と、上手にお金を使うことができません。年長さんは「お金はおもちゃとは違う、特別なもの」とわかってくる時期。実際にお金を使い始める前に、「お金には限りがある」「お金は優先順位を考えて使うもの」という感覚を育んでいきましょう。

今日から実践!カンタンお金教育

社会のルールや数の理解が進む5~6歳の時期には、現金を使う予行練習をぜひしておきたいものです。買い物ごっこで遊んだり、実際にお店でお金を渡したりすると、お金は使えばなくなること、優先順位をつけて使う必要があることを実感できます。「ジュース5本分でほしかったおもちゃが買えるよ」など、より必要なものを手に入れるためにがまんすることも教えましょう。
ここでは、「いいお金の使い方」の土台となる習慣の育み方のポイントやお子さんへの伝え方の例をご紹介します。

ポイント1.まずはものやお金を大切にする習慣を育むことが大切!

自宅で娘と話すアジアの両親
kokoroyuki/gettyimages

ものを大切にする習慣が、お金を大切にする習慣につながります。「手に入るものには限りがある」と、しっかりと教えていきましょう。

お子さんへの伝え方の例

●ものをなくしたら、よく捜す
お子さんがものをなくしても、すぐ代わりのものを買わないで。ものをなくして不自由する体験も大切です。「公園で落としたのかな。捜しに行こう」「落とし物が届いていないか、園の先生に聞いてみようよ」などと、お子さんと一緒にまずはよく捜してみましょう。

●「待つ楽しさ」を教えよう
値の張るものをほしがったときは、「○月になってもほしかったら買ってあげる」と、少し時間をおくのも手。時間をおくと、子どもが本当にそれがほしいのかを見極めることができます。待つことで、手に入れたものを大切に扱う気持ちも育ちますよ。

●名前を書かせよう
おもちゃや文房具を買ったときに、「なくさないように、名前を書こうね」と声をかけて、名前を書きましょう。お子さんに書いてもらえば、「これは自分のもの、特別なもの」という気持ちが生まれ、より大事にすることができるようになります。

ポイント2.賢いお金の使い方を伝える

硬貨の財布。変更のための財布。革財布、ピンクの背景の財布。トレンドの色です。貧困の概念
Stas_V/gettyimages

お金は必要なものを買うためにあるもの。ためる大切さだけでなく、後悔しない、満足できるお金の使い方も伝えていきましょうね。

お子さんへの伝え方の例

●品物選びの手本を見せる
子どもと一緒に買い物に行くことは、この時期の大事なお金教育になります。「地元の農家を応援したいから、地元産の野菜を買おうかな」などと、考えながら買い物をする姿を見せると、「ものを買うと、ものを作る人を応援することにもなるんだな」と気づけます。

●プレゼントを一緒に買おう
プレゼントは、相手も自分もうれしくなる、すてきなお金の使い方のひとつ。祖父母などへのプレゼントを一緒に買い、渡したあと「喜んでくれたね」と話して、人のためにお金を使うことの喜びに気づかせましょう。

こんなときどうする?お金教育Q&A

お金についてよくある悩みとその解決へのヒントをご紹介します。

Q:祖父母が頻繁におもちゃを買い与えてしまうのですが…

木製のテーブルの上に異なるおもちゃのコレクション
Liudmila Chernetska/gettyimages

A:「ものの大切さを教えたい」と祖父母によく話してみて。

一緒のお出かけなど、「ものより思い出」に出資してもらうのもいいですね。お子さんには、「おばあちゃんのおかげで楽しかったね」などと伝えましょう。

Q:「みんなが持っているからほしい」とおねだりされるのですが…

白い背景を持つ日本人少年
kokoroyuki/gettyimages

A:「今はゲーム以外の遊びをしてほしいの」など、わが家なりの買わない理由を伝えて。

家庭の方針を子どもに伝えていくことは、将来、自分にとって本当に必要なものかをよく考えてお金を使えるようになるためにも大切なことです。

年長さんの「お金教育」とは、親の価値観を子どもに伝えること。実は、親のお金の使い方が問われているんですね。無駄づかいをせず、よく考えて買い、ときには人のためにお金を使う。そんなメリハリのあるお金の使い方を、私たち親自身も心がけていきましょうね。

※取材時の情報です。

参照:〈こどもちゃれんじ〉

 
 

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