お金の使い方が、心から幸せで豊かな人生に直結してる!?その理由と、人生の満足度をもっと上げるための「お金遣いのコツ」を家計相談実績30年超の畠中さんに取材!
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<教えてくれた人>: ファイナンシャル・プランナー 畠中雅子
40代でバケットリストに出会い、すぐに自身も書き始める。忙しくても目標を次々と叶えられるリストに感動し、各所...
- 時間は有限。お金は「使いたい時に使える」とは限りません。
- 無自覚な人が多いから要注意!お金の使い方が下手な人チェックリスト
- お金を上手に使うにはこの3つが必要!
- 今しかできない経験にお金を使って人生を豊かに生きる『DIE WITH ZERO』的な生き方がブームです!!
時間は有限。お金は「使いたい時に使える」とは限りません。
日本人は、平均約3273万円の財産を残して亡くなる※そうです。人生の莫大な時間を費やして稼いだお金を使わない実態から“死ぬ時が一番お金持ち”という皮肉さえ聞かれます。
「お金は、若いうちから使う訓練をしておかないと、上手に使えません」と畠中さん。「60歳を過ぎて財産があっても『夫が文句を言う』『一緒に行く友達がいない』と“できない理由”ばかり並べて旅行ひとつできない人がいますが、それは若い時からお金を使う訓練をしてこなかったから。逆に、自分が願う『経験』に上手にお金を使ってきたシニアはとても生き生きして魅力的です。財産の多さより、経験の豊かさが人生の満足度につながると気づかされます。
また、せっかく貯めたお金も、年を取った時に使えるとは限りません。気力や体力が十分な今のうちしか実現できない目標は多いもの。人生を後悔したくなければ、老後資金と教育費にばかり注目せず、今のうちに、自分がこの人生で本当に実現したい使い道と予算配分を徹底的に考えましょう」。
※MUFG資産形成研究所「退職前後世代が経験した資産承継に関する実態調査」より
無自覚な人が多いから要注意!お金の使い方が下手な人チェックリスト
□ 老後資金や教育資金が不安すぎて貯蓄がいくらあっても安心できたことがない人
・貯蓄がふえると、なぜか不安もふえます
貯めたお金で豪華な旅行や買い物をすると「自分よりもお金持ちの人」が目につくものです。そのため「今の貯金では足りない」と、より高い目標金額を設定しがち。それはゴールのないマラソンのようなもの。ずっとお金を使えずに貯蓄額に縛られる人生を意味します。ちなみに、大富豪になっても不安は消えません。不安と上手な距離感を保てる人が幸せなお金遣いのできる人。
□ 「老後に2000万円必要」などの報道を見ると、すぐにその数字を信じて気持ちが振り回される人
経済ニュースをチェックするのは大事なことですが、「数字」をうのみにして不安がるのはナンセンス。「全員に必要な金額が2000万円というわけではない」と冷静に考え、本を読み自分に必要な老後資金を計算するなど、リアルな金額を把握する努力が上手なお金遣いにつながります。
□ 頻繁に少額で「自分へのご褒美」を買う人
数百円だからと毎日なにげなく買っている商品は、ご褒美ではなく「ストレスのはけ口」であることが多いもの。“なんとなく買う”“仕方なく買う”は改めましょう。
□ 近所の人やママ友の家計や暮らしぶりが気になる人
・どんなにうらやんでも隣のうちの妻にはなれません
「あのうちはビジネスクラスで旅行した」「あのうちは相続で大金をもらった」など、「あのうちは」が口癖の人。他人を気にしている人は、自分のやりたいことやお金の使い道が見えにくい人です。うらやむ時間があるなら、家計改善の策を練りましょう。
□ 自分がやりたいこと、買いたい物があっても他人の“批判”に負けてあきらめる人
・「子どもが小さいから」「お金がないから」と全部あきらめていませんか?
私は子どもが2歳の時、大学院に入学しました。周囲から強く批判されましたが、批判する人が、私の人生の責任を取ってくれるわけではありません。また自分が“できない理由”を挙げていくのはとても簡単なこと。やりたいことこそ、何とか実現する方法を考え出すのが本当の“自分軸”。
そうはいっても将来の不安が消えない人や自分の叶えたい目標がよくわからない人はバケットリストを書いてみよう!「お金の使い方」が上手になりますよ。
お金を上手に使うにはこの3つが必要!
【気力・体力】
お金を使うには、欲しい物ややりたいことを感じ取り、優先順位をつけて決める必要があります。決断するには気力が、実行するには体力が要ります。この2つが充実している今こそ、使いどき。
【タイミング】
使ったお金は稼げば取り返せますが、過ぎた時間は戻りません。今しかできないことを経験するチャンスを逃さないよう、お金を使うベストなタイミングをよく見極めて。いつかいつかと先送りしていると、手遅れになり人生を後悔する可能性が。
●しかも今のうちから実践しないとお金遣いは上達しません!
一生懸命、節約や貯蓄を頑張る人ほど、使うことに不安を感じて気持ちよく使えません。お金を使う練習ができていない分、いざお金を使う時に失敗しがち。割高な買い物をしたり、本当にやりたいことを見極められなかったり。自分が幸せになるお金の使い方を普段から意識しましょう。
今しかできない経験にお金を使って人生を豊かに生きる『DIE WITH ZERO』的な生き方がブームです!!
この1年間取材に行くたびに、プロや貯め達人たちは皆「大事なのは、貯め方よりも使い方」と口をそろえます。使い方を見直すことで、結果的に貯まるというやりくりの好循環は、決して“流行り”に留まらず、これからの新しい「戦略」として定着しそうです。
by 編集部 idee
『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』ビル・パーキンス著、児島修(翻訳)(ダイヤモンド社)
ファイナンシャル・プランナー、貯め達人の読者の多くが推薦する名著。不安にかられて貯め込んでばかりの日本人に、「今しかできない経験に使え」「使い切って死ね」というお金の新哲学を投げかけた1冊。
<教えてくれた人>
ファイナンシャル・プランナー 畠中雅子さん
FPキャリア30年以上。教育資金や老後資金などについて、リアルな生活実態に基づいたアドバイスに信頼が厚い。各メディアでの執筆、講演など多方面で活躍。『貯金1000万円以下でも老後は暮らせる! 』(すばる舎)など著書多数。
参照:『サンキュ!』2025年3月号「人生を100倍豊かにする賢いお金の使い方」より。掲載している情報は2025年1月現在のものです。監修/畠中雅子 編集/サンキュ!編集部