【専門家が解説】新NISAのリスク許容度は?40代から老後資金を貯めるなら新NISA?iDeCo?

2024/10/01

お金を殖やしたい!新NISAへの素朴な疑問をお金のプロに質問してみました。資産のリスク許容度や40代からの老後資金、新NISAとiDeCoの違いについてもあらためて解説。投資に興味がある人は必見です。

Money&You代表。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、登録者2万人超のYouTube「Money&...

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はじめての新NISA&iDeCo

Q 成長投資枠で買うなら個別株?投資信託?

A まずは自分のリスク許容度を考えて

投資でいうリスクとは「危ない」という意味ではなく、値動きの振れ幅のこと。大きなリターンが期待できる振れ幅の大きな銘柄は、損をする可能性も大きくなります。リスク許容度は収入、資産、年齢、投資経験によって変わり、一般に収入や資産が少ない、年齢が高い、投資経験が少ない人はリスク許容度が低いとされています。また性格も影響します。


●その上で資産の7~9割を長期安定成長の「コア資産」に1~3割を積極運用の「サテライト資産」に分けよう!
「コア・サテライト」とは、お金を減らさずに殖やすことを目指す投資戦略のこと。資産の7~9割はインデックス・ファンドなどで堅実に殖やす「コア資産」として、残りの1~3割は個別株などリスクは高いけど大きなリターンが期待できる「サテライト資産」として保有するという戦略。まずはコア資産を固めましょう。

米国株式市場にのみ投資しているS&P500は、米国企業の株価が急落した場合、オール・カントリーよりも大きなダメージを受けるので、リスク許容度がやや高い人向き。一方、株式だけではなく債券やリートなどに分散投資しているバランス型の投資信託は、値動きがマイルド。安定成長を目指すコア資産に向いている投資商品と言えるでしょう。


●個別株は好業績株に中長期で投資しよう!
投資で得た利益が非課税なのがNISAの最大のメリットなので、利益が出ないとメリットもなし。個別株を持つなら安定的に業績を伸ばしている企業を選んで、手堅く利益をゲット。少し利益が出ても売却して利益を確定することは考えずに、中長期的に投資を。

Q 40代から老後資金を貯めるなら新NISA?iDeCo?

アイデコ
Yusuke Ide/gettyimages

A 40代・50代はiDeCoを優先!

iDeCoは掛金全額が所得控除になる点が、NISAにはないメリット。年収が高いほど所得控除のメリットが大きいので、年収が高くなる40代、50代はiDeCoを優先した方がいいでしょう。お金に余裕がある場合は、iDeCoを掛金の上限まで活用しつつ、NISAを併用してもOK。年収があまり高くない場合は、所得控除のメリットが小さいのでNISAが〇。またiDeCoは原則60歳まで引き出せないので、現金化しやすいNISAが向いているかも。


●復習!iDeCo(イデコ)とは?(個人型確定拠出年金)
毎月払う掛金を運用し、殖やしたお金を原則60歳以降に受け取れる制度。掛金は所得控除、運用益は非課税、受け取るときも税金が優遇されて節税効果大。加入期間は20歳から65歳未満※、運用商品は定期預金、保険商品、投資信託の中から選び、掛金は月5000円から1000円単位。掛金の上限は働き方や企業年金の有無などで異なります。

※16歳~20歳未満でも、厚生年金保険に加入している場合は、iDeCoにも加入できます。


●年収が高いほどiDeCoの節税効果は大!
iDeCoで毎月2万円(年24万円)を投資したときの、所得税率別の年間の節税額は以下の通り。なお、住民税率は原則一律10%です。

所得税は、所得が多くなるに従って税率が段階的に高くなります。同じ「年24万円」の掛金でも、税率20%の人は住民税を含めて、税率5%の人よりも2倍の金額が節税できます。1年間でこの差なので、10年、20年続けると節税効果の差はますます大きく。


●運用中にかかる手数料は金融機関によって異なる
運用中に払う「運営管理手数料」は、掛金や運用益の多寡に関係なく一定。金融機関によって月0円~数百円と異なり、年間5000円程度の差が生まれるので注意が必要。

株価が高くても、円安でも、大暴落があっても、投資は今すぐ始める&続けるべき!

Seiya Tabuchi/gettyimages

日経平均株価やS&P500などの株価指数が「高値」というのは、過去の水準と比べて高いというだけ。この先、世界経済は人口増加に伴い、さらに成長していきます。企業収益も上昇し、今よりも世界の株価水準は高くなることが予測されます。目先の株価の高低を気にするのではなく、将来的に株価が上がる可能性が高いならば、今すぐ投資を始めるのが正解と言えます。


※投資に元本保証はありません。損失のリスクも検討し、自己責任の上で行ってください。
※掲載した情報は、24年7月22日現在のものです。情報は変わることがあります。

<教えてくれた人>
頼藤太希(よりふじたいき)さん
Money&You代表。ニュースメディア「M モカocha」、登録者2万人超のYouTube「Money&YouTV」などで発信。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)など著書累計160万部超。

参照:『サンキュ!』2024年10月号「お金が貯まる・殖えるのはどっち?」より。掲載している情報は2024年8月現在のものです。監修/頼藤太希 取材・文/村越克子 編集/サンキュ!編集部

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