【FPが解説】優待株ってどうお得なの?お得な選び方は?

2025/03/28

株主優待って聞いたことはあるけど、どうお得なの?優待株ってそもそも何?知ってるようで知らない優待株の基本からお得な選び方まで、株主優待歴14年のFPに教えてもらいました。

FP STYLE代表。12年から株式投資や資産形成を本格的に始め、現在はFPとしてお金の個別相談をするほかマ...

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優待株って何?

優待株を買うと、その企業の製品やサービスの割引券、商品券、カタログギフトなどさまざまなプレゼント(特典)がついてきます。企業が、株主にプレゼントしてくれる理由とは?優待株の基本を学びましょ☆

株主優待とは企業が自社PRのために株主向けに提供する特典です

株を買うと株主=その会社の持ち主の一人になります。株主優待は、株を買ってくれた人への感謝の気持ちでもあります。また株主にとっては、株価の値上がりや配当金とは別のリターンとしての魅力があります。「会社側には、中長期的に株を保有する安定的な株主を増やしたい意図があると思います。他にも、自社商品やサービスを優待特典として提供することで宣伝を兼ねることも。株主優待を新設すると株価が上がり、上場して間もない企業は知名度を、大手企業はブランドイメージを上げる効果が期待できるなど、企業側のメリットも大きいです」。

個別株を買うともらえるかもしれないお得は3つ!

お得1 【配当金】株を持っているだけでもらえるお金
利益の一部を還元するために、会社が株主に分配する現金のこと。持ち株数に応じて金額が決まり、株を持っている間は、年に1~2回、定期的に受け取ることができます。利益の増減によって金額が上下したり、利益が出ても配当金を出さない会社もあります。


お得2 【売却益】安く買って高く売ると得られる
買ったときの株価より高く売って得る儲けのこと。買った株価と売った株価の差額です。なお成長投資枠で買った株を、その年のうちに売っても、買ったときの金額分の非課税枠は復活しません。翌年、新たに240万円分の非課税枠を利用することになります。

NISAで株を購入した場合この2つを非課税で受け取れます。


お得3 【株主優待】割引券や商品などがもらえて楽しい
【株主総会】にも出席できる!
株を買うと特典がもらえるだけではなく、株主総会に出席する権利を獲得。株主総会では自社製品、割引券、サンプル品などお土産をもらえることも☆

NISAの成長投資枠で購入できます

優待特典は、NISAの非課税メリットとは無関係。せっかく成長投資枠を利用するなら、非課税メリットが受けられるように、売却益が期待できたり、配当金が出る株を選んだ方が◎。無配当だったり、株価が下がり気味で売却損が出そうな株は見直しが必要です。

●そもそも個別株はハイリスク・ハイリターン
個別株の株価は、その会社1社の売上や業績などで決まるので、多数の会社の株をパッケージにした投資信託よりハイリスク。その一方で、会社が成長すれば株価が上がり、短期間で大きな利益を得られる可能性も。


●優待や配当金は減額・廃止されることもある
株主優待は“おまけ”のようなものなので、会社側の裁量でいつでも廃止できます。優待がなくなると株価が下がる傾向があり、二重のダメージに。配当金も企業の業績次第で減額になったり、無配になることも。

優待株は約1500社もある!お得な選び方は?

株価が上がって、配当金が出て、さらに株主優待もついている!そんな三拍子そろった優待株を買いたい!!優待歴14年の松田さんに見極め方を教えてもらいました。

業績が上向きかチェック

売上と利益の2つを確認。全体として緩やかにでも上向きになっていればOK。売上は伸びていても利益が伸びていない会社もあるので注意。「Yahoo!ファイナンス」のアプリや「会社四季報オンライン」「株探」などでチェック!

配当利回り・配当性向をチェック

配当金の有無や金額をチェックすることで、その会社の株主還元に対する姿勢が見えてきます。成長過程の会社は、今は配当金が少なくても、将来の“有望株”もあるので、「1」の業績を確認することが大事。


【配当利回り】3~4%がGood!
株価に対して、どれだけの配当金を出しているかを示す数値。計算式の通り、株価が変動すると、配当利回りも変わります。株価が下がると配当利回りは上がるので、配当利回りが高い場合は、その理由を確認して。

配当利回り(%)=1株あたりの年間配当金額÷株価×100

【配当性向】30~40%がGood!
会社の利益から、どれくらいを配当金として株主に還元しているかを示す数値。利益が出ていないのに、この数値が高い会社は、会社の資産を持ち出している可能性もあります。「1」の業績チェックが大事。

配当性向(%)=1株あたりの年間配当額÷1株あたりの当期純利益×100

優待品を使い切れるかチェック

優待は自分と家族が楽しんで使える内容で、ムリなく使い切れる量に。封筒や段ボールの開封と処分、優待券の管理などに負担を感じるようでは本末転倒。また優待品はどんどん使って家に物をため込まないように。

投資信託と個別株(優待株)の違いは?

いつ、いくらで、どのくらい買うかを自分で判断したい人は個別株向き!

成長投資枠の使い方に迷っている人は下表を参考に。値動きにハラハラするのが苦手な人は、つみたて投資枠で買っているのと同じ銘柄の投資信託を成長投資枠で買ってもOK。一括でのまとめ買いも、積み立て購入もできます。一方、個別株に関心があり、トライしたい人は、優待株を買うのもアリ!優待の内容が気に入り、株価が手頃なものを買って、1年程度、様子をみましょう。株式投資が自分に向いているかどうか、わかるかも。

<教えてくれた人>
ファイナンシャル・プランナー 松田梓さん
FP STYLE代表。12年から株式投資や資産形成を本格的に始め、現在はFPとしてお金の個別相談をするほかマネー記事を執筆。投資先を見つけるための個人投資家向けセミナーも開催。

※この特集に掲載した情報は、個人の経験と見解であり、読者の投資の利益を示唆・保証するものではありません。
※投資に元本保証はありません。損失のリスクも検討し、自己責任の上で行ってください。
※投資は、月収(手取り)の6カ月分の預貯金を貯めてから始めましょう。
※この冊子に掲載した情報は、25年1月22日現在のものです。情報は変わることがあります。
※株主優待内容は、特に表記がない限り、最低単元数、最短保有期間でもらえるものを記載しています。また、株主優待制度は変更や廃止の可能性があります。

参照:『サンキュ!』2025年4月号「株主優待で得する!BOOK」より。掲載している情報は2025年2月現在のものです。監修・撮影/松田梓 取材・文/村越克子 編集/サンキュ!編集部

 
 

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