優待株をお得に買うには!?買い方の基本と手順を解説

2025/04/06

これだけ覚えれば大丈夫!優待株の買い方をご紹介。優待株の銘柄を選んだら、いよいよ購入です。優待株をお得に買うには、ちょっとしたコツがあります。まずは優待株の買い方の基本と手順をおさらいしましょう。

FP STYLE代表。12年から株式投資や資産形成を本格的に始め、現在はFPとしてお金の個別相談をするほかマ...

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一般的には100株で1単元だから資金が必要

通常、株の売買は100株単位で行います。100株を1単元といいます。例えば株価が2000円の場合、100株買うには20万円が必要です。また優待を獲得するのに必要な最低株数が決まっていて、多くの会社が100株以上。つまり100株以上を買って、権利付き最終日(下記参照)に持っていることが優待獲得の条件です。

権利付き最終日の3~4カ月前から株価をウォッチ

配当利回りが3~4%程度で、優待内容もOKの株の権利付き最終日を確認。その日の3~4カ月前は株価がお手頃な時期で、ここから権利付き最終日に向けて株価は上昇傾向に。タイミングをずらして、少しずつ買うのもアリ。

権利付き最終日の1カ月前をメドに買っておこう

権利付き最終日の直前は、優待狙いで買う人が多くなるので株価が上がりがち。株価が高くなると優待のお得度が下がるので、直前で買うのは避けるのが賢明。権利付き最終日の1カ月前をメドに買っておくのが◎。

2~3カ月後に優待品が到着

優待品は、権利確定日から2~3カ月で届くのが一般的。夏のレジャーや誕生日などのイベントに優待品を利用する場合は、間に合うかをよく考えて。

●権利付き最終日
株主の権利を得られる最終の売買日
□ 優待品、配当金、株主総会出席などの権利が得られる
□ この日の15:25までに株を買う取引が成立し、保有していることが優待品や配当金を受け取る条件となる


●権利落ち日
権利付き最終日の翌日のこと。この日に優待株を買っても、優待獲得の権利はありません。権利付き最終日と権利確定日の間に、営業日(平日)を1日挟む決まりになっています。


●権利確定日
権利を持つ株主が確定する日
□ 権利付き最終日に株を持っている株主が、企業の株主名簿に登録され、株主としての権利が確定する日
□ 権利付き最終日に株を持っていれば、この日に株を持っていなくても優待品や配当金はもらえる

権利付き最終日を過ぎたら株を売っても優待品はもらえます

証券取引所は15時30分に終了します。従って、権利付き最終日の15時30分時点で決められた株数を保有していれば、優待を得る権利が確定。翌日以降に売っても、権利は失われません。

※優待条件として一定の保有期間が必要な銘柄もあります
※証券取引所の取引終了時刻は15時30分ですが、実際に売買できるのは15時25分まで

権利付き最終日が近づくと株価は上がり、権利落ち日の後に株価は下がる傾向が

優待を獲得することだけが目的で株を買う人は、株を持っている期間をできるだけ短くして効率的に売買する傾向が。権利付き最終日直前に買って優待を得る権利を獲得したら、翌日売却して、次の優待株の購入資金にする人も。売る人が多ければ、株価は下がります。

希望の安い株価で指値注文をして「買えたらラッキー」のスタンスがおすすめ

株を注文する画面の一例

ネット証券を利用している場合、指値注文したらログアウトしてもOK。次にログインしたときには、指定株価で取引が成立している場合もあるので、仕事や育児に忙しい人に便利。また、指値は下記を参考にして、配当利回りが4%程度になるように計算して決めると◎。

●指値(さしね)注文とは?
「この株価まで下がったら買いたい」場合や、「この株価まで上がったら売りたい」場合は、株価を指定して注文を出します。これが「指値注文」。自分が納得する株価で売買できる点がメリット。


●成行(なりゆき)注文とは?
株価を指定しないで注文を出すのが「成行注文」。売買が成立しやすいメリットがあるので、「権利付き最終日、ギリギリだけど優待が欲しいから、どうしても買いたい」場合などに使えます。

今は、購入時のコストが無料の証券会社もある

これまでは、株を売買する際には手数料がかかっていました。でも最近は、ネット証券の中には、SBI証券や楽天証券のように手数料なしや安く設定するところが登場。NISA口座を開設するときには、その証券会社の売買手数料についてチェックすることが肝心です。

少額で練習したい人は日本電信電話(NTT)の株を1万円台で買ってみよう!

1株150.6円だから100株買っても1万5060円!

「株はなんだか、怖そう」と思っている人が、練習用に買うのにおすすめなのが日本電信電話(NTT)の株。1株150.6円なので、100株買っても1万5060円。優待特典のほか配当もついてきます。実際に株を持つと、株価の動きの見方が違ってきます。株価が上下するのを体験することで、自分はハラハラしやすいのか、意外と平気なのかもわかります。優待を受け取る、配当金が入金される、株主総会の案内状が届くなど株主体験が一通りできます。


1年間、株を持っているだけでこれが体験できる!
・株主総会に参加できる
・配当金がもらえる
・株主優待がもらえる

お得な売りどきは?

【値下がりしたら売るパターン】
「10%値上がりしたら売却して利益確定。5%値下がりしたら売却して損切り」etc.マイルールを決めてから取引を
株式投資は「買い」よりも「売り」のタイミングが難しいもの。値上がりしているときは、欲が出て売れずにいたら値下がったり。反対に値下がりしているときは、持ち直しを期待しているうちに、もっと値下がったり。決断するのが苦手な人はルールを決めて、機械的に売り買いのタイミングを判断するのが〇。感情に左右されるとタイミングを誤りがちに。


【値下がりしたらさらに買い増すパターン】
優待が廃止され株価が下がったとき、配当利回りが4%以上あるなら買い増しする手もアリ
優待が廃止されると、その株の人気がなくなり株価が下がるのが一般的。慌てて売らずに、値下がりのチャンスに安値で買い増しする手も。この場合も「配当利回り4%以上」などルールを決めて、業績チェックも忘れずに。


<教えてくれた人>
ファイナンシャル・プランナー 松田梓さん
FP STYLE代表。12年から株式投資や資産形成を本格的に始め、現在はFPとしてお金の個別相談をするほかマネー記事を執筆。投資先を見つけるための個人投資家向けセミナーも開催。

※この特集に掲載した情報は、個人の経験と見解であり、読者の投資の利益を示唆・保証するものではありません。
※投資に元本保証はありません。損失のリスクも検討し、自己責任の上で行ってください。
※投資は、月収(手取り)の6カ月分の預貯金を貯めてから始めましょう。
※この冊子に掲載した情報は、25年1月22日現在のものです。情報は変わることがあります。
※株主優待内容は、特に表記がない限り、最低単元数、最短保有期間でもらえるものを記載しています。また、株主優待制度は変更や廃止の可能性があります。

参照:『サンキュ!』2025年4月号「株主優待で得する!BOOK」より。掲載している情報は2025年2月現在のものです。監修/松田梓 取材・文/村越克子 編集/サンキュ!編集部

 
 

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