お金のプロが投資の仕組みを簡単解説！初心者におすすめ“投資信託”が丸わかり

24年に新NISA制度が始まり、より身近になった投資。でも投資ってリスクがあるじゃないの？って尻込みしている人も多いはず。そこで、投資の気になる疑問や理解しておきたい基本の仕組みをお金のプロ・FP横山光昭さんがわかりやすく解説します。投資初心者さんにおすすめの投資信託のポイントもお伝えしますよ。

実はさまざまなものがある！投資の種類

「投資」と聞くと「個別株」を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、他にもさまざまな種類が。それぞれの特徴、リスクとリターンの関係を知ったうえで、投資を始めることが重要です。

預貯金、債券、株式、投資信託など、投資にはたくさんの種類があります

銀行の預貯金も、広義では投資の一種。預貯金には元本保証がありますが、その他の投資には元本保証はなく、リスクが伴います。リスクとリターンは表裏一体の関係。リスクが小さいものはリターンも小さく、リスクが大きいものはリターンも大きい傾向があり、小さなリスクで大きなリターンを得られる投資はありません。国債や社債などの債券は預貯金よりもやや利回りが高く、ややリスクも高いのが特徴。逆に株式やFX、仮想通貨などは大きな利益を得る可能性がある分、損失が出るリスクも高くなります。

リスク＝危険ではありません！

リスクは「危険」という意味ではなく、「運用で得られる利益（リターン）の振れ幅」を指します。

投資用語の解説

FX

外国為替（Foreign Exchange）の略で、外国為替証拠金取引のこと。外貨預金と同じように外貨に投資する商品。円とドルなど2国間の異なる通貨を売買する際、為替レートの変動によって損益が出る投資のこと。

個別株（株式）

株式とは会社が資金を出してくれた株主に発行する証券のことで、会社ごとの株式を個別株という。保有する株式の割合に応じ、配当金をもらえたり、株価が上昇すれば売却して利益を得ることができる。

債券

国や企業が投資家からお金を借りる際に発行する証明書のこと。国が発行する債券を国債、企業が発行するものを社債という。一般的な債券は満期まで持つと元本が戻ってくるほか、定期的に利子も得られる。

投資初心者には、長期運用で手堅く殖やせる投資信託がおすすめ

投資信託とは、投資家から集めたお金を1つの大きな資金としてまとめ、投資の専門家が運用し、得た利益を投資家に還元する金融商品のこと。世界中の株式や債券などをセットにした商品もあり、自動的に分散投資することが可能になります。また、個別株の場合はある程度の知識が必要ですが、投資信託なら難しい運用はプロにお任せ。投資初心者はもちろん、万人に向いている投資といえます。

本当に投資信託でお金は殖える？

「投資信託」VS「定期預金」毎月3万円×20年間積み立てた場合のシミュレーション

投資信託は積み立てを長く続けるほど、利益を元本に含めながら成長していきます。銀行の定期預金と比べ、20年後には大きな差が！

「投資信託」の場合

想定利回り（年率）3％だと、20年間で約982万円に！

「定期預金」の場合

20年間で元本720万円＋利息約16万円が殖えるだけ！

20年後約250万円もの差がつくことも！

※「投資信託」は想定利回り3％、「定期預金」は年利0.275％（税引き前）・利息の税率20.3％で計算。「投資信託」は手数料、税金などを考慮していないため、実際の投資結果とは異なります。データ出典：SBI証券（投資信託）、知るぽると（定期預金）。

投資信託のおすすめポイント

1 運用は投資のプロにお任せ

刻々と変化する金融商品の価格を随時チェックし、売買するのは手間が。投資信託はプロが運用してくれるので、管理の手間や詳しい知識がなくても始められます。

2 分散投資でリスクを軽減できる

多くの国やさまざまな種類の商品がセットになった投資信託を選べば、1つの商品が値下がりしても損失が少なくてすみ、資産が減るリスクを軽減できます。

3 少額から手軽に始められる

個別株や債券は購入にまとまったお金が必要ですが、投資信託は少額からの積み立て購入も可能。積立額を設定したら、銀行の定期預金感覚でほったらかしでOK！

時間を味方につけてコツコツ長く続けるほど利益を見込める

放っておいてもほとんど利息がつかない預貯金は、いわば「眠っている資産」。一方で、投資は運用によって「お金がお金を生み出す＝お金に働いてもらう」ことが可能になります。長く時間をかけて投資すれば、利益を元本に含めながら、雪だるま式に殖えていくことを期待できるのです。

市場の変動に一喜一憂せず、じっくり寝かすことが大切！

市場は日々変動しているので、購入している商品の価格が下がり、一時的に元本割れするケースもあり得ます。でも、そこで慌てないことが肝心！そのまま続けていけば、価格が上下しながらもやがてプラスに転じることは、過去のデータからも実証ずみです。数十年先まで続けると考えれば、1日当たりの値動きは微々たるもの。一喜一憂せず、じっくり寝かせておくのが成功の秘訣！

長期的なコツコツ投資にはNISAがおすすめ！

着実に利益を殖やすには、「長期・積み立て・分散」の3セットが大切です。コツコツ投資を長期的に続けるなら、課税口座での投資より断然お得なNISAを利用して始めてみましょう！

＜教えてくれた人＞
家計再生コンサルタント ファイナンシャル・プランナー 横山光昭さん
マイエフピー代表。これまでの相談実績件数は3万件以上。情報番組、ラジオ、雑誌など多数のメディアで活躍。『月3000円からはじめる新NISA超入門』（アスコム）など、著書の累計部数は405万部超！

※投資には元本保証はありません。損失やリスクも検討し、自己責任の上で行ってください。

※本記事の一部は『サンキュ！』21年6月号～25年4月号に掲載された記事を抜粋、加筆、再編集しています。

参照：『サンキュ！』2025年7月号「投資と副業本」より。掲載している情報は2025年4月10日時点のものとなります。イラスト／今井杏、Meppelstatt、德丸ゆう、Kanako　構成・文／宮原元美、鹿島由紀子、宗像久美子　編集／サンキュ！編集部