教育費のイメージ

目標は1人約600万円!NISAで教育費をどう殖やす?年齢別の最適な貯め方を紹介

2025/03/02

目標は1人約600万円!子どもの教育費は投資で殖やせる?年齢別の最適な貯め方や、おすすめの管理方法などをファイナンシャル・プランナーがアドバイス。NISAを活用するならコツコツ時間をかける長期投資がおすすめです。

1級ファイナンシャル・プランニング技能士。アラフォーで出産し、長女(12歳)、二女(9歳)のママ。著書に『書...

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子どもの年齢別 教育費の貯め方

画像上の妊娠、出産、子育てなどの費用
takasuu/gettyimages

子どもの年齢によって最適な貯め方は変わります。大学進学時が10年以上先の場合は、NISAを利用した投資で殖やすのもアリ!


早く準備するほど
★貯め方の選択肢が多い
★時間をかけて貯められる
★月貯蓄額が少なくてすむ!

10年以上先に使う教育費のみ学資保険や預貯金と併用しながらNISAを活用して

スタートレターと電卓
78image/gettyimages

NISAの積み立て投資でお金を殖やすには、時間がかかります。投資期間が長くなるほど、元本割れの出現頻度が低くなる傾向があり、仮に株式市場全体が値下がりしたときでも、そのダメージを小さく抑えられることも。だから積み立て投資で教育費を準備するなら、大学進学時期が10年以上先であることが条件。また学資保険や預貯金など確実に貯まる方法を併用するのが◎。「投資のみ」というのはおすすめできません。


●NISAを活用するなら「積み立て投資」で長い目で殖やす
NISAで教育費を貯めるなら、投資信託を毎月コツコツ買う「積み立て投資」がベスト。“一発逆転”を狙うのは、投資ではなくギャンブル。「急がば回れ」で、時間を味方につけた長期投資がベストの貯め方です。

貯め方の割合は

基本は、NISAと学資保険(または預貯金など)とで半々に。日々の値動きにハラハラしなくなったり、値下がりしたら買い増しのチャンスと思うなど投資に慣れてきたら、60:40でNISAを多めにするのもアリ。

おすすめの銘柄は

◎eMAXIS(イーマクシス) Slim 全世界株式(オール・カントリー)
通称“オルカン”と呼ばれる投資信託で、先進国と新興国(47の国と地域)の株式市場に連動した値動きをします。この銘柄1つを買うだけで、全世界に分散投資したのと同じ投資効果が期待できます。信託報酬は年率0.05775%と超安めです。

世界に分散投資している投資信託がおすすめ


◎セゾン・グローバルバランスファンド
「グローバルバランスファンド」の名称の通り、米国、欧州、日本などの先進国と新興国の株式と債券に分散投資する投資信託。株式50%、債券50%と半分ずつ投資して、リスクを抑えながら安定したリターンを目指しています。信託報酬は年0.56% ± 0.02%


●投資信託を選ぶ際は投資先と信託報酬をチェック!
値動きのリスクを抑えるために、全世界に分散投資している投資信託を選択。投資対象が同じようなら、信託報酬が安い方が◎。信託報酬の目安はインデックス・ファンド※なら0.2%以下、それ以外なら2.0%以下が目安※「オルカン」のように株式市場の値動きに連動する投資信託のこと。

おすすめの管理方法は

●NISAの「枠」を使い分けて子どもごとにいくら貯まったか把握しやすく
「つみたて投資枠」と「成長投資枠」を、子ども別や貯める目的別に枠を使い分ける方法もあります。同じ銘柄を積み立て投資しても、枠ごとに別々に管理されるので、それぞれいくら貯まっているかが把握しやすいです。


1 子どもごとに“2つの枠”を使い分ける方法
つみたて投資枠は第1子用、成長投資枠は第2子用の教育費を貯めます。成長投資枠でも積み立て投資の設定は可能です。第3子がいる場合は、夫のつみたて投資枠を利用します。

2 つみたて投資枠は教育費用、成長投資枠は老後資金用にする方法
NISAで老後資金も貯める場合は、教育費はつみたて投資枠、老後資金は成長投資枠を利用。子ども2人分の教育費を同じ枠を使って、同じ銘柄で貯めると、2人分が合算された金額が表示されるので、「2」で割って、1人当たりいくら貯まっているかを把握して。

●子どもごとに銘柄を分けて積み立てると、さらにわかりやすい
1つの枠で複数の子どもの教育費を貯める場合は、銘柄を分けても◎。例えば「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」「楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド」などは、同じ株式指数に連動する投資信託なので、運用成績に差が出にくく、同じようなペースで貯まっていくので管理しやすいです。

毎月の積み立て金額は

●早く投資を始めるほど月額は少なくすむ
貯め方にかかわらず、早く貯め始めるほど毎月の負担額が少なくて済みます。積み立て投資も同じで、早く始めれば、毎月の積み立て額を少なく抑えて、家計の負担を小さくできます。

※金融庁の「つみたてシミュレーター」(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/tsumitate-simulator/)で目標金額300万円、想定利回り3%(年率)で算出

9歳以上はコツコツ貯金!地方自治体の支援金も見逃さないで!

PhanuwatNandee/gettyimages

NISAを活用して教育費を貯めていいのは、原則9歳未満まで。9歳以上の場合は、不足分を補うために自分が住んでいる自治体の子育て支援金制度を確認。例えば、東京都では0歳から18歳までの子どもを対象に月5000円を支給する「018サポート」を実施。自治体のホームページなどを確認し、しっかり申請して受給もれがないように。


●教育資金が足りない!と慌ててNISAに頼るのはNG
「18歳まで時間がない!」からと、焦って投資に手を出すのはNG。NISAを活用した積み立て投資は、時間をかけてお金を育てる投資。短期間で無理に貯めようとすると、元本割れのリスクが大きくなります。


<教えてくれた人>
ファイナンシャル・プランナー 前田菜緒さん
1級ファイナンシャル・プランニング技能士。アラフォーで出産し、長女(12歳)、二女(9歳)のママ。著書に『書けばわかる!わが家の家計にピッタリな子育て&教育費のかけ方』(翔泳社)がある。

※投資に元本保証はありません。損失のリスクも検討し、自己責任の上で行ってください。
※この冊子に掲載した情報は、24年12月17日現在のものです。情報は変わることがあります。

参照:『サンキュ!』2025年3月号「NISAで教育費貯めてもいいですか?BOOK」より。掲載している情報は2025年1月現在のものです。監修/前田菜緒 取材・文/村越克子 編集/サンキュ!編集部

 
 

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