NISAでお金を殖やして教育費に!でもその後、どうやって取り崩せばいい?投資の運用成績が良かったときや悪かったとき、教育費の積み立て&取り崩しシミュレーションなどについて解説します。

<教えてくれた人>: ファイナンシャル・プランナー 前田菜緒
1級ファイナンシャル・プランニング技能士。アラフォーで出産し、長女(12歳)、二女(9歳)のママ。著書に『書...
基本は必要なタイミングで必要な金額のみ売却する方が運用効率がいい
大学受験・入学時、2年次進学時……など、必要なときに、必要な金額分の投資信託を売却して現金化するのが基本。残った資金は引き続き運用されて、殖えていきます。ただし値動きにハラハラするなら、高3の夏ごろに全部まとめて売却して利益を確定するのもアリ。
取り崩すとき運用成績が良かったら
●利益が来年もキープ&殖える保証はなし。本来の目的を思い出して売却を
10年以上、積み立て投資をしてきた目的は教育費を貯めることにあります。必要額を貯めることができ、さらに利益が出ているなら大成功。目的達成です。投資に下落はつきもの。欲を出さず必要なタイミングで売却を。
取り崩すとき運用成績が悪かったら
●その時こそ、学資保険や預貯金から出しましょう
投資だけではなく、学資保険や預貯金を併用しているのは、こういうときのリスクヘッジでもあります。値下がりしているときは放置して、学資保険や預貯金で当面を乗り切りましょう。
●そもそも元本割れを回避するためにも積み立て投資期間は長い方が◎
積み立て投資の期間が短いと、投資を始めたタイミングによって、大きな収益が得られることもあれば、元本割れすることもあります。長期投資をすることで、運用成績のバラつきがならされて利益が安定しやすくなります。
●売却時のコストはそれほど気にしなくてOK
売却時に信託財産留保額がかかる場合もあります。別途払うのではなく、投資信託の売却代金から引かれます。かからない投資信託も多数あり、かかっても少額。交付目論見書で確認を。
・信託財産留保額とは?
売却代金を払うために、運用会社は、投資信託に組み入れられている株式や債券などを売却して、現金を用意する必要があります。そのときかかる手数料を「信託財産留保額」として、投資信託を売却する人が負担します。
即時入金されないので大学に振り込む予定日の10日前には売却しよう
投資信託は、預貯金のようにすぐには現金化できません。「売り注文」を出してから、自分の預貯金口座に振り込まれるまで、約7日間はかかるとみるのが無難。振り込み期限の10日前には手続きを。
教育費の積み立て&取り崩しシミュレーション
●第1子8歳、第2子6歳からNISA口座で利回り3%で投資信託に積み立て投資した場合
第1子が8歳から月2万2000円を積み立て投資した場合、10年目に積み立て総額264万円が約307万円に。第2子は投資期間が長い分、毎月の積み立て額は1万8000円と第1子より少なくてOK。大学進学後は、約4分の1ずつ4回に分けて取り崩して、4年間で使い切ります。
●利回りは低めに設定して堅実にシミュレーションしよう
預貯金の金利は最初からわかっていますが、投資の運用利回りは、投資元本と期間から計算して結果的にわかるものです。教育費は必要になる時期と金額が決まっています。利回りは楽観的にではなく、手堅く設定するのが賢明。
●売却して空いた投資枠は翌年復活するので老後資金用に再活用しよう!
このシミュレーションでは、大学卒業時に残金が0円になるように設定。空いた枠は、0円になった翌年から非課税枠として使えるので、親の老後資金用の積み立て投資に活用できます。
データ協力/前田菜緒
※実際には直線の動きにはならず、株式市場の値動きに合わせて上下に変動し、評価損益が一時的にマイナスになることもあります。このシミュレーションは、将来の運用成果を保証するものではありません。
<教えてくれた人>
ファイナンシャル・プランナー 前田菜緒さん
1級ファイナンシャル・プランニング技能士。アラフォーで出産し、長女(12歳)、二女(9歳)のママ。著書に『書けばわかる!わが家の家計にピッタリな子育て&教育費のかけ方』(翔泳社)がある。
※投資に元本保証はありません。損失のリスクも検討し、自己責任の上で行ってください。
※この冊子に掲載した情報は、24年12月17日現在のものです。情報は変わることがあります。
参照:『サンキュ!』2025年3月号「NISAで教育費貯めてもいいですか?BOOK」より。掲載している情報は2025年1月現在のものです。監修/前田菜緒 取材・文/村越克子 編集/サンキュ!編集部