新NISAがスタートして1年。NISAの「つみたて投資枠」を利用して、投資信託の積み立て購入を始めた人も多いのでは?NISAをきっかにして投資を始めた人の中には、投資にまだ慣れていないせいで、つい余計なことをしてしまうことも。
全国の主婦を取材して、お金に関する記事を数多く手がける村越克子さんが、NISAを利用した積み立て投資で、やらない方がいいことを解説します。
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NG1.生活費を投資につぎ込む
生活費と投資に回すお金は、分けるのが基本。住宅ローンの返済分、水道光熱費、食費……を取り分け、さらに預貯金で貯める分の先取り貯蓄を確保したうえで、残ったお金を投資に回すのが基本です。
生活費と投資のお金がごっちゃになっていると、生活費がたりなくなったときに、積み立て投資しているお金を切り崩すことにもなりかねません。そうならないためにも、手取り月収の6カ月分を「生活費防衛費」として、預貯金で確保してから投資を始めるのが◎。
NG2.値動きをしょっちゅうチェックする
投資に値動きはつきものです。投資信託の積み立て投資も例外ではなく、値動きします。株式は時々刻々、リアルタイムで値動きしますが、積み立て投資で買っている「投資信託」という商品の値段(基準価額)は、1日1回発表されます。毎日チェックして、昨日より「上がった」「下がった」とハラハラするくらいなら、いっそのこと見ない方が、心穏やかな投資ができます。
NG3.値下がりしたら、あわてて売る
投資信託のつみたて投資は、個別株に投資するよりは、値動きがマイルドですが、それでも大きく値下がりすることもあります。特に、株式だけで構成されている投資信託の場合は、株式市場が大きく下がったときに、基準価額が下がることも。
値下がりしているタイミングで売却すると、損失が確定してしまいます。売らなければ、損失は確定しません。焦って「狼狽(ろうばい)売り」するのはNGです。
NG4.買ったり、売ったりを繰り返す
NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があり、成長投資枠では株式などが買えます。成長投資枠を使って1年間に投資できる金額は240万円まで。たとえば、株式を20万円分買うと、240万円からその分が引かれて、非課税枠の残りは220万円。買った株を売っても、そのときに非課税枠が復活することはなく、翌年、新たに240万円の非課税枠がスタートするまで待たなくてはなりません。
買ったり、売ったりを繰り返すたびに、その年の非課税枠を消費することになるので、計画的に投資するのが◎。
NG5.殖やし急ぐ
「子どもの大学進学まであと3年しかないから、預貯金で貯めていたら間に合わない」と、投資でお金を殖やそうとするのはNG。投資初心者さんに向いている積み立て投資は、時間をかけてお金を育てる投資です。短期間で大きな利益が出るハイリスク・ハイリターンの投資は、初心者さんには向きません。
まとめ
旧NISAに比べて使い勝手がよくなった新NISA。昨年1月にスタートしたのをきっかけに、投資を始めて人も多いはず。初心者さんがやりがちなNGに注意して、長期・分散・積立の心穏やかな投資で、資産を殖やしましょう。