初任給を投資してから約17年で1憶円!誰でもできることをコツコツやれば1憶円はつくれる!自分の設計図を自分で描く、米国株ブロガーたぱぞうさんに「億り人」になる心得を教えてもらいました。
<教えてくれた人>
米国株ブロガー たぱぞうさん(沖縄県 40代)
長男19歳(大学生)は一人暮らし、二男14歳(中2)は、学校の寮生活。月100万PV超の米国株を中心とする投資サイトなどを運営。企業の投資顧問アドバイザーを務めるほか、投資セミナーにも登壇。24年9月に沖縄に移住。
◎億り人DATA◎
・ブログ たぱぞうの米国株投資 https://www.americakabu.com/
・YouTube たぱぞう投資大学
・著書 『僕が子どもに教えている1億円のつくり方』(KADOKAWA)など多数
・好きな食べ物 寿司
・推し 湘南ベルマーレ
・縁起かつぎ していません
・おすすめ本 『インデックス投資は勝者のゲームーー株式市場から利益を得る常識的方法』ジョン・C・ボーグル著(パンローリング)

誰でもできることをコツコツやれば1億円はつくれます
たぱぞうさんはサラリーマン家庭に生まれ、大学卒業後は一般企業に就職。ごく普通の会社員でしたが、将来のことを考えて投資の力を借りた資産形成を決意しました。「投資は一獲千金を狙う博打ではありません。正しい知識を得て投資の力を借りれば、実は1億円をつくることはそれほど難しいことではありません」。自分に合った投資方法で資産1億円を達成し、その後も殖やし続けているたぱぞうさんに、億り人になるための心得を聞きました。
たぱぞうさんの人生と投資
【23歳】就職
大学を卒業し、一般企業に就職。銀行員だった親は金融に詳しく、ごく普通に株式投資をしていたので、たぱぞうさんも学生時代から自然と投資に関心をもつように。
投資Start!
【25歳】人材開発系の組織に転職
初任給(手取り約20万円)全額を日本株に投資
「そのとき就いていた仕事を続けた場合の自分の生涯年収が見えて、もっと自分の可能性にチャレンジしたくなったんです」。実家暮らしだったこともあり、思い切って初任給を全額投資へ。1億円への第1歩を踏み出しました。
心得1 人生の設計図は自分で描く
他人と違う道を進んでいても、これが私が歩む道!と信じることが大事。
「転職したとき、このまま定年まで働く人生を続けるのか自問しました。考えた末に出した答えは『50歳をメドにリタイアする』。早期退職するには蓄えが必要です。資産形成するには投資が近道だと考えて、最初の給料全額で株式を買いました。周りの人が、初任給でいい時計や車、親へのプレゼントなどを買うなか、私は、自分が描いた人生の設計図を実現するために給料を使いました。その決断が間違いではなかったと今も思っています」。
●もうひとこと!周りの意見に流されるな!
お金を殖やすには、時間がかかります。だからこそ「周りの人がやるから」と他人の意見や流行に流されて、いちいち心揺らぎお金を使っていては、いつまでも貯まりません。自分には1億円という目標があるのですから、「これが自分の進む道!」と信じることが大事。
【29歳】結婚
【30歳】長男誕生 資産約1000万円達成!
「支出をコントロールしてお金を投資に回す」をコツコツ続けた結果、投資を始めて約5年で資産1000万円を達成。「投資元本が大きくなるほど、殖え方が加速し始めました」。
【35歳】二男誕生 資産約3000万円達成!米国株投資に切り替える
為替相場が大きく円高になったときに、手持ちの円資産をドルに交換。それを元手にしてシティバンクなどの金融系の米国株式を買い始めたことが、資産を殖やす大きな転機になりました。
●リーマン・ショック後
超円高のとき買った安い米国株などがその後大きく成長して資産に!
心得2 支出のコントロールは資産運用の第1歩
「皆が買うからうちも買う」が正解の時代は終わりました。1億円を目指すなら支出に優先順位をつけて。
「収入を増やすことよりも支出を減らすことの方が、自分でコントロールしやすい。支出をコントロールして、投資に回すお金を増やすことが1億円への近道。世の中、物欲を刺激するものであふれています。『欲しい』と思ったら、本当にそれが自分にとって必要なものか?1億円達成を先延ばしにしても、手に入れたいものなのか?を自問。全部を我慢する必要はありませんが、優先順位をつけて支出をコントロールする人が億り人になれる人です」。
●高額で買っても価値が下がりやすい資産は注意が必要
買ったときは高かったのに、売るときは二束三文……というのはよくある話。特に、下の3つは、古くなるにつれて価値が下がる=減価しやすいもの。自分が十数万円のケータイを本当に必要としているかを自問して。
例
□ ケータイ
□ 自動車
□ 家
“億り人”を目指すなら、賃貸・駅近・車なしの暮らしが合理的
【36歳】資産約5000万円達成!妻の介護と育児のワンオペ生活に
二男が1歳のときに妻の介護が始まり、保育園の送り迎えをはじめ育児、家事、仕事、介護をひとりでこなす日々。3年の介護生活の末、妻が他界。
心得3 人生は何が起こるかわからないからこそ、投資は必要
どうしようもない日常の光明として、投資は私の心の支えになりました。
「妻の介護が始まったのは下の子がまだ1歳のとき。ワンオペで心身ともにしんどかったとき、自分に何かあっても投資のお金でしばらくは生きていけると、自分以外にも稼ぎ手がいることが心強かった。人生、何が起こるかわかりません。人生の危機に会社は思っているほど頼りにはならないもの。会社員だから安泰というわけではありません。資産形成は自分と家族を守る手段であり、将来に向けての重要なリスクヘッジだと思っています」。
●個別株を買う人へ
株価が暴落したときは資産を殖やすチャンス。事前に準備し銘柄を選んでおこう。
コロナショックのように相場全体が下がったときは慌てず、むしろ通常なら高くて買えない銘柄が買えるチャンスと考えましょう。そのためには日ごろから優良銘柄に目星をつけておくことが大事です。
【40代前半】約17年かけて資産1億円達成!
米国株投資に注力した結果、ドルが値上がりするなどの好機にも恵まれて、ついに億り人に。自分の資産を管理する会社を立ち上げて、不動産や太陽光発電などの投資もスタート。
心得4 コツコツ続ければ実現できる
「資産1億円達成は長い道のりです。一気に殖やそうと思わず、コツコツ投資を続けることがゴールにつながります。ゆっくりだけど、一歩一歩前に進んだ亀が先にゴールする『うさぎとかめ』の話と同じ。「継続は力なり」です。続ける力がある人が億り人になれます」。
【40代半ば】退職してサイドFIRE 資産約3億円※時間と場所に縛られない経済的自由を得る
投資信託やETFに切り替え始める
資産額が大きくなってきたので、米国の個別株よりも値動きがマイルドな投資信託やETFにも投資。「ETFが好調で、米国ETF があっという間に2倍以上に値上がりしました」。
【現在】沖縄に移住♪ 資産10億円※資産管理会社を運営。自由な暮らしを満喫中
金融投資のほか不動産や太陽光 切り替え始める発電への投資のリターンも順調で「お金がお金を稼いでくれる」生活。またブログやYouTubeで「誰もができる投資術」を発信。24年9月に沖縄に移住し時間に縛られない生活を満喫中。
※不動産などを含む
【現在のだいたいのポートフォリオ】
米国株のインデックス・ファンドやETFなど 50%
不動産 40%
現金 10%
これまでも資産形成にNISAを最大限活用してきましたが、新NISAでもつみたて投資枠を利用。「クレジットカード決済にしてポイ活しています。年間収入はETFの分配金、家賃、売電などを合わせて3000万円ほどになっています」。
これから億り人を目指す皆さんへ 米国の株価指数S&P500に連動する投資信託を選ぼう!
「投資初心者が億り人を目指すなら、まずはS&P500に連動する投資信託を毎月コツコツ買い続けるのが正解」とたぱぞうさん。NISA のつみたて投資枠で購入でき、ほったらかしで殖えていきます。
●S&P500とは?
マイクロソフト、アップルなど米国を代表する500社で構成される株価指数(インデックス)。このS&P500に連動する投資信託を買えば、米国市場の約8割に投資したことに。年4回、投資先の見直しが行われ、常に優良企業で構成されている。
●IT産業を中心に、米国企業の成長には今後も期待できる
マイクロソフト、アップルなど私たちの生活に不可欠なモノとサービスを提供しているのが米国のIT企業。「それらの優良企業で構成されているS&P500は、一時的に下がる時期はあったものの、約35年間という長期でみると右肩上がりで伸び、今後も成長が期待できます。S&P500に連動する投資信託に投資すれば、その成長の恩恵が期待できます。さらに500社に分散投資できるので、個別株よりも値動きがマイルドで初心者向きです」。
米国の株式市場が伸びると思う理由
□ S&P500は約35年間にわたり成長している
□ 国内総生産(GDP)が伸びている
□ 人口が増加している
□ 株式市場の法整備ができている
□ 世界の有力企業の多くが米国発祥 etc.
新NISAでも買える!おすすめ銘柄一覧
投資信託はNISAのつみたて投資枠と成長投資枠で、日米のETFは成長投資枠で購入可。投資初心者はまずは投資信託の積み立て購入が◎。同じような内容の投資信託なら、手数料が安い方を選択して。
●投資信託に慣れてきたら米国個別株にトライする手も
日本株は100株単位で売買するのが基本なので、1銘柄買うのに数十万円が必要になります。その点、米国株は1株ずつ買えるので、少ない資金で購入可。ただし銘柄選びには、ある程度の手間と時間とセンスが必要なことに留意して。
※この特集に掲載した情報は、各人の経験と見解であり、読者の投資の利益を示唆・保証するものではありません。
※投資に元本保証はありません。損失のリスクも検討し、自己責任の上で行ってください。
参照:『サンキュ!』2025年2月号「あなたも億り人になれる本」より。掲載している情報は2024年12月現在のものです。取材・文/村越克子 編集/サンキュ!編集部