やらない理由がない!?投資をするなら絶対活用したいNISAのメリットをFPが大解説!非課税で投資できるNISAは、利益が出ても税金が差し引かれないのが◎。特徴やおすすめポイントなどの基本情報を紹介します。

<教えてくれた人>: 家計再生コンサルタント ファイナンシャル・プランナー 横山光昭
マイエフピー代表。これまでの相談実績件数は3万件以上。情報番組、ラジオ、雑誌など多数のメディアで活躍。『月3...
NISAとは?
投資を始めるなら、絶対活用したいのがNISA。ただし、NISAは投資商品の名前ではありません。まずは、その特徴やメリットなどの基本情報をチェック!
NISAとは税金を引かれずに投資の利益を受け取れる税金の優遇制度のこと
NISAは個人が非課税で投資できる国の制度のこと。通常、個人の投資で得られた利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座に入金したお金で投資した場合は、いくら利益が出ても税金が差し引かれません。本来なら2割引きになる儲けをまるっと受け取れる、超お得な制度なのです。
NISAを始めるための口座開設は、銀行よりも取り扱い商品が多く、スマホで簡単に口座開設できるネット証券がベスト。NISAの成長投資枠でETFを買う場合、銀行のNISA口座では扱えない点も、ネット証券をすすめる理由です。
投資の利益に税金がかからないってどういうこと?
例えば投資で10万円の利益が出たとき、一般口座や特定口座の場合は約2万円が税金として引かれます。でもNISAなら、10万円の利益をそのまま受け取ることが可能に!
NISAを始める前のPOINT
【手取り月収7.5カ月分の生活防衛費を確保する】
病気やケガで収入が途絶えても生活できるよう、月収の7.5カ月分を目安に預貯金は必ず確保しておくこと。お金に困って投資商品が値下がりしているときに売却し、損するのを防ぐためでもあります。
投資用語の解説
特定口座
投資商品を売買する際の課税口座の1つで、年間の取引額や損益などを集計した年間取引報告書を証券会社が作成してくれる。「源泉徴収あり・なし」を選べ、「あり」を選べば確定申告の必要がない。
一般口座
特定口座では管理していない上場株式などを管理できる課税口座。証券会社が管理している特定口座やNISA口座とは異なり、投資家本人が確定申告の手続きを行う必要があり、投資上級者向け。
NISA口座
非課税口座なので、取引した商品の利益には税金がかからない。NISAを利用するためにNISA口座を開設する際は課税口座も作る必要があり、特定口座か一般口座のどちらかを選択する。
NISAには 「つみたて投資枠」 と「成長投資枠」の2つの枠があります
「つみたて投資枠」と「成長投資枠」は併用することが可能で、1年で投資できる上限は2つの枠を合わせて360万円、非課税で保有できる投資元本はなんと1800万円!投資初心者はまず「つみたて投資枠」から挑戦し、投資に慣れてきたり、投資できる余剰資金がある場合は「成長投資枠」の利用を検討するのがおすすめです。
1年で投資できる上限は360万円だよ
NISAの2つの枠の違いをCHECK!
成長投資枠
【1年間で投資できる金額】240万円まで
【運用できる期間】無期限
【保有限度額】投資元本1800万円(うち成長投資枠は1200万円まで)
【投資対象商品】上場株式、投資信託、ETF(上場投資信託)など
投資に慣れてきた中級者&余裕資金がある人は「成長投資枠」にも挑戦!
生活費や近いうちに使う予定があるお金を確保したうえで、さらに資金に余裕がある人、教育費や住宅ローンの支払いが終わった50代以降の人などは、個別株など、より幅広い投資商品を購入できる「成長投資枠」も検討を。ただし、投資の知識や株式投資の経験がない人がいきなり個別株を買うのは避けたほうが無難です。
こんな人におすすめ!
・もっとリターンを狙いたい
・運用できる期間が短い
つみたて投資枠
※成長投資枠との併用可
【1年間で投資できる金額】120万円まで(10万円/月まで)
【運用できる期間】無期限
【保有限度額】投資元本1800万円(うち成長投資枠は1200万円まで)
【投資対象商品】長期・積み立て・分散投資に適した投資信託など
投資初心者&投資資金が限られている人はまずは 「つみたて投資枠」で
投資に挑戦しようと思っても、投資に回せる資金が限られている人は多いはず。資産を殖やすためには、少額でも「長期・積み立て・分散」投資を続けることが大切!まずは投資初心者でも買いやすい投資信託がメインの「つみたて投資枠」を利用し、毎月ムリなく続けられる金額から積み立て投資を始めてみましょう!
こんな人におすすめ!
・毎日忙しい
・怖がりで小心者
・ズボラで面倒くさがり
もはや、やらない理由がない!?NISAのメリットをおさらい!
1 売却益や配当金に税金がかからないお得な制度!
利益に約20%の税金がかかる通常の投資に比べ、NISAなら投資で得られた利益に税金がかからないから、利益を丸々受けとることができます。
2 少額からでも積み立て投資ができる!
ネット証券などでは100円から投資信託の積み立てができるものも。資金に余裕がなくても少額から挑戦でき、誰でも始めやすい設計になっています。殖えるスピードは遅くてもまずは投資に慣れることを優先し、余裕が出てきたら徐々に積み立て額を増やすのが◎。
3 使う目的に合わせていつでも引き出せる!
NISAで投資した資産は、いつでも好きなタイミングで引き出すことが可能。ライフイベントなどに合わせて、お金が必要なときに必要な分だけ売却し、換金できます。引き出し回数にも制限はなく、自由度が高いのも大きな魅力です。
4 非課税で運用できる期間が無期限だから、自分のプランに合わせて投資できる
投資は運用期間が長くなるほどリスクのコントロールがしやすく、リターンも安定する傾向があります。NISAは非課税の保有期間が無期限になり、期限を気にせず投資を続けることができるように。子どもが小さい間は積み立て額を多めにし、教育費がかかるようになったら減額したり。定年後は一部を取り崩して生活費に充てながら、運用を続けたり。ライフプランに合わせながら、非課税のメリットを生涯にわたって存分に活かすことができます。
5 売却分の非課税枠が復活して、再利用できる
NISAでは非課税枠の再利用ができるのも、大きなメリットです。1人がNISAで投資できる上限額は1800万円ですが、保有している投資信託や株などを売却すれば、その翌年に売却した分の非課税の投資枠が復活します。含み益が生じたところで売却したり、損を覚悟で売却(損切り)しても、その枠で新たな投資に挑戦することが可能。商品や銘柄の入れ替えもしやすくなり、より柔軟な運用ができるように!
<教えてくれた人>
家計再生コンサルタント ファイナンシャル・プランナー 横山光昭さん
マイエフピー代表。これまでの相談実績件数は3万件以上。情報番組、ラジオ、雑誌など多数のメディアで活躍。『月3000円からはじめる新NISA超入門』(アスコム)など、著書の累計部数は405万部超!
※投資には元本保証はありません。損失やリスクも検討し、自己責任の上で行ってください。
※本記事の一部は『サンキュ!』21年6月号~25年4月号に掲載された記事を抜粋、加筆、再編集しています。
参照:『サンキュ!』2025年7月号「投資と副業本」より。掲載している情報は2025年4月10日時点のものになります。イラスト/今井杏、Meppelstatt、德丸ゆう、Kanako 構成・文/宮原元美、鹿島由紀子、宗像久美子 編集/サンキュ!編集部