いたずらで伸びる?1歳の好奇心を引き出す3つのサポート
2022/03/10
引き出しの中身を出す、洗面所を水浸しにする…。そんないたずらに、頭を悩ませていませんか?でもそれは、お子さんがもっている「好奇心」の小さな芽。実は、やる気や考える力などの土台となるものです。今回は、そんな「好奇心」の引き出し方についてご紹介しましょう。
<お話をうかがった先生>
汐見稔幸(しおみとしゆき)先生
東京大学名誉教授・日本保育学会会長・白梅学園大学名誉学長。専門は教育学、教育人間学、保育学、育児学。自身も3人の子どもの育児を経験。現代の父親・母親の応援団長を目指している。著書に『「天才」は学校で育たない』(ポプラ新書)、『汐見稔幸 こども・保育・人間』(学研)など多数。
好奇心って何?なぜ伸ばすといいの?
「好奇心」とは、初めて出合う物事に対して、「何だろう?」と知りたいと思う気持ちのことをいいます。大人からすると"いたずら"に見える行動をしたり、何でもなめてみたりするのは、実はこの「何だろう?」を確かめるための探索行動。生まれながらに誰もがもっている心の動きです。歩き始めて行動範囲が広がる1歳頃に急速に発達します。そして、この行動が脳を発達させ、やる気をはじめとするあらゆる力の基礎になっていくのです。
しかし、たびたび「ダメ!」などと行動を止めてしまうと、おうちのかたの顔色をうかがったり、何事にも興味を示さなくなったりしてしまうことも。「好奇心を育むためには、おうちのかたの対応が大切」と聞くと「ドキッ」としますが、難しいことではありません。ちょっとした工夫と、"一緒に楽しむ"気持ちが、未来につながる「好奇心」を豊かに育んでいくのです。
1歳の今が伸ばしどき!好奇心はどうやって育まれる?
【好奇心が育まれるしくみ】
誰もが生まれながらにもっている「好奇心」。「何だろう?」という気持ち(興味)から起こす行動(アクション)が発見や驚きにつながり、「もっと知りたい」というエネルギーが生まれます。これが好奇心が育まれるしくみです。つまり、興味が満たされることで、さらに引き出されていくのです。
1 興味をもちやすい環境をつくる
立って歩けるようになるにつれ視野や行動範囲が広がり、いろいろなことに興味が広がっていく1歳頃。「何だろう?」という気持ちを発揮できるように、家でも興味をもちそうなものを用意する一方、ときどき自然にふれる機会をもつのもいいでしょう。
2 「やってみたい」にできるだけストップをかけない
好奇心を育むには、お子さんの「知りたい」「やってみたい」などと思う気持ちに、ストップをかけないことが大切です。制止せずに済むように、危険なものを取り除いたうえで、自由に行動できるようにしましょう。
3 いつもそばで見守って発見の喜びを共有する
何かを発見して喜んでいるときは、「うれしいね」などと言葉かけをして、お子さんの気持ちに寄り添いましょう。その受け止めがあってこそ、お子さんは「たとえ怖いことがあっても安心して戻れる場所がある」と認識でき、ためらわずに行動できるのです。
※取材時の情報です。
参照:〈こどもちゃれんじ〉